概要
児童が読む、または親などの大人が幼年児童に読み聞かせる子ども向けの、民話、伝説、神話、寓話、創作された物語等である。
創作童話の多くは幼年、児童向けの短篇作品をさす。また、本来大人など年長者が読むために書かれた作品が、童話に翻案された事例もある。
傾向
昔話的な童話にはどの話にも教訓があると思われがちだが、教育的な面を含んでいる童話はごく一部に過ぎず、大半は教訓らしきものが存在しない。特に日本の童話は特定の作家が作ったものではない話が多いため教訓のない話が多い。
- 子どもが容易に想像できて子どもが好感が持てる主人公が登場する。そのため動物など擬人化された存在である場合が多かった。
- 行動に明確な結果が待っていて教訓となっている。善行には褒美、悪行には罰というよう因果応報的な展開や結末(以下の残虐性の項を参照のこと)。文学的な現代童話はこれに対するアンチテーゼとして多彩な傾向が示されるようになった。
- 子どもが飽きるほど長い時間がかかる物語ではなく詩的・象徴的なものが多かった。これに対して『ながいながいペンギンの話』(いぬいとみこ、1957年)や『いやいやえん』(中川李枝子、1962年)などが書かれるようになった。
残酷性
昔の童話(=昔話)には、悪者に対する報いや制裁がかなり残酷な話も少なからずある。例えば元々の『白雪姫』では、姫を苦しめ続けた継母(グリム童話集初版では実母)は真っ赤に焼けた鉄の靴を履かせられ、死ぬまで踊りつづけさせるといった結末のものや、日本のものでは『かちかち山』の狸は、おばあさんを殺して汁にし、それを「狸汁」と称しておじいさんに食べさせるなどがある。これらの多くの話は、たいていの場合、子どもが見るということから考慮して、描写を変えるのが通例であった。 日本で幼児向けに出版されている絵本も、「お子様向け」に残酷な場面を削る、あるいは「修正・改変」されているものがほとんどであった。ただ近年では、その残酷性だけにスポットを当てるのでなく作品全体を通して考えるべきとして原典に近い形で出される傾向もある。
主な作品
日本
ごんぎつね てぶくろを買いに 花いっぱいになあれ 赤い蝋燭と人魚 風の又三郎
西洋
年長者向けの作品が児童向けに翻案されたもの
アラビアンナイト : シンドバッド / アラジンと魔法のランプ / アリババと40人の盗賊
関連タグ
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