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関西空港の編集履歴

2022-09-20 14:12:27 バージョン

関西空港

かんさいくうこう

大阪湾上の人工島にある国際空港

概要

大阪府の南部、泉州沖に築造された人工島にある空港

正式名称は関西国際空港。略称は「関西空港」「関空」「KIX」。


1994年9月4日開港。日本初の「人工島上に作られた海上空港」及び「客貨双方において24時間運用可能な空港」である。


大阪国際空港伊丹空港)の騒音対策が発端となり建設された空港であるが、京阪神からのアクセスに時間がかかり過ぎることが難点となっている。


建造の際に、人工環礁を沈めたために魚類などの生息地として発展しており、瀬戸内海では絶滅に近づいていたスナメリが繁殖に利用していることも判明した(そもそも、汚染されるはるか昔は数多くのクジラやシャチニホンアシカウミガメサメなどが大阪湾にはいた)。


施設

空港島

  • 1期島:515ha
  • 2期島:545ha

滑走路・誘導路

1期島にはA滑走路と2本の平行誘導路があり、2期島にはB滑走路と1本の平行誘導路が設けられている。2つの空港島は1対の誘導路でつながっている。

  • A滑走路: 3,500m×60m
  • B滑走路: 4,000m×60m

A滑走路が主に使われ、B滑走路は混雑時の着陸機、第2ターミナル到着便の着陸機、A滑走路閉鎖時に離着陸機が使う。


第1ターミナルビル

  • 延べ床面積:303,443㎡
  • 全長:1,672m
  • 本館:318m
  • ウイング:南北それぞれ677m
  • ゲート数:41か所(国際北15か所、国内9か所、国際南15か所、内際共用2か所)

4階が国際線出発フロア、2階が国内線フロア、1階が国際線到着フロアとなっており、垂直移動だけで国内線と国際線を乗り継げる。なおビルの地下部分は従業員エリアとなっている。

4階にはリムジンバスおよび神戸空港方面への高速船ポートターミナルとを結ぶバスのおりば、1階にはのりばがある。2階からはペデストリアンデッキで立体駐車場、鉄道駅、エアロプラザに直結している。


第2ターミナルビル

  • 延べ床面積:約66,000㎡
  • 駐機場(小型機の場合):21か所(国内線9か所、国際線6か所、内際共用6か所)

格安航空会社(LCC)専用ターミナル。2期空港島の連絡誘導路北側にある。「第2ターミナルビル(国内線)」(約30,000㎡)、「第2ターミナルビル(国際線)」と「チェックイン棟」(約36,000㎡)で構成。

Peach Aviationが国内線と国際線に、春秋航空が中国と結ぶ国際線に使用している。

隣には「KIXそらぱーく」がある。

リムジンバスは原則すべて第2ターミナルまで直通しており、関西空港駅および第1ターミナルからは無料シャトルバスが運行されている。深夜時間帯の発着もあることから24時間体制の運行である。


エアロプラザ

  • 延べ床面積:65,000㎡

地上11階建てのビルにホテル日航関西空港、土産物店、レストランやバー、コンビニエンスストア、レンタカーカウンターなどが入居している。


関空展望ホール(スカイビュー)

スカイデッキからは両滑走路から離着陸する飛行機を眺められ、イベントも行われる。

  • スカイデッキ
  • スカイミュージアム

第1ターミナルから無料連絡バスで約6分。バスの車内では日英中韓4か国語で放送が行われる。


貨物施設

1期空港島南西部分37.2haに国際貨物地区などがある。地区には給油施設、発電所、熱供給施設、機内食工場、関係官庁の庁舎、大阪国際郵便局、下水処理プラント、廃棄物処分施設、飛行機の格納庫のほか、18棟・総延べ床面積21.2haの国際貨物施設がある。1期空港島の北側には4.5haの国内貨物地区がある。

2期空港島の南東部分にある11.4haの貨物地区は、フェデックスが北アジア周辺から集めた貨物を北アメリカ向けに発送する拠点「北太平洋地区ハブ」として利用している。


港湾施設

1期空港島北端に神戸空港からの高速船が発着する旅客用ポートターミナルが、南東部に航空燃料輸送用タンカーから燃料を荷揚げするオイルタンカーバースがそれぞれ存在する。


管制施設

国土交通省大阪航空局関西空港事務所が航空管制を行う。

関西進入管制区には、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港、八尾空港、高知空港、高松空港、岡山空港、岡南飛行場があり、空港の進入管制業務を一括で行う。

