愛宕太郎坊
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あたごたろうぼう
愛宕太郎坊とは「日本八天狗」に数えられる大天狗である。
日本八天狗の一。愛宕山太郎坊、栄術太郎とも。単に「太郎坊」と呼ばれることも多い。日本全国の天狗を取りまとめる惣領ともされる。愛宕山を拠点とする大天狗であり、ここに由来する愛宕権現信仰に絡む形で信仰の対象となっている。
『天狗経』に説かれる四十八天狗の一人でもある。ちなみに、同じく四十八天狗の一人である富士山陀羅尼坊は「富士山太郎坊(冨士太郎)」という別名もある。
現在の京都の愛宕山では「愛宕太郎坊」表記の看板が立てられている。
猪に騎乗し、錫杖を持つ鳥面の天狗として描写される。この姿は愛宕権現の本地である勝軍地蔵にも似ている。
愛宕権現は勝軍地蔵と同じ姿でも描写され、白馬のほかに猪に騎乗する例がある。
愛宕権現(勝軍地蔵)には翼がなく、人間の顔をしており、愛宕太郎坊天狗との区別は容易である。
『今昔物語』では天竺(インド)の天狗の代表である日羅、中国の天狗の代表である是界と共に役小角の前に現れている。
愛宕神社の奥の院にあたる「若宮」に祀られ、若宮太郎坊権現とも呼ばれた。愛宕権現を伊弉冊と同体とする説をとなえる「愛宕山両社 太々百味略縁起」では太郎坊は軻遇突智と同体とされ、本地仏は阿弥陀如来としている。
秋葉山三尺坊:火伏の神社と関係のある天狗。
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