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鞍馬天狗

くらまてんぐ

有名な大天狗の中の一人。もしくは大佛次郎の幕末を舞台にした時代小説シリーズ。
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曖昧さ回避編集

  1. 有名な大天狗の中の一人。
  2. 大佛次郎の幕末を舞台にした時代小説シリーズ。

本記事では両方解説する。

概要編集

京都府京都市左京区にある鞍馬山(くらまやま)の奥にある僧正が谷に住む天狗

鞍馬山僧正坊(くらまやまそうしょうぼう)とも呼ばれ、牛若丸源義経)に剣術を教えたことで知られる。

ちなみに鞍馬山の鞍馬寺の本尊の一つは魔王尊と呼ばれる天狗である。650年前に金星から降り立った金色に輝く永遠の16歳と伝説で伝えられる存在「サナート・クマラ」と関係があるとされる。

とはいえ、関係があるとされたのは鞍馬寺が神智学の影響を受けて新宗教として旗揚げして以降だが。

サナート・クマラの元ネタはインド神話の聖者サナト・クマーラ、サナトの部分は本来長音で伸ばさない。

金星云々の設定は神智学界隈が発祥である。


古くから民衆の間で人気の高い存在であり、の題目とされたり、近年では大佛次郎による時代小説『鞍馬天狗』のイメージソースとして用いられてもいる。(後述)

現代の創作物でも天狗などのキャラクターに「クラマ」の名を冠する例はちらほら存在する。


なお、福山競馬にはかつてこの天狗を由来としたクラマテングという競走馬が存在した。


関連タグ編集

妖怪 天狗 京都 僧正坊 怪傑ゾロ


鞍馬天狗(小説)編集

大佛次郎の幕末を舞台にした時代小説シリーズ。

1924年(大正13年)、娯楽雑誌『ポケット』に第1作「鬼面の老女」を発表して以来、1965年(昭和40年)の「地獄太平記」まで、長編・短編計47作が発表された、大衆小説の代表的作品。


幾度も映画化・テレビ化がされ、特に46本にのぼる嵐寛寿郎主演の映画は、鞍馬天狗像を決定づけるものとなった。


キャラクター(主人公)編集

鞍馬天狗

剣は一刀流の凄腕。時には短筒も使う。


普段は倉田典膳(くらた でんぜん)を名乗っているが、本名ではない。また作品によっては館岡弥吉郎(たておか やきちろう)、海野雄吉(うんの ゆうきち)と名乗っているものもある。その素性は謎が多く、天狗党の生き残りではないかと言われたこともあるが、確証はない。


日本の将来に思いをめぐらす勤王志士だが、討幕派でいて幕府方を代表する勝海舟と繋がりがあったり、新撰組近藤勇とも奇妙な交友関係をもつ。


映画版編集

『鞍馬天狗』の映画版は、1924年(大正13年)の實川延笑主演の『女人地獄』に始まり、1965年(昭和40年)の市川雷蔵主演の『新 鞍馬天狗 五条坂の決闘』まで、延べ60本近く製作され、天狗は様々な俳優が演じてきた。


なかでも最も有名なのがアラカンこと嵐寛寿郎(マキノ時代は嵐長三郎名義)主演による『鞍馬天狗』シリーズであり、製作本数は46本と最多である。

鞍馬天狗を演じた映画俳優編集

實川延笑(1924年)

尾上松之助(1925年)

嵐長三郎→嵐寛寿郎(1927年-1956年)

市川百々之助(1930年)

坂東好太郎(1932年)

斯波快輔(1933年)

榎本健一(1939年)

杉山昌三九(1941年)

酒井猛(1944年)

島田正吾(1953年)

小堀明男(1954年-1955年)

東千代之介(1956年-1959年)

市川雷蔵(1965年)


TVドラマ編集

本作を原作としたテレビドラマも幾度となく放映された。

テレビドラマで鞍馬天狗を演じた俳優編集

十代目 市川高麗蔵(1956年、一時代役として花柳寛

嵐寛寿郎(1959年)

三木のり平(1959年)

三代目 市川團子(1960年)

中村竹弥(1963年)

大瀬康一(1967年)

高橋英樹(1969年)

竹脇無我(1974年)

草刈正雄(1981年)

桂三枝(現・六代目桂文枝)(1983年)

中井貴一(1989年)

目黒祐樹(1990年)

松平健(2001年)

二世 野村萬斎(2008年)

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