概要
学名は Kerygmachela。現時点はカンブリア紀に生息した、グリーンランドのシリウスパセット動物群に属する Kerygmachela kierkegaardi(ケリグマケラ・キェルケガーディ)という1種のみ知られている。
頭の左右には2本の大きな触手(前部付属肢)が突き出して、触手の先端からさらに細長い突起が伸びる。腹面の口は小さく、1対の細い棘が突き出す。縦長い複眼を触手の付け根に、小さな単眼を突き出したおでこ持つ。
胴部は両筋に沿って11対の鰭が並ぶ。柔らかい脚は目立たないか存在しないと考えられる。尾は体と同じ程度に長い1本の棘。
同じ生息地の近縁パンブデルリオンとよく似ているが、パンブデルリオンよりシャープな体型で、長い尾と背中のコブでパンブデルリオンから区別できる。サイズも最大6cm(触手と尾を含むと20cm弱)で、パンブデルリオン(最大55cm)よりずっと小さい。
アノマロカリスなどのラディオドンタ類、パンブデルリオン、オパビニアと同様原始的な節足動物と考えられ、恐蟹類に分類される。節足動物の特徴的な外骨格を持たないが、盲腸と触手は他の原始的な節足動物と似ている。パンブデルリオンと同様、葉足動物扱いともされる。
古い復元図では上記のイラストのように、目を持たず、口は先頭に開き、尾は2本と考えられた。
生態
鰭で海に泳ぎ、触手で周りを感知して獲物を確保する捕食者であったとされる。口が小さいため、小型の獲物を好んだと考えられる。
関連条目
パンブデルリオン オパビニア ラディオドンタ類:アノマロカリス