ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ラシーンの編集履歴

2022-10-20 00:06:27 バージョン

ラシーン

らしーん

日産自動車が開発販売していた乗用車。

概要

1994年から2000年まで日産自動車から販売された、小型乗用車。


B13型サニーをベースに、クロスカントリー車風に仕立てたパイクカーである。Be-1やパオ、フィガロと異なる、唯一の量産車。生産終了までの総生産台数は約7万台であった。型式はE-RNB14型で、組み立て生産は委託先の高田工業で行われた。


1990年代半ばの日本においては「クロスオーバーSUV」という概念はまだ存在しておらず、代わりにあったのが三菱パジェロに代表される「RVブーム」であった。

ラシーンについても一定の大きなファン層を獲得したが、次第にモノコック化して本格的なオフロードから都市部走行までスペックの幅を広げていったSUVにその座を押されていき、さらに日産の経営危機や安全基準の古さがダメージとなり、一代での生産終了を迎えた。


しかしながらその個性的なデザインや大きめの荷室などから発売当時から人気が高く、現在も長く乗り続けたり中古を購入したりするオーナーも多い。それもあってか、生産終了から20年以上経った現在においても中古車市場での評価が高い車種である。


ネーミング

「未知の旅の世界を広げるクルマ」として誕生したラシーン(RASHEEN)。ネーミングは旅の水先案内人をイメージした「羅針盤」からの造語である。広報資料によれば「ネイチャー志向と都会的センスを併せ持つ新しい4WDとして、ハイブリッドな新感覚を込めた」らしい。

余談として、当時の日産自動車のホームページの名前も「羅針盤」だった。



コンセプトとターゲット層

商品コンセプトは、都市から自然までさりげなく調和できる「新ジャンルRV‐街でも爽快、きさくな4WD」。90年代前半に多様化しつつあったRV市場に新たなジャンルを切り開こうとした。

必要な機能を備えつつ、人や自然へのやさしさも持ったシンプルな生活の道具をイメージした。使用者のライフスタイルや個性に合わせ、オプション品によってシックからランナバウトまで、多様なスタイルになれる「素材車」として売り出された。

30代前後の独身世帯や子供なし夫婦をターゲットとした。日産の狙い通り、2022年現在もキャンプなどを楽しむ若いオーナーが多い。


エクステリア

直線と面を基調とするシンプルでボクシーなフォルム。元々がセダンのサニーベースのため、RVにしてはボンネットが長い。さらに、1.6mの立体駐車場に入るように全高を1515mm(ルーフレール付き車)に抑えたため、のっぺりした独特な外観をしている。

一部グレードやオプションで装着されるグリルガードやタイヤキャリアは、ラシーンを「RV」たらしめる記号としての意味合いが強いと言えるだろう。

四角と円形を組み合わせた独特のヘッドライトやバンパーに埋め込まれたウインカーが特徴。前期と後期仕様により、グリルの形が異なる。

バックドアは、アッパーゲートとロアーゲートが上下に分割して開く。開口部が内側まで食い込んでいるため、アッパーゲートだけ開けてもほとんど後方空間に干渉しない。地味に、ロアーゲートに大人2人が乗っても大丈夫らしい。


インテリア

インストルメントパネルには直線的にメーターや計器類が並ぶ。グレーやベージュで内装色が統一されており、質実剛健ながらも明るい雰囲気。座席やメーターの色は、グレードにより異なる。最近ではハンドルをナルディにしたり、シートカバーを交換したりというカスタムも人気。

フロントガラスの角度がきつく設定されていることやボンネットフードのデザインから、見切りはよい。グリルガードもあえてドライバーから見えるように設計されたとか。

サイドがほぼ直立しているため、低い車高の割に狭い感じはしないが、さすがに空間のゆとりは現代のSUVに劣る。特に後部座席は「一応足を置ける」程度のスペースしかなく、当時から狭いと不評だった。マイナーチェンジ時、日産は対応策として苦し紛れに前座席の背もたれを2cmくぼませてスペースを確保しようとしたが、それでも窮屈なものは窮屈である。

後部座席を倒せばそれなりのトランクスペースが確保でき、小柄な人であれば車中泊もできる。


メカニズム

1.5L直列四気筒ツインカム16バルブエンジン(GA15DE)を採用。4ATか5MTが選べた。低・中速域重視のチューニングを行っているが、走りが物足りないという声もあったようで、マイナーチェンジでは1.8L(SR18DE)と2.0L(SR20DE)のツインカムエンジンを搭載したモデルも追加された。こちらは4ATのみの設定であった。

RASHEEN

(1.5Lエンジンのラシーン)

無題

(1.8Lエンジンの「ラシーンft」)

日産 ラシーン フォルザ

(2.0Lエンジンの「ラシーンフォルザ」)


最低地上高が17mmと、そこそこ高い。でもそれを過信して本格的な山坂道に突っ込んでいくとえらい目にあう。

全グレードがフルタイム4WD。1.8Lと2.0Lエンジンのモデルには、アテーサ4WDシステムが搭載された。ベース元がスタンダードなFFセダンのサニーなのでオフロード走行はもちろん、本来のスポーツ走行には適さない。ゆったりと「オフロード車っぽい走りを楽しむ車」である。



関連項目

日産 乗用車 名車

サニー パイクカー

Be-1 パオ フィガロ エスカルゴ


ドラえもん

CMのイメージキャラクターとして起用された。ドラえもんといえばトヨタのイメージが強いが、実は日産が先だった。


ゆるキャン△

ゆるキャンΔ

主人公の姉である各務原桜の愛車のモデルとして登場。濃い青色のボディーに丸目ヘッドライトを備えたフロントグリルが特徴。「ゆるキャン△効果」でラシーンの販売価格が上昇した、という説もある。実写ドラマ版では、ファンが原作モデルに忠実に再現したラシーンをテレビ東京が借り上げて撮影された。

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました