後の伊東四朗
ほうじょうまさむら
概要
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の登場人物の一人・北条政村に対する愛称(?)。
何故「伊東四朗」なのかといえば、2001年放送のNHK大河ドラマ『北条時宗』に登場した政村の演者が伊東であり、同作中にて強烈な印象を残したことに由来するものである。
鎌倉殿キャスト発表
『鎌倉殿の13人』2022年11月27日放送分(第45回「八幡宮の階段」)の本放送終了後、番組公式サイトなどで新たなキャストとして、北条政村(演・新原泰佑)の出演が発表された。主人公・北条義時の四男(史実は五男)にして、義時の継室・のえ最愛の息子という人物である。
そんな政村は『時宗』で伊東が演じた人物造形があまりに強烈なものだった上、『鎌倉殿』でのまだ若輩(※)の政村の姿とのギャップに当時を知る一部のファンから「後の伊東四朗」といつしか言われることとなったのである。
(※「後の伊東四朗」が話題になった、『鎌倉殿』の第46回時点での政村は未だ15歳であることが作中で言明されている。ちなみに『時宗』での政村が執権職に就任したのは、それから40年以上も後の60歳の時のことである)
伊東四朗が演じた北条政村について
詳しくは当該記事を参照するとして、ざっと言えば作中でも執権や連署を歴任し、そして北条一族の長老として存在感を発揮する一方、史料から窺える思慮深さをもった人物像とは異なり、狸親父のような食えない人物として描かれていた。
一応、政村以外にも史料での人物像とと作中での人物造形とに食い違いが見られる登場人物は他にも散見されるし、もっと言ってしまえば大河ドラマ全体でもそういうケースは枚挙に暇がないのだが、中でも政村の人物造形が今に至るまで語り草となっているのは、後述の執権就任のくだりも含め、やはり伊東による名演(怪演?)ぶりもまた大いに影響している・・・のかも知れない。
同作では6代執権北条長時死後、まだ若年の北条時宗が執権職を辞退し7代執権として政村に白羽の矢が立った際、「母上、とうとうやりましたぞ」と小躍りをして喜び、それまでの侍烏帽子に替えて立烏帽子を新調するなど、執権職へのこだわりと喜びを表すくだりが存在する。この挙動は、若い時に政村が巻き込まれた「伊賀氏の変」や、それに端を発した忍従の日々を暗に意味するものであり、そして台詞の中に出てきた「母上」こそ伊賀の方、即ち『鎌倉殿』におけるのえのことである。
備考
『時宗』に登場した人物のうち、何人かは『鎌倉殿』にも登場しているが、『時宗』よりも年代を遡る『鎌倉殿』では当然ながら幼児~若輩の頃の姿で登場しているため、政村と同様に「後の○○」とネタにされたりしている。以下はその一例である。
このうち、重時についてはノンクレジットの幼少期のみしか登場していない。
『時宗』での政村役である伊東は、同作以外にも大河ドラマへの出演経験が複数あり、『鎌倉殿』と同じく三谷幸喜が脚本を手掛けた『新選組!』(2004年)にも、壬生の郷士にして新選組に屯所を提供した八木源之丞役で出演している。
また、『時宗』と並んで『鎌倉殿』に近い年代の大河ドラマである、『平清盛』にも白河法皇役として出演。2、3話のみの出演ながらもやはり強烈なインパクトを視聴者に与えている。この白河法皇は、『鎌倉殿』の序盤から中盤にかけて登場した、西田敏行演じる後白河法皇の曽祖父にあたる人物でもあり、伊東が演じた白河法皇に似通る面があると指摘する向きもある。一方で、畏怖を前面に押し出した伊東白河に対して、『鎌倉殿』における西田後白河はコメディ調の演出、それに食えない一面を強調した描写も多く、その点において「白河法皇より『時宗』の政村のようだ」とする意見もある。
さらに言えば宇梶と遠藤は『清盛』で源頼政と北条時政を演じ、平は『義経』で後白河法皇といずれも過去の大河ドラマで今作の登場人物を演じている。また宇梶と遠藤は三谷大河への出演歴があり宇梶は『新選組!』で西郷隆盛を遠藤は『真田丸』で上杉景勝を演じた。