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概要

機神の大剣と腹部が穿たれたインヴィディアの巨神獣が聳え立つ。

雄大な自然が広がっており、多様な原生生物(モンスター)や軍隊が生活している”鉄巨神”(コロニー)が存在するも、時折地形がくり抜かれたように消えてしまう消滅現象が発生。

永遠を意味するこの世界では、ケヴェスアグヌスという2つの国家が日々戦争を繰り広げており、おくりびとのノア曰く「生きるために戦い、戦うために生きる」過酷な世界とのこと。

というのもこの世界では、お互いから奪った命(エーテル)が生きる為に欠かせない資源であり、自力では決して賄う事が出来ない為である。

加えて、この世界に生きる殆どの人間は、真っ当な生命ではなく、10歳の心身で生み出され、10年で寿命を終え消滅する運命にあり、執政官の支配・管理の元、長きに渡りそうしたサイクルが繰り返されてきた。

成り立ちからして不自然な点が目立つ謎めいた世界であり、まさにディストピア

幼少期のランツのようにメビウスが広めたイデオロギー(10年の生を全うし女王に命を返すことが「素晴らしい」など)を素直に信じる者たちにとっては一応救いのある世界だが、戦いに向いていない素質・性格の者や、勘が鋭く、自分たちが誘導されていると気付いてしまった者たちにとっては望まない生を強要される息苦しい世界でもある。

アイオニオンの人々

アイオニオンで戦いを繰り広げている人間達は、上述のとおり人為的な改造を施された人間であり、純粋な生命では無い。

これはケヴェス・アグヌスともに同じであり、両陣営の女王の手によってゆりかごと呼ばれる培養槽によって生み出されており、身体のどこかに残りの寿命を表す”命の刻印”と呼ばれる印が付いている。

またケヴェスには初代のハイエンター機神界人、アグヌスには2のグーラ人やアーケディア人のような特徴を持っている者もいる。(ただし本来長命な種族でもアイオニオンでは一律寿命は10年)

アイオニオンの人間達は戦争のために生み出されているため、各々が特殊な能力を持った武器「ブレイド」を持っており、ゼノブレイド2に登場する種族としてのブレイドのように、何も無い空間から武器を精製して戦うことが出来る。

また、瞳がナノマシンとなっており、機械に頼らずとも高度な情報処理をこなすことが可能で、必要な情報を瞳に映すことで迅速な連携戦術を行える。

生殖によって命を繋ぐ普通の生命体と根本的に違うためか、彼等には性別の概念が無いに等しく、家族や兄弟といった認識も無い。裏を返せば、上記のように多種多様な種族が存在しながら種族による違いや男女の隔たりなどがまるっきり意識されていないので、いわゆる”社会的差別”も存在しない。

代わりに、能力の低い者は容赦の無い嘲笑に晒される徹底した能力至上主義がまかり通っており、お世辞にも人情のある世界とは言えない。

コロニー

ケヴェスもアグヌスも軍隊はコロニーという単位で構成されており、そのコロニーを率いる軍務長と補佐役の副官を中心に、炊事、医療、採集など様々な科が構成されている。

しかもコロニーは鉄巨神という巨大な移動兵器でもあり進軍の際は鉄巨神をそのまま戦地へ動かす。

つまり鉄巨神の破壊がそのまま勝敗に直結する。

コロニーにはランクがありそれに応じた設備や武装、待遇があり自身の所属コロニーのランクを上げるというのも兵士たちの戦うモチベーションにつながっている。

特に食事やレウニスの質は大きく変わるのかランクの話になるとこの2点はよく話題に挙げられている。

敵軍を斃したり功績をあげれば昇格し、逆に不利益をもたらしたり反逆者が現れた場合は連帯責任として降格する。

ランクはケヴェス・アグヌスともに、上から黄金、白銀、鋼、黒鉄、赤銅、青銅、土塊となる。

作中では現役の黄金ランクが登場しない(言及されない)こともあり、各軍が戦力として投入できるコロニーとしては白銀が最高位ともいえる。しかし、白銀も条件が厳しいのか作中で登場する現役の白銀コロニーはケヴェス、アグヌス両軍に一ずつしか存在しない。

大抵のコロニーは鋼から青銅に位置しており、特に黒鉄以上は一種のステータスであるのか、黒鉄であることを誇ったり「まず黒鉄を目指す」方針のコロニーもあったりする。

最低ランクの土塊は劣悪な環境下での活動を強いられ、物資が乏しく果てには食料が聞かないほうがいいとまで言われるものしか配給されなかったりと青銅以上とは明確に扱いが異なっている印象を受ける。

主なコロニー

ケヴェスは算用数字、アグヌスはギリシャ文字で呼称される。

ケヴェス側

  • コロニー9(青銅)

軍務長:ゼオン

ノア・ランツ・ユーニがウロボロスとなる直前に所属していたコロニー。堅実な強さを持つ。

ウロボロスの一件で軍務長が更迭されゼオンが就任。

  • コロニー4(土塊)

