兵庫県西南部、播磨地方にある市(中核市)。人口約53万人。同地方の中心都市である。
城下町としての町並みは先の大戦時の空襲で破壊されたが、姫路城だけは奇跡的に焼失を免れ(天守閣にも焼夷弾が着弾したが不発)今に残った。
政令指定都市ではないが、戦後に編入合併した市町に当たる地域では「網干区」「飾磨区」「広畑区」のように区が付いている箇所がある。
姫路おでん、駅そば、御座候を始めとするB級グルメが非常に多い。
杵屋(キネヤ)書写お菓子の里のバウムクーヘン『書写 千年杉』(柚子餡)は、トム・クルーズが2002年の『ラストサムライ』撮影時差し入れで食べて気に入り、大人買いした(一気に50本)。
神戸との関係
廃藩置県の直後は播磨地方全域で「飾磨県」を構成し、姫路市がその県庁所在地であった。ところが、明治政府が主導した府県統合により神戸港の開発費用を捻出するため飾磨県を兵庫県へ強制的に編入合併することが決まり、よりによってその発表が飾磨県庁舎の完成直後だったため猛反発を招くことになった。旧県庁舎は市議会議事堂として使用された後、病院に転用されたが老朽化のため2002年に取り壊されている。また、戦前には県内に師範学校が御影と姫路の2校存在したのだが、戦後に明石の女子師範学校を含めて神戸大学教育学部へ再編された際に姫路の教育学部は廃止されてしまった。
戦後にテレビ放送が開始されると地元企業の共同出資で姫路に本社を置く「姫路テレビ放送」の設立を目指したが、姫路局の電波が当時の郵政省の方針で大阪の第3波(後に読売テレビとして開局)へ振り替えられたため実現しなかった。その後、1967年にUHF帯のチャンネル割り当てが開始されると再び姫路テレビ構想が再燃したが、神戸新聞やラジオ関西が出願した神戸の新テレビ局と競合し、両者を一本化する形でサンテレビが開局している。その結果、1981年のテレビ大阪開局でサンテレビがネット受けしていたテレビ東京の番組が明石以西では一切視聴不可能となり、特にアニメの視聴者層に大きな遺恨を残すこととなった。ただし、1984年以降は岡山に開局したテレビせとうちが視聴可能となり、テレビ大阪も姫路ケーブルテレビでの再送信が行われるようになっている。
以上のような歴史的経緯から市民の間では県庁所在地の神戸市に対する敵愾心が非常に強く「飾磨県の再分離独立」もたびたび主張されているが、神戸に近い明石や三木などの東・北播磨地域では冷ややかに見られている。また、市内の新聞購読率は神戸市と同じく神戸新聞が1位であり、同紙では2019年より姫路支社を姫路本社に昇格させて2本社制を敷くようになった。
こうした廃藩置県に絡む県庁所在地との対立関係は長野県における長野市と松本市の関係とよく比較されるが、姫路市はその松本市と姉妹都市関係を締結している(公式には、どちらも天守閣が現存する城下町であることが理由)。