「ここら一帯は我々天狗の領域だよ」
「怪我でもしたら困るのは私なんだ こいつは私が相手する お前は引っ込んでな」
概要
種族 | 大天狗 |
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二つ名 | 鴉天狗の大将(東方虹龍洞),お祭り大好き大天狗(バレットフィリア達の闇市場) |
能力 | 星空を操る程度の能力 |
登場作品 | 東方虹龍洞(5面ボス),バレットフィリア達の闇市場(5th Market) |
テーマ曲 | 星降る天魔の山 |
今回の異変の仕掛け人であり、黒幕の天弓千亦と結託して虹龍洞から採掘される龍珠から作られるアビリティカードの流通によって利益を貪っていた。だが、そうして出来上がった市場を自身の神としての力を取り戻す為に利用していた千亦との間で双方の目的の違いが表面化して行くにつれ、力を取り戻せば天狗社会を脅かしかねない彼女を利権を独占する邪魔者として疎ましく思い始める。
そんな折にカードの流通の真相を興味本位で暴きに来た自機勢との勝負の末、彼女達を千亦の元へと向かわせた。
全ては増長した邪魔者を手を汚さず始末しようと言う魂胆からであり、如何にも天狗らしい狡猾な性格の持ち主。その一方で部下が自機勢相手に傷付かない様に自ら相手取ったり、嫌われ者の妖怪と親睦を深めたりしている点から、それなりに人格者なようだ。
自機勢に対しても、人間の素性に興味が無い一方で強者と判断すれば相手が人間だろうと敬意を払う等、律儀な一面もある。
バレットフィリア達の闇市場でも登場。本作では各キャラクターの登場時に肩書のようなものが表示されるのだが、龍の肩書は「お祭り大好き大天狗」というものであった。
面白そうだったり自分の興味がある物に首を突っ込むのは鴉天狗共通の性質なのかもしれない。
種族
大天狗
縦社会である天狗社会において、普通の天狗よりも上位に君臨する存在。
部下の天狗達に命令を出す事ができ、その命令は絶対であるが、私利私欲で使う事はほぼない。
大天狗はボスである天魔のもと、天狗社会を成長、維持する役割を持っており、簡単に言えば中間管理職のようなものである。
また、山の妖怪達にも命令を出す事ができるようだが、こちらには命令を聞かない者もいる。
(以上、虹龍洞おまけtxtより)
虹龍洞以前から、作中において大天狗の存在は言及されていた。
例えば東方三月精第一部には「深山の大天狗」の名前が見える。
また守矢神社が引っ越してきた時にも、自警隊のリーダーである大天狗が椛からの報告を受けて文を自機との交渉に向かわせたという(風神録おまけtxt)。
上記二例はいずれも作中で姿を見せたわけではなく、情報量は非常に限られていた。
そんなわけで解釈は創作者によって様々であり、妖怪の山の天狗社会を舞台とした作品ではこの人のようにイマジナリー大天狗が登場することもちょくちょくあった(上イラスト参照)。
龍は初めて容姿・名称が共に設定された大天狗ということになる。
容姿
紺に近い青のロングヘアで頭の上には大天狗の象徴である青の頭巾を着用。(天狗の中でも文と椛は赤、はたては紫の頭巾を着用している。)瞳は深紅。
衣装自体は全体的に紺色・ブルーを基調とした天狗衣装であるが、文やはたてのような襟付きシャツ+ミニスカートではなくワンピース。その上から下部に梵天を垂らした黒いマントを着込み、左肩には青い宝石?を嵌め込んだ金色の肩掛けを装備している。足元は文と同じ一枚歯のついた靴だが、色は藍色となる。
また、よく見ると腰に試験管がついており、菅牧典との繋がりが見られる。
手に持っているのは三脚。
ZUN氏曰く、下っ端の天狗を殴るため用の鈍器であり、立ち絵のポーズは三脚を振りかぶっている様子であるらしい。
三脚の先には何もついていないとのこと。
※2021年7月17日の東方ステーション『#27 東方虹龍洞特集』の番組内での発言より
バレットフィリア達の闇市場でも魔理沙が三脚について言及している。(ちなみに魔理沙は三脚を椅子と認識している模様)
スペルカード
スペルの殆どが星型弾とレーザーで構成されている。これは彼女の能力に因んでいると考えられる。
スペカ名 | E | N | H | L |
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禍星「星火燎原の舞」 | 〇 | 〇 | ||
禍星「星火燎原乱舞」 | 〇 | 〇 | ||
星風「虹彩陸離の舞」 | 〇 | 〇 | ||
星風「虹彩陸離乱舞」 | 〇 | 〇 | ||