軍務長:エセル

ケヴェス有数の武人である白銀のエセルの元に手練の兵士が結束するコロニー。

  • コロニー30(黒鉄)

軍務長:ルディ

レウニス技師であるルディの元、大勢のノポンが自由気ままにレウニスを建造・配備しているコロニー。実務は副官のユゼット任せになっている。

  • コロニー11(白銀)

軍務長:アシェラ

アシェラを筆頭に戦闘狂が集うコロニー。普段はケヴェスキャッスルの防衛を行っている。

  • コロニー15(青銅)

軍務長:トライデン

執政官でもあるトライデンの元、自由気ままに活動しているコロニー。

  • コロニー0

リーダー:七号(ナギリ)

メビウス直轄の特殊部隊。「戦争」の調整や反抗勢力の掃討等を行う。配備された鉄機兵により高い戦闘力を持つ。

アグヌス側

  • コロニーガンマ(黒鉄)

軍務長:シドウ

ミオ・セナ・タイオンがウロボロスとなる直前に所属していたコロニー。新兵のアカデミー的な側面も持つ。

  • コロニーイオタ(白銀)

軍務長:ニイナ

コレペディアカードによる情勢判断と兵士の貢献を表彰する仕組み等により急成長するコロニー。

  • コロニーラムダ(鋼)

軍務長:イスルギ

徹底された規律により成果を上げるコロニー。かつてタイオンが所属していた。

  • コロニータウ(青銅)

軍務長:ユズリハ

僅かな仲間と静かに自給自足の生活を行うコロニー。

  • コロニーミュー(赤銅)

軍務長:マシロ

比較的若い兵士たちがマシロの元結束するコロニー。

  • コロニーオメガ

何かの研究が行われていた謎のコロニー。

その他の集落

  • ノポン・キャラバン

商魂たくましいノポンの一団。互いの兵士が商売相手。

  • シティー

長老:モニカ・ヴァンダム

かつてのウロボロスの末裔が暮らす街で、メビウスに対するレジスタンス部隊「ロストナンバーズ」を擁する。

主なエリア

  • アエティア地方

自然豊かなエリア、ノアたちのコロニーもここにある。上層部は雪深く直接行くことは出来ない

  • フォーニス地方

荒野に砂漠、オアシスにエーテル漂う不気味な樹海と様々な表情を持つエリア。

  • ペンテラス地方

坑道に大瀑布、森林と起伏が激しいエリア。森林の下層部は毒沼広がる凶暴なモンスターの巣窟

  • ケヴェスキャッスル地方

その名の通りケヴェスキャッスルを中心に浮遊岩礁が広がるエリア。

  • カデンシア地方

大剣が突き刺さる広大な海を有するエリア。

関連タグ

ゼノブレイド3 新たなる未来 ケヴェス アグヌス 執政官(ゼノブレイド3)

以下、ネタバレ注意

  • この世界の成り立ち

作中で「真のアグヌスの女王」やメビウスの首領ゼットの語り、更に『2』でプロフェッサー・クラウスが語ったことを総合し、一体何が起こったのかをまとめると以下のようになる。

