概要
タイトルのPlatoonとは、30名~60名編成の「小隊」を指す英語(軍事用語)。
ベトナム戦争を扱った映画は1970年代後半から増えており、『ディア・ハンター』(1978年)『地獄の黙示録』(1979年)など高い評価を受けるものも生まれたが、戦場の様子はいずれも創作によるところが大きく、リアルではなかった。
監督であるオリバー・ストーンは、実際にベトナムへ従軍した経験を基に今作を撮り上げ、米軍のリアルな実体を描いた映画の先駆となった。
主人公のクリスはストーンの分身であり、他の登場人物にも実在のモデルがいる。
民間人の虐殺、小隊内に蔓延する麻薬汚染なども、実際にストーンが目の当たりにした光景である。
プラトーンのポーズ
今作を象徴するシーンとして、両膝を地面について上体と顎を反らしながら腕を天に掲げるポーズがある。
これは戦場で散ったエリアス軍曹の最期の姿であり、ポスターやパッケージなどで使われている特に有名な部分。
pixivで「プラトーン」を検索すると大体このポーズしかない。
何かを喜んでいるようにも見えるが、本編ではそういったシーンではない。
ぶっちゃけてしまえば撃たれて力尽きる直前の断末魔であり、背後に映っている数人の兵士は敵軍(おそらくベトナム人民軍)の兵士である。
登場人物・キャスト
- クリス・テイラー(チャーリー・シーン演)
主人公。貧困層の若者たちが戦場に行くことに義憤し、大学を中退して陸軍兵として戦場入りするが、そこで戦場の実態と狂気を目の当たりにすることになる。
- エリアス三等軍曹(ウィレム・デフォー演)
クリスの上官。戦場にあっても無関係な民間人には手厚く接する人物で、クリスは次第にその人柄に惹かれてゆくが、後にバーンズ軍曹と隊を二分して対立する。
- バーンズ二等軍曹(トム・ベレンジャー演)
クリスの上官。戦場にあっても毅然として行動し、その姿にクリスは惹かれてゆくが、非情さも併せ持つその姿に次第に反発するようになり、隊を二分しての対立ではクリスらエリアス軍曹の陣営と対立する。
出演者の多くが当時若手であり、その中には通訳担当の兵士を演じたジョニー・デップもいた。その他、オリバー・ストーン監督も出演している。
ちなみに主演のチャーリー・シーンは、『地獄の黙示録』で主人公を演じたマーティン・シーンの息子である。
なお、この映画の3年後にチャーリー・シーンとトム・ベレンジャーは野球映画「メジャーリーグ」で共演することになる。
データ
配給 - オライオン・ピクチャーズ(アメリカ) / ワーナーブラザーズ(日本)
公開 - 1986年12月19日(アメリカ) / 1987年4月29日(日本)
上映時間 - 120分
製作国 - アメリカ合衆国
言語 - 英語
関連タグ
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コロンビア(ポーズ)