大阪空港の運用が終わる21時以降は「陸上ルート」が認められる。この時間帯に羽田空港から関西空港に向かう飛行機は和歌山市上空を通過せず、関西空港上空を東から西に突っ切ることで最短ルートで大阪湾に出て、小回りして着陸できる。


2018年台風21号による被害

2018年9月4日、台風21号が関西を襲った。(当日は奇しくも開港から24年目を迎える日であった)

関西国際空港は高潮により、1期島のA滑走路と第1ターミナル駐機場のほぼ全域が冠水、深い所で40〜50cmに達した。第1ターミナルの地下従業員エリアも冠水した。12時にはA滑走路とB滑走路のいずれもが閉鎖された。13時30分頃、第1ターミナルと第2ターミナルの一部で停電が発生した。

その停電と時を同じくして、航空燃料輸送用の2,591トンの中型タンカー「宝運丸」が風速50メートルを越える強風に流され漂流状態となり連絡橋に衝突(※1)し、りんくうから関空に入る3車線の道路が橋桁ごと鉄道橋側にずれた。乗組員11人にけがはなく、4日夜に海上保安庁により全員救出された。鉄道橋の架線の柱が曲がり、橋桁が少しずれ、線路がゆがむなどし、さらに空港島に敷かれている線路が海水に浸かったため、JR西日本と南海は関空アクセス列車の運転ができなくなった。

この大きな被害により、5日と6日は空港を閉鎖、すべての発着便が欠航となった。それにより、人の流れと物流に大きな影響が及んだ。

5日早朝から、空港島から出られなくなった客をシャトルバスで南海泉佐野駅、高速船「神戸-関空ベイ・シャトル」で神戸空港へ送り出し、23時をもって希望者約7800人を送り届けた。

復旧作業・運航再開

9月6日、関西エアポートが記者会見を開き、被害が少なかったB滑走路と第2ターミナルを使用し、7日に国内線の一部の便(Peach Aviationと日本航空)を再開することを発表した(※2)。7日、JR日根野駅および南海泉佐野駅から臨時シャトルバスの運行が行われ、リムジンバスの一部が運行再開、ベイ・シャトルも通常運航が再開された。いずれも飛行機利用客と空港関係者に限り利用できる。第2ターミナルにはPeachと日本航空の国内線計19便が発着した。

国土交通省が7日に策定・発表した復旧プランでは、連絡橋の関空からりんくう方面3車線の道路を用いた対面通行を実施、バスと空港関係の車両に限り通行可能とすること、A滑走路の暫定運用を9月中旬をめどに行うこと、関空に入る道路橋の撤去後速やかに鉄道橋の復旧作業を行い、関空に入る道路橋梁の復旧を行うなどを挙げている。

8日には国際線の一部も運航再開。その日はPeachと日本航空の国内線計33便が発着、Peachと全日空が中国、台湾、韓国などと結ぶ国際線計14便の発着を行った。また、フェデックスの国際貨物便8便も発着を再開した。JR西日本が日根野駅から、南海が泉佐野駅からりんくうタウン駅まで列車の運転を再開し、臨時シャトルバスはりんくうタウン駅から発着するようになった。9日には春秋航空も6便、12日にはジェットスター・ジャパンと済州航空も運航を再開した。

関西エアポートが9月8日に行った会見では、第1ターミナルのうち被害が少ない南側の復旧作業を行い、1週間以内に部分再開する見込みであると明かされた。10日にA滑走路と第1ターミナル駐機場からの排水作業と表面清掃がほぼ完了、風雨や浸水によって壊れた灯火の復旧が行われた。13日には第1ターミナル中央の南側が停電から復旧した。14日に第1ターミナル南側の運用が再開され、この日は関空全体で国内線・国際線合わせて約200の発着便(通常の4割程度)が運航、翌日以降も災害前の5割程度が運航された。

A滑走路の近くでは、NEXCO西日本が12日から14日にかけて壊れた2本の道路橋の橋桁を撤去する作業を行った。12日に1本目の橋桁、14日に2本目の橋桁が撤去された。鉄道橋の橋桁を点検した結果、大きな問題がないことが確認され、JR西日本が行う復旧作業も予定していた以上に進み、17日未明の試運転を経て、18日にJR西日本と南海は始発から関空への運転を再開した。タンカーが衝突した部分は速度を落として運転する。