  • 作中時間ではるかな昔:その昔、『地球』と呼ばれていた惑星では熾烈な戦争が繰り広げられていた。この愚かな争いによって地上は焼き尽くされ、それに飽き足らず宇宙までもが戦場となった。救いがたい人類の有様に失望した若き科学者プロフェッサー・クラウスは、世界を変えられると信じて第1軌道ステーション・ラダマンティスにて「ゲート」を起動し相転移実験を強行。その結果、世界が「神の世界」と「残された世界(後のアルスト)」に分かれる。
  • 上から1万年ほど後:「神の世界」でシュルク一行によりクラウスの左半身である巨神ザンザが討たれて「神なき世界」になる。また、並行して残された世界のクラウスがレックス一行と出会い、長きにわたる絶望を超えて世界と人類に希望を見出せたことで、ザンザやゲートの消滅と同時にレックス達への最後の手向けとしてアルストを新たなステージへと誘った。アルストの雲海は晴れて巨神獣が大地となり、アルストの民は「楽園」に移住する。(『初代』『2』本編の出来事)
  • 長い時を経て:この2つの相反する性質を持つ世界が引き合っており、最終的に衝突した後に跡形も無く消滅することが判明する。「神なき世界」の女王メリア・エンシェント、「楽園」の女王ニアは両世界の未来を残すため方舟「オリジン」を建造する計画を開始。かつてニアと共に歩んだノポン族の技師トラの技術力や「神なき世界」で発見された相転移実験により失われたトリニティ・プロセッサー「ウーシア」など両世界の叡智を結集し運命の日までにオリジンの建造は完了する。これで二つの世界は消滅した後に再構成され、いつも通りの日常を取り戻すはずであった・・・
  • 世界の衝突:衝突する瞬間に、未来を恐れ永遠の今を求める人々の想いが「ゼット」として具象化。ゼットはメリアを捕らえてオリジンのシステムを掌握、世界の時間が停止したアイオニオンを生み出す。ゼットは配下のメビウスを生み出し、現在の世界の形を作る。しかし、完全に世界が止まっているわけではないようで、2つの世界が1つになろうとする強い意志によるものか、各地で黒い霧が発生し断片的に大地が空間ごと消失する消滅現象が見られるようになる。つまり、緩やかではあるが、着実にアイオニオンは破滅へと進み続けている。
  • ゼットが掌握するアイオニオン:アイオニオンはゼットの理そのものであり、メビウスはこの止まった世界の中でしか生きられない。そのため、ゼットは人々が未来を拓くことでメビウスや世界が消滅することを拒み、10年という寿命の中だけで兵士たちを戦わせ、その命を糧としメビウスのみが永遠に存在し続けられるように仕向ける。この兵士達はオリジンに記録された人々を元に生み出される存在であり、言うなれば生身のアバターである。さらに兵士たちは記憶を失って再生され再び兵士として生まれるという、メビウスの餌として存在し続けることを余儀なくされる。ケヴェス、アグヌスの女王本人たちの姿は消え、メビウスが機械仕掛けの女王を操ってケヴェスとアグヌスの戦争を仕組む。その中で、エヌをはじめとした命を失った人間の何人かはゼットの御前に招かれ、永遠たるメビウスという誘惑を持ちかけられる。
  • メビウスに対抗する者たち:とある者たちが、「人が望むままに生きられる自由」を願いゼットから世界を取り戻すべく、シティーと呼ばれるコロニーを結成し、メビウスに抗い闘いを挑み続ける。彼らの子孫たちはゼットが定めた10年の寿命という呪縛に縛られることなく、人間本来の一生を営むことができる身体を維持。また、ゼットの支配から逃れるため、かつてのアルストに存在したブレイドのコアクリスタルとオリジンの欠片を反応させることで生まれるウロボロス・ストーンを生み出し、ウロボロスとなった。オリジンの欠片にはゼットの支配が通用しない「外の力」が込められているため、ゼットやメビウスにとっては脅威の存在となる。
  • アルファの出現:アイオニオンを観察していたウーシアがシティーの人間だけを残しアイオニオンを抹消することを決定しアルファとして実体化。それを阻止しようとゼットはシュルクレックスと共にアルファに挑むが痛み分けに終わり、力を失ったアルファはコアクリスタルと化す。それからしばらくしてアルファは自分を拾ったナエルに憑依して目的をシティーで果たそうとしたが、エヌの乱入とゴンドウの最後の力によって失敗。
  • 新たなる未来へ:シティーの生き残りであるマシューはアルファから分離した良心エイと共にナエル達を探す旅に出ていた。そんな中ニコルカギロイが戦っている所に出くわし彼らの戦闘を止める。その後はシュルク達が結成したリベレイターという組織と合流し、更にはアルファと同化したナエルと再会。オリジンの内部に突入した一行はナエルを救いアルファを撃破するが、アイオニオンの崩壊が急速に進行したためエイ、シュルク、レックスの3人がオリジンと同化。この戦いで初めてウロボロスとなった6人はシティーの再興を目指し、後に六氏族と呼ばれることになる。
  • 希望を託して:自身の力がゼットに通用しないため隠れていたニアがエムに接触。自分が隠れる天空の砦への鍵と言葉を託し、眠りにつく。ニアは眠りながら、自分のコアクリスタルとオリジンの欠片を反応させウロボロス・ストーンを作り地上に落としていた。その後はシティーの人間がストーンを探索し、シティー内部の人間たちの中からウロボロスとなれる6人を一定期間ごとに選出し、ゼットやメビウスたちに対抗しようとする。
  • 託された希望:ウロボロス・ストーンを発見し回収しようとしたシティーのゲルニカ・ヴァンダム一行だったが、メビウスは妨害のためケヴェス、アグヌスを介して特殊部隊を編成し送り込みストーンを奪おうとする。ヴァンダムがケヴェスのノア、ユーニ、ランツ、アグヌスのミオ、タイオン、セナの6人が異変を感じながら争っているところを目撃すると、彼らにストーンの力を与えウロボロスとし「シティーを目指せ」と告げる。ウロボロスとなった彼らは、人間本来のあり方について触れ始める。その一方、メビウスにとってアイオニオン創世以来からの脅威であるウロボロスが覚醒したため、ケヴェス、アグヌスの両国にこの6人の主人公たちに対する抹殺命令を下した。

EDのさらなるネタバレ注意

  • ゼット撃破後:アイオニオンを統べるゼットを倒したことで静止した時間が動きだし、世界は再び二つに分かれ、衝突し消滅。そして「オリジン」が発動しそれぞれ再構築されたものと思われる。つまり「アイオニオン誕生前」の状態に戻ったことに。したがって、アイオニオンで生まれた命であるシティーの人々も消滅したと思われる。だが、EDで女王生誕祭で「おくりの旋律」が聞こえたノアが何かに気づいたような表情をするので、アイオニオンでの出来事もオリジンに記録されており、それぞれのオリジナルにフィードバックされている可能性も示唆されている。

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