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ニコンの編集履歴

2023-04-23 23:44:26 バージョン

ニコン

にこん

カメラ・レンズを初めとする光学器械の製造で知られる会社名および同社のブランド名称である。

解説

日本における光学器械の生産を主力とするメーカーである。

一般にはカメラ(特に一眼レフ)で知られ、pixivでもカメラに関連したイラストが掲載されることが多いが、元来はレンズを初めとする光学器械の生産が主力である。双眼鏡やメガネ用レンズといった身近な物から、産業界では半導体の製造に必須である半導体露光装置の製造を手がけ、さらには天体・宇宙分野の各種観測機器の開発なども手がけている。


歴史

歴史は1917年(大正6年)の日本光学工業株式会社までさかのぼることができる。

発足間もない頃は官民共同で光学ガラスの製造研究を行い、光学器械の国産化を進めた。その後も航空写真のレンズや双眼鏡・望遠鏡及び測距儀を初めとした、主に官需品の製造が主力であったが、終戦に伴い民需品生産を主力として転換することとなり1945年(昭和20年)のレンジファインダー機のニコンI型から一般向けのカメラメーカーとしての歴史が始まった。


1917年(大正6年)7月25日付で日本光学工業株式会社として設立
1918年(大正7年)大井第二工場において光学ガラスの製造研究が開始される
1932年(昭和7年)現在もレンズのブランド名として使用されている「NIKKOR」を商標登録
1941年(昭和16年)戦艦大和・武蔵の測距儀が完成
1945年(昭和20年)終戦後の処理に伴い、制限会社に指定される
同年「Nikon」商標登録・ニコンI型発表
1950年(昭和25年)ニコンS型発売
1959年(昭和34年)ニコンF発売 同社の一眼レフカメラを代表する存在となる
1971年(昭和46年)アポロ搭載用のカメラをNASAより受注 以降宇宙用のカメラを提供する
1988年(昭和63年)社名を「株式会社ニコン」に変更する
1995年(平成7年)レンズ交換式デジタルスチルカメラE2/E2sを発売(富士写真フイルムと共同開発・現在のDシリーズとは別物)
1997年(平成9年)デジタルカメラCOOLPIX 100発売 現在のコンパクトデジタルカメラCOOLPIXシリーズの初代
1999年(平成11年)レンズ交換式デジタルカメラD1発売 現在のデジタル一眼レフカメラDシリーズの初代
2006年(平成18年)フィルムカメラ製品が大幅に整理され、以降デジタルカメラに注力する
2011年(平成23年)レンズ交換式ミラーレス機(同社ではアドバンスドカメラと呼ばれている)「Nikon 1」シリーズを販売
2018年(平成30年)「Nikon 1」シリーズに代わる次世代ミラーレス機「Nikon Z」シリーズを販売

詳細は同社サイトの企業年表を参照のこと。


宇宙・天体関連

1971年(昭和46年)のNASAからのカメラ受注以降、たびたび宇宙用のカメラをNASAに納品しており、アポロ計画の後のスペースシャトルや、現在運用中のISS(国際宇宙ステーション)内にも同社のカメラやレンズが多く搭載されている。

初めは宇宙用に多くカスタマイズされた専用品が使用されたが、現在ISSで使用されている製品は基本的に市販品と同等の物である。(ただし宇宙空間で使用する船外活動用のカメラは潤滑油をNASA指定品のものに置き換えている)



また、製品としてのカメラ以外にも、ハワイにある国立天文台のすばる望遠鏡に使用されている微光天体分光撮像装置(FOCUS)、HDS(高分散分光器)を担当したほか、以下のJAXA開発の衛星搭載の観測機械を開発するなど、宇宙・天文分野との関係は深い。


  • あかり(ASTRO-F)搭載の赤外線望遠鏡
  • だいち(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)光学系

詳しくは技術フロンティアのページを参照のこと。


ライバル

主に一眼レフのシェアにおいてキヤノンとの競争は国内外でもよく語り草になる。某掲示板でも「ニコ爺」「キャノネット」などと罵り合う場面は珍しくない。(カメラ界には他にもオリ信者ソニヲタペンタ教など同様の悪口がいろいろある。もっとも某「ゲハ」に比べればだいぶ穏やかなものではあるが)


…………なのだが、実は戦前のニコンはキヤノン製ボディ(カメラ本体)用のレンズを販売していた。創業はニコンのほうが先だが、キヤノンは最初からカメラメーカーとして創業したのに対し、ニコンは海軍の光学機器を開発・製造するために、半ば国策として設立された会社で、カメラ市場にはレンズ専業として「Nikkor」ブランドで参入したが、戦前はカメラ本体は製造していなかったのである。日本カメラ市場情勢は複雑怪奇……

ちなみに、キヤノンは創業時に陸軍の砲兵大佐の技術指南を仰いでいる……ここでもか!!