20日に残る第1ターミナル北側の復旧作業が完了、21日に運用が再開され、ほぼすべての旅客便が運航されるようになった。貨物エリアの5〜6割が復旧し、貨物便も21日時点で災害前の86%の運航となった。

連絡橋は9月7日時点でバス、空港関係車両、貨物車両、工事車両のみ通行が可能だったが、21日以降はタクシーも通行可能となった。その後10月6日からマイカー、レンタカーの通行も可能となった。その間はりんくうから関空方面2車線、関空からりんくう方面1車線で運用されていたが、2019年2月12日夜から13日未明にかけて関空に入る3車線の橋桁1本、同日夜から14日未明にかけてもう1本が取り付けられた。これらの橋桁は、株式会社IHIインフラシステム堺工場と高田機工株式会社和歌山工場で製作された。両社とも連絡橋建設に関わっており、高田機工は関空島寄りの約6割を再利用、IHIインフラシステムは全体を作り直した。3月7日6時に連絡橋は両方向2車線ずつの4車線通行ができるようになり、4月8日6時、6車線に完全復旧した。


(※1)衝突時は航空燃料を荷揚げした後であり、海洋汚染等の影響は無かった。荒天時において海保が推奨している停泊域に反して空港島至近に停泊していた疑いがあり、海保が船長から事情を聴取している。


(※2)当日の午前3時7分に北海道胆振東部地震が発生、この地震による大規模停電の影響で同じく国際空港である新千歳空港が当空港に続いて使用不能になっており(8日より再開)これにより空港としての復旧がより急がれる事態になっていた。


関空発着便の他空港への振り替え

国土交通省は2018年9月13日、関空の本格復旧までの暫定措置として大阪国際空港で1日最大40便、神戸空港で最大30便の発着受け入れを決定したことを発表した。便数は国際線を含む。大阪空港は7時から21時までの運用で最大410回の発着を可能とし、21時以降に着陸する遅延便を受け入れる。神戸空港は運用時間を6時から23時と朝夜1時間ずつ延長し、最大90回の発着を可能とする。

10月10日、関空の国際線の荷物扱いシステムが復旧するめどがついたため、11日をもって代替便の受け入れを終了した。

日本航空が10月に大阪空港で香港便を運航する予定だったが、10月10日、国土交通省は大阪空港-香港便の運航認可を取り消した。2便は関空に発着空港を変更する。


台風24号への備え

関西エアポートは2018年9月27日、9月30日から10月1日にかけて関西に接近することが見込まれる台風24号に対する関西国際空港の対策を公表した。対策は9月29日までに完了した。

空港島が再び冠水する可能性があるため、浸水対策として、護岸や排水ポンプ周辺には14日に大きな土嚢を設置しているほか、給油・国際貨物地区への流入を防ぐ大きな土嚢を追加で設置、地下電気室への扉への土嚢や止水板シールなどを設置、地下通路入り口に止水ラインを作り、仮設ポンプも追加で設置した。またボーディングブリッジは各所を固定・養生し、モーター部分をラップで梱包した。

備蓄品は500mLの水約4万本、非常食約37,500食を用意。さらに充電式スマートフォンバッテリー150個、蓄電池式発電機1850個も手配。さらに多言語対応スタッフを中国語・韓国語それぞれ8人ずつに増やし、多言語拡声器「メガスピーク」も2台から8台に増やし、さらに約60台入荷する。公式サイトとTwitterでは5言語、Facebookでは日本語と英語で情報発信を行う。

29日に関西エアポートが官公庁、航空会社、アクセス会社、飲食・物販店舗などと協議を行い、9月30日11時から10月1日6時まで2つの滑走路を閉鎖した。


その他

  • 広大な空港であることから、空港内の貨物施設などを結ぶ路線バスが南海バスによって運行されているが、365日24時間運行(深夜時間帯もほぼ30分間隔)である。
  • 空港島内に住民票をおいている人が一人だけおり、いわゆる無人島」ではない。住民とされているのは、空港島だけを管轄する関西空港警察署の署長であり、警察署長は所轄地域内への居住が義務付けられているためである。

関連タグ

関空 関西空港 関西空港駅

大阪国際空港伊丹空港神戸空港:関西エアポート株式会社運営の空港

長崎空港:日本初の海上空港(自然の島から築造)

新千歳空港:日本初の24時間運用可能な空港(貨物のみ)

羽田空港 成田空港 中部国際空港


外部リンク

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