錬金術(仮面ライダーガッチャード)

かめんらいだーがっちゃーどのれんきんじゅつ

特撮番組『仮面ライダーガッチャード』に登場する秘術。

錬金術……それは金属や鉱石、更には人間の肉体や魂をも精錬し完全なる存在を練成しようとする秘術のことである

【下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとく、ただ1つたる奇跡をなさん】

【万物はこれなる一者（ひとつもの）の改造として生まれうく】

概要

『仮面ライダーガッチャード』に登場する秘術にして、今作のテーマ。

冒頭のような様々なモノを錬成する秘術のことであり、作中では特殊な指輪を媒介に呪文の一節を唱えることで発動する。

一見すると魔法のようで便利だが無から有を生み出せるわけではなく、第一話では自転車や瓦礫などの実際にある物質を使って錬金術を行使しているため、万能ではあるが完璧ではない模様。

また、本作の敵たる冥黒の三姉妹も錬金術を使えるが指輪を使わずに発動しており、流派が違うのか原理そのものが違うのかは現時点では不明。

錬金術を行使する者……即ち錬金術師によって造られたのが奇跡の人工生命体・ケミーである。

公式曰く、「作中で口にしている呪文は実際に存在する碑文『エメラルド・タブレット』を日本語訳にしたもの」らしい。『エメラルド・タブレット』の碑文とされる文章は「伝説の錬金術師“ヘルメス・トリスメギストス”がエメラルドの板に刻んだ錬金術の奥義を記した銘碑」という伝承とともに実在しているが、碑文の実物は現存せずヘルメス・トリスメギストスが存在したとされる時代より後世に記されたとする見方が有力視されている。【下にあるものは上にあるもののごとく、上にあるものは下にあるもののごとく、ただ1つたる奇跡をなさん】【万物はこれなる一者の改造として生まれうく】の一説は英訳版（アイザック・ニュートンによるものだろうか）を「ドンS倉」（様々な東映特撮作品で主要スタッフを務めたあの人物だろうか？）による日本語私訳版を引用したものとのことである。

史実における錬金術は古代自然哲学の実証実験から始まった実践科学の基礎であり、魔術にとっても科学にとっても祖先に当たる学問体系と言える。しかしながら水銀を多用したことで多くの中毒患者を出したり、間違った推察に基づき倫理的に侵してはならない禁忌に触れたり、あるいは無から金を鋳造するというオカルトめいた言い伝えから人間の欲望ォ！を刺激して負の面を呼び込み、悪魔の手先と呼ばれるようにもなった。他方、様々な実験データから医療の発展に大きく貢献したり、多くの書物を通じて知識を遺し、やがては宇宙にまで到る現代科学の礎を構築した。こうした様々な面から見ても仮面ライダーの源泉に近しいモチーフと言える。