概要
植物のうち、花を発達進化させた一群。種子植物の中で裸子植物と対をなす。裸子植物よりも進化した生物群として中生代ジュラ紀に現れ、白亜紀以降、主に陸上植物(水草として水域に進出したものもある)として繁栄している。
形態・生態とも多様化が著しいが、モクレン(メイン画像)などのモクレン科が祖先的な形態に近いと言われ、「モクレン門」などと呼ばれたことがある(スイレン科の方がより原始的だが、水生植物として特殊化しているため)。
定義と分類
「胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まった植物」というのがもともとの定義。平たく言えば花を咲かせ果実がなる植物。種子が果肉を被っている、という意味で「被子」。
伝統的な分類では単子葉類、双子葉類に分かれる。単子葉類(稲や竹、ユリなど)はモクレンやスイレンなどの原始的な双子葉類が枝分かれした後に進化しているので、新しい分類では原始的な双子葉類を「基部被子植物」として狭義の双子葉類(真正双子葉類)から分けている。
ただしイチョウやイチイのように、一見果肉を持つが裸子植物に属するものもある。逆に目立った花を咲かせず(風媒花なので)、種子に果肉らしいものが無い(退化消失したと考えられる)稲や麦などのイネ科植物が被子植物だったりもする。
ヤシなんかは、表面的な特徴だけを見れば裸子植物より原始的なシダ植物ではないかとすら思えるが、単子葉植物に属し、被子植物の中でも進化した部類の植物である。