概要
初代マーチ(K10型)をベースとしたパイクカーシリーズの最終作にあたり、1950年代の欧米車をイメージしてデザインされたレトロ調の2ドア小型オープンカーである。
シリーズのなかでは唯一ターボ付きエンジンを搭載しており、全車が3速AT。
型式はFK10型で、乗車定員は4名。
1989年10月の東京モーターショーにて試作車が公開。
1991年2月に約2万台限定で発売され、同年8月末までに3回に分けて抽選受付するという販売方式がとられた。
ボディと組み立て生産は委託先の高田工業で行われ、販売は1992年12月に終了。
販売にあたって、セールスプロモーションとして『フィガロ・ストーリー』というオムニバス映画が公開された。
外装だけでなく内装のデザインもかなり凝ったものになっており、手動で開閉するトップや本革シート、クラシックカーを思わせるような形状のスイッチやカーステレオなどを備えていた。
カラーは、エメラルド(ライトグリーン)、ペールアクア(水色)、トパーズミスト(ベージュ)、ラピスグレイ(深めの青色)の宝石をイメージした4色が設定。
新車販売は日本国内でのみ行われたが、諸外国、特に英国では広い人気を獲得しセレブリティーのオーナーも現れた。
日本と同じ右ハンドルということもあり多くの中古車が輸入され、現役オーナーが集まる複数の同好会が存在するほか、ロンドンにはフィガロ専門の中古車店もあったという。
現在の日本でも複数のオーナークラブが活動しており、他のパイクカーのオーナーも集まる大規模なミーティングも開催されている。
近年は人気刑事ドラマ「相棒」の主人公杉下右京の愛車としても知られている。
本作品では日産が車両やロケ地を提供しているが、生産終了車としてのアピールからなのか登場するフィガロの塗装は純正ではなくオリジナルの黒色となっている。
またグルメバラエティ番組「バナナマンのせっかくグルメ!!」でも、出演者のバナナマンの日村勇紀が視聴者から紹介された取材先の飲食店への移動にオリジナルの黄色に塗装されたフィガロを使用している。
車名の由来
モーツァルトが歌曲提供したオペラ『フィガロの結婚』の機知的な男性主人公の名前から取られた。