光馬「天馬行空の舞」 | 〇 | 〇 | ||
光馬「天馬行空乱舞」 | 〇 | 〇 | ||
虹光「光風霽月」 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
スペカ名 |
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星符「天真爛漫の星」 |
風符「空々寂々の風」 |
元ネタ
苗字にある飯綱(いづなorいいづな)とは、原作者であるZUN氏の出身である長野県の山岳信仰を発祥とする神仏習合の神・飯綱権現と思われる。この神は高尾山薬王院を始め、関東地方でも幅広く信仰されているが、天狗のトップ層に在る者のネーミングとしては妥当だろう。
別名を飯綱三郎天狗と言い、多くの場合、白狐に乗った剣と索を持つ烏天狗の姿で表される他、管狐を使って「飯綱の法」と言う術を使うとされている。
鴉天狗の大将と言う二つ名や、白狐たる菅牧典を管狐として使役しているのもこれが元ネタと考えられる。
なお「飯綱権現」の名が入ったスペルカードを使用するキャラクターが随分前に登場している。
尚、考察として飯綱権現は日本八天狗の1体に数えられる存在であり、また過去には同じく日本八天狗の1体に因んだと思われる「鞍馬諧報」なる新聞を発行している大天狗の存在が語られている事から、大天狗も恐らく彼女達を入れて8名はいると思われ、名前もそれに因んだ物である可能性が高い。となると妖怪の山の天狗の最上位である天魔に当たる天狗もいるのだろうか。
二次創作
◆カップリング
今まで登場した射命丸文、姫海棠はたて、犬走椛等の上司に当たると考えられる。そのため二次創作では上述の天狗達と絡むことが多い。→東方四天狗
文に対しては自由闊達な彼女のストッパー、あるいは前述の三脚の下りからパワハラ上司となることが多い。一方はたてに対してはダブルスポイラーにおける発言から、天真爛漫な彼女に振り回される役回りになることも。
今までの3人と明確に立場の異なる彼女の登場により、妖怪の山の天狗社会を舞台とした二次創作の更なる深化が期待される。
堅実な主従関係だったり、それ以上に踏み込んだ仲だったり、あるいはほのぼのとしたペットと飼い主だったり、その関係性は創作者によって千差万別。
姫虫百々世からは親友として扱われており、龍自身も嫌われ者である彼女に会う事を厭わないため、彼女との絡みもよく描かれる。→ももめぐ
百々世の二つ名や能力、更に当初は親友の彼女を食べる予定だったという設定から、こちらも創作者によってさまざまな解釈が生まれている。
異変の共犯である天弓千亦との関係も注目されている。
本編の前日譚、あるいは異変後の動向に焦点を当てた創作が多い。
この他にも、星をモチーフとしたスペルカードから霧雨魔理沙との絡みもある。
◆麦飯ネタ
作中で入手できるアビリティカードにおいて、彼女のカードは「大天狗の麦飯」。
効果は「使用するとパワーが1.00増える。フルパワー時はスペルのかけらがもらえる。また、同時に狭い範囲の弾を消す。」というもの。
これに転じて彼女がオニギリを握っているイラストも見かけるようになっている。
また、実は書籍版の文花帖『第百二十季 如月の一』で伊吹萃香が月を砕いたエピソードが掲載されている記事の右下に
「天狗ノ麦飯 滋養強壮・疲労回復・大人ノオヤツニ」
という広告が載っており、この時から既にネタが考えられていた可能性がある。
なお、天狗の麦飯自体は実在しており、場所は飯綱丸の元ネタで聖地が同じ長野県である。
ただし、その実在する天狗の麦飯は食べ物とはとても呼べるようなものではなく、実体は土のような微生物(菌類)の塊である。
余談
作中で「いいづなまる」や「いいずなまる」と表記が安定しておらず、現状どちらが正しいかは不明。
2021年7月17日の東方ステーション『#27 東方虹龍洞特集』の番組内でのZUN氏の回答では、故郷の長野県や現代的な文字使いでは「いいずな」が正しいはずだが、どちらでも正解であると回答している。
とはいえ、前例に比べれば読み方自体は変わらないので然程深刻な問題でもないだろう。
関連イラスト
関連タグ
菅牧典:飯綱丸の右腕(千亦からはペット呼ばわりされている)。
姫虫百々世:飯綱丸の親友。
天弓千亦:異変での協力者。
射命丸文、犬走椛、姫海棠はたて:飯綱丸の配下に当たると思われる天狗達。
魅魔:同じく上司キャラの5ボス。ただしこちらはラスボス。
ゾンビパウダー:三脚で相手を攻撃する繫がりのキャラがこの漫画に登場する。
5面ボスの系譜
杖刀偶磨弓→飯綱丸龍→???