「日光遮る悪魔の虹だ 冷凍怪獣来るなら来い」
「月光破る殺人音波 マッハ怪獣いつでも来い」
「火星か金星何処かの星の 宇宙怪獣何でも来い」
データ
- 作詞:永田秀雅
- 作曲・編曲:広瀬健次郎
- 歌:大映児童合唱団
- 演奏:大映レコーディングオーケストラ
概要
広瀬が劇伴も担当した、『ガメラ対宇宙怪獣バイラス』の主題歌。
その後、山内正~木下忠司~広瀬と続き菊池俊輔が担当した最後期の『ガメラ対深海怪獣ジグラ』まで使われた。
上記の関係者は、B面曲の『ぼくらのガメラ』も並行製作した。
歌唱している「大映児童合唱団」というのは存在せず、湯浅憲明によれば「そこらへんの子供を集めてきて歌わせたもの」という一回限りのユニット団体らしい。しかし、寄せ集めのど素人なのに、その割には結構上手いと評判である。
作詞担当の永田秀雅とは、当時の大映の社長で「ラッパ」とあだ名された永田雅一の息子で専務を担当していた人物。
『大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス』において自身の作詞である『ガメラの歌』に続き「映画を観に来る子供たちをいい子に育てたい」という意味から、「ガメラを全くのお友達…ぼくらのガメラ」にしたかったといい、歌が完成した際には、大映の会議室から飛び出してきて、「おい!またガメラの歌が出来たから、みんな聞け」と、スタッフの前で歌詞をと朗読。
専務の前ということで全員拍手したところが「湯浅君、みんなが感激していいと言ってくれたから、これ使ってくれ」ということになり、広瀬に作曲を依頼しレコーディングとなった。
復活
- 昭和以降はご無沙汰だったが、『小さき勇者たち』の小説版で軽く触れられたり、『妖怪大戦争ガーディアンズ:平安百鬼譚』では、妖怪が京都を守る玄武(ガメラ)を賛美する為に替え歌を歌っていた。その際、『ゲゲゲの鬼太郎の歌』と関連付けられている。
- 『GAMERA-Rebirth-』でもアレンジバージョンがサウンドトラックの一つとして使用されている。
余談
- 『ガメラ対深海怪獣ジグラ』では、ジグラが止めを刺される直前に「動けなくなった場面で背びれを使って本曲を演奏されて挙句の果てにガメラが踊り出す」という屈辱的な仕打ちを受けている。
- ある意味ではガメラの親戚とも言えるヨンガリ(ヤンガリー)も、伝統民謡の『アリラン』を聞くと踊りだすという描写がされており、ほぼ確実にガメラの影響だと思われる。
- 湯浅憲明は、『ガメラ大怪獣空中決戦』で本曲が使用される事を望んだため、当初のプロットのバリエーションの一つでは、クライマックスに本曲が流れる予定だった。
- 本曲のレコードは、前年に発足した「大映レコード」にてリリースされた。現在は、『CINEMA-KAN Label』において、「東宝レコード」のLP盤をCD増強復刻させた『大怪獣ガメラ+』(CINK-103)にて本曲を含む昭和ガメラシリーズ全てのガメラ関係の曲がシングルヴァージョンで収録されている。
- そのため、コアなファンに限らず、ビギナーにもお勧め出来る盤である。
関連動画
関連タグ
モスラ:ここで使われた『モスラの歌』は、「怪獣映画に興味のない者でも、誰もがみんな知っている」という『ガメラマーチ』と双璧の存在な名曲である。
ちゃぶ台:爆風スランプの楽曲。こちらも一応ガメラが題材。すごく短い上に知る人ぞ知る幻の曲となっている。内容は「隣の爺さんがちゃぶ台背負ってガメラごっこをして、飛びそこなって死んじゃった」という笑えないもの。なお、爆風スランプは、『ガメラ大怪獣空中決戦』の主題歌である『神話』も担当している他、『ゴジラの愛』という曲も書いている。