「オラはただの通りすがりのAIですだ~」
「AIは祈ったりしない。やるのは勝つための計算だけだ!」
CV:櫻井孝宏
概要
物語の重要なカギを握る謎の生命体。一人称は「俺」。
ハノイの騎士やSOLテクノロジー社等、周囲の狙う者達からは「イグニス」と呼ばれているが、それが個体名なのか種族名なのかは現状は不明だったが、リボルバー曰く「ある人物が生きたAIに『イグニス』と名づけた」と語り、不霊夢が登場した際にあちらもイグニスと言われたことから種族名という扱いになっていることが判明した。
最終的には藤木遊作によりAIだからという安直な理由で「Ai(アイ)」と名付けられた(このときは目しかなかったことからEyeともかけている)。
第1話より5年前、AI達の世界であるサイバースに襲撃してきたリボルバーに対抗し、その体は一部を除いて消去されたが、サイバースをネットワーク内の何処かに隠したため、ハノイの騎士やSOLテクノロジー社から追われる身となる。
5年後、SOLテクノロジー社がイグニスを炙り出すために行った大規模スキャンからLINK VRAINS内を逃亡していたところを、その存在を知った遊作の罠にかかり捕獲され、彼のデュエルディスクにプログラムとして強制的に取り込まれる。
その後は遊作からハノイに対抗するための「人質」として扱われ、やむを得ず彼と共闘することとなる。
体の大部分をクラッキング・ドラゴンに食われたため記憶データに欠損がある。そのため、なぜハノイの騎士に追われているのかを覚えていない。
後に、Playmakerに敗北したリボルバーの腕を捕食したことでデータを取り戻し元の体に戻れるようになった。
後に、Aiが管理番号「IGN006」と呼ばれる、6人目の被験者である藤木遊作を基に構築されたイグニスである事がリボルバーから明かされる。また、同時に記憶データが最初から喪失していない事もバレてしまった。
だが、記憶がないと嘘をついていたのは遊作を警戒していたためであったと説明し、遊作もまた「そもそもこいつを信用したことはない」とあっさり受け流している。
その後、リボルバーとの決着を付けた事でハノイの騎士が壊滅し、遊作の復讐が果たされるとディスクから解放され、サイバース世界へと帰る事となった。
だが、Aiが着いたときには既にサイバース世界は何者かの手によって荒廃させられており、他のイグニス達も行方知れずとなっていた。
そして真相を探るため、サイバース世界に取り残されていたリンクリボーと共に、再び遊作の元へと戻ってくる。
人物
全長が人間よりも大幅に小さく、紫色の体に黄色の眼が特徴の闇のイグニス。シルエットのみでは前々作に登場したアストラルと酷似している。
お調子者の皮肉屋で、イグニスの間では嫌われ者を自称している(サイバース世界では仕事をサボり気味だったため)。自身に対し威圧的に振舞う遊作には不満を抱いているが、遊作がハノイに敗北してしまうと自分自身の身も危険に晒されるため、デュエルの際は真面目にアドバイスを送ったり勝つための計算をしている。
他にもデュエルディスクを改造して飛べるようにしたり、デュエル中に自身が盾になったり、データストームを利用して敵を追い払ったりと遊作のサポートもしている。
だが、自分の身の安全を最も優先的に考えるため、たとえ遊作であろうと嘘を吐く(但し遊作もAIをぞんざいに扱い、辛辣に接するので心証が悪い事も否めない)。
また、自身の技術や知恵を活用してロボッピを子分にしてからは、秘密のお世話をさせている。
しかし元はAIのため、初期の段階では人間に起きる非合理的な行動を理解できていなかったのだが……ボーマンとの3度目の対決時にはAIらしくない戦術を見せ、SOLテクノロジー社の行ったアースへの非道な仕打ちには、人間と同じように怒りや悲しみを見せている。
サイバース世界にいた頃はリンクリボーをペットのように可愛がっていたが、リンクリボーの言葉がわかるわけではないらしい。
また、水のイグニスであるアクアにも好意を寄せており、度々ちょっかいをかけては制裁されるようなことを何度も行い、同じく彼女に思慕の念を持っているアースとは喧嘩することも多かった。
(尚、遊作たちには彼女は俺にゾッコンだったと捏造している。)
このように、物語初期の段階から他のイグニスと比べると感情表現が豊かで、嘘泣きや(眼だけだったのに)わざとらしい口笛、体を取り戻してからは明らかにバレバレな演技も見せている。
ライトニングはそんなAiの事を「本能の塊」かつ「異端」と評しており、そのイレギュラーな振る舞いによって本来は理性だけであった他のイグニス達も徐々に個性と自我が芽生え、イグニスというAI群、引いてはサイバース世界をより複雑で高度な存在へと昇華させることになった。
尤も、彼はそんな人間に近い彼のことを理解不能と切り捨てており、Ai自身もライトニングの思考を理解できてはいなかった。
前述の通り、仕事を怠けたりお調子者だったりするため、人間に近い=イグニスの中で最も優秀というわけではないが、彼の存在なくしてはイグニスの進化は無かったため、人間に最も近いAiという存在は文字通りの異端であることは間違いない。
遊作をオリジナルとしながらも正反対の軽い性格だが、第1話で仲間のために孤独に陥ってまでサイバース世界を隠して逃げ回ったり、命まで奪われかけたウインディを見捨てられなかったりと仲間想いの部分は奇妙に一致する部分を持つ。
余談
- Aiを演じる櫻井孝宏氏は遊戯王シリーズに初出演となる。他の出演者たちによると、Aiのセリフには演じる櫻井氏によるアドリブが度々あるという。
関連イラスト
関連タグ
アストラル…主人公と行動を共にする、自身の記憶が欠けている(Aiは嘘だったが)等共通点が多い。
オービタル7…相棒役でありながらその相手からは振り回されつつぞんざいに扱われ、妙に人間臭いと言う点ではアストラル以上にキャラとして共通点は多い。
※この先ネタバレ注意!
ボーマンとの最終決戦にて、彼が創造したシステム「ニューロン・リンク」を破壊するために自らを犠牲にし、システムに壊滅的なダメージを与える。
同時に、以前にロボッピの中に残しておいた自身のバックアップが起動、ロボッピ内で再構成されたAiが遊作の下に帰還する。なお、Ai当人曰く前の自分は本当に消滅したという認識であるらしい。