敗戦によって需要を失ったニコンが、1948年にスチルカメラに参入、ここにニコンvsキヤノンの仁義なき戦いの火蓋が切られた。


ジャンルによってどちらが主流かは傾向も違い、報道(パパラッチ含む)はニコンが多く、スポーツ取材はキヤノンが多いと言われているがこれも新製品や両社の営業の動向で変動が多少はある。ニコンの方がいわゆる「カリカリ」の仕上がりになることが良い題材(建物の風景写真等)向きとは言われているが、これもカメラマンの腕次第……と言うか、AE全盛期以降はフィルムの影響が強い。

どういうことかというと、マニュアル時代からの職人芸を由とするニコンユーザーは発色コントラストがニュートラルに近いコダック製フィルムを使うことが多いのに対し、AF・AEを活用し一瞬を逃すまいとするEOSユーザーはやや軟調の(悪い言い方をすると、誤魔化しが効きやすい)富士フイルム製フィルムを使うことが多かった。

(ただし必ずしも同調しておらず、「EOSのAEは至高なんだからTri-Xを使うべき」とか言っちゃうEOS党員もいる)


特にオリンピックの場面においてカメラマン席の「白レンズ(キヤノン)と黒レンズ(ニコン)の割合」は大会の度に国内外の掲示板やフォーラムでも話題になる(最近は「シマウマ」と称されるソニーの台頭で三つ巴の様相を呈している)。


両社の違いを端的に表す言葉として「ニコンにはマニアがいるがキヤノンにはユーザーしかいない」というのもある。これは、キヤノンの製品が基本的に実用主義であり、手堅くまとまった優等生傾向が強いのに対して、ニコンは妥協しても構わないようなところで妙にこだわったり、時々開発者の趣味で作ったとしか思えないような「通好み」な製品を出してくる所に現れている。

ただしベクトルの向きが違うだけでキヤノンも同じというかキヤノンの方が重症であることもしばしばあり、端的に言ってしまうとキヤノンは割り切り性能の製品を作るのがドヘタクソ。ちなみにEOS党員に上記の言葉を投げかけるともれなく「EOSには愛用者がいるがニコンにはジジィしかいないの間違いだろうが!!」という趣旨の言葉が返ってくるので人前では禁句。


そういった事情を反映しているわけではないが、二社のカメラでは次の操作をするときに、ダイヤルや操作リングなどの回転方向が全て逆方向となっている。


  • フォーカスリングの最短距離→無限遠の回転方向
  • ズームレンズで広角端→望遠端にズームするときの回転方向
  • カメラ本体とレンズを脱着する時のレンズの回転方向
  • 露出補正時のダイヤルの回転方向 (※デフォルト設定時)

いくらライバルだからといっても、ここまで反目することは…… と思われるが、実は両社がカメラを作り始めたとき、ニコンがCONTAXの流儀に、キヤノンがLeicaの流儀にあわせたのが発端である。ドイツの老舗カメラ二社の因縁が図らずも未だに日本で受け継がれる形となっているのは興味深い。

どっちも両社のせいで経営危機になった(CONTAXはあぼーん)とかナイショだ


先に上げた点、イマイチキヤノン自身が理解していないのだがキヤノン製カメラにもマニアは当然のようにいる。というか今や下手するとニコン党員より多数派。この気質がまた正反対で、ニコン党員が『F-4』を頂点とした重厚感あるカメラに固執するのに対し、EOS党員は「技術でEOSが負けることはあってはならぬ!」という向きになっている。

なので、EOS党員はEOSの新機種が発売されると割と無条件に受け入れるのに対し、ニコン党員は旧態依然を求めるため、結果として高い開発能力にモノを言わせて幅広く展開するEOSに対し、ニコンはそのファンによって新陳代謝が妨げられる傾向にある。これ、冗談ごとではなく、このせいでニコンは一時期経営危機に陥ったのだ。

ただしEOS党員も昔から大人しかったわけではなく、特にニコン以外の3社を意識したエントリーラインの製品(750/850、630、1000など)は「こんなのEFレンズが嵌まるオートボーイ(銀塩時代のキヤノンのAFコンパクトカメラ)じゃねぇか!!」と言わんばかりにぶっ叩いた。結果、ミドルクラスの『EOS 10』の素性をエントリーラインに落とし込んだ『EOS Kiss』(初代)が発売されてしまい、ニコンほど技術力のないオリンパス・ミノルタ・ペンタックスは地獄を見ることになる。


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