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姫新線

きしんせん

JR西日本の鉄道路線の一つ。兵庫県の姫路駅から岡山県の新見駅までを結ぶ。
目次 [非表示]

路線データ編集

路線名姫新線
路線区間姫路〜新見
路線記号K
ラインカラー
路線距離158.1km
軌間1,067mm
駅数36駅
信号場数1箇所
最高速度100km/h
単線区間全線
非電化区間全線
閉塞方式
  • 自動閉塞式(特殊):姫路〜上月
  • 特殊自動閉塞式(電子符号照査式):上月〜新見
保安装置ATS-SW
運転指令所
  • 近畿総合司令所姫路指令所:姫路〜東津山
  • 中国総合指令所岡山指令所:東津山〜新見
ICカード乗車券エリアICOCAエリア:姫路〜播磨新宮
第一種鉄道事業者西日本旅客鉄道(JR西日本)

概要編集

姫路駅(兵庫県姫路市)と新見駅(岡山県新見市)を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)鉄道路線で、地方交通線。

日本国有鉄道(国鉄)時代は連絡線の一つとして機能していたが、現在はローカル線として兵庫県姫路市及び岡山県津山市・新見市近郊の地域輸送に特化している。


近畿統括本部管轄である兵庫県区間の姫路駅〜上月駅間は姫路市とたつの市佐用郡佐用町間の通勤通学山陽新幹線連絡利用等で需要がある為高速化が行われた。国鉄時代のピーク時には劣るものの、国鉄末期に比べて利用者が大幅に増加した為一定の成功を収めていた。しかし新型コロナウイルス感染症パンデミックにより利用者が大幅に減少。特に播磨新宮駅〜上月駅間は年間6億円程度の赤字計上である事を2022年(令和4年)にJR西日本が公表した。

コロナが収束傾向に向かうと共に利用者数も回復傾向にあり、沿線自治体と地域住民が一体となって路線存続に努めている。


姫路駅〜播磨新宮駅間は交通系ICカード乗車券ICOCA」エリアに指定されている。なお終点の新見駅もICOCA利用可能駅だが、姫新線はエリア外となる為利用出来ない。


一方で中国統括本部管轄である岡山県区間の上月駅〜新見駅間はほぼ全線にわたり中国自動車道(中国道)が並走している。


この区間はかつて芸備線と一体のダイヤが組まれ、急行準急京阪神広島駅発着で運行される等陰陽連絡線として重要な路線であった。

しかし上述の中国道が延伸されるに伴い、モータリゼーションが加速。更に1975年(昭和50年)11月1日から国鉄バス神姫バスが共同で中国ハイウェイバスの運行を開始。本来鉄道線を補完する役目であったはずの国鉄バスが姫新線の利用者を奪う事態となり、姫新線の急行は壊滅に追い込まれた。


身内に食われた結果、姫新線の優等列車は民営化後の1989年(平成元年)3月11日ダイヤ改正にて急行「みささ・みまさか」が廃止された事で消滅。完全なローカル線に成り下がってしまった。


こちらも兵庫県区間同様に地元自治体や地域住民が連携して存続運動を行っているが、兵庫県区間よりも利用者数が少なく厳しい状況が続いている。


沿革編集

1923年(大正12年)8月21日津山駅美作追分駅間及び、現在の津山線区間である津山駅〜津山口駅間が作備線として開業した事が始まり。


翌年の1924年(大正13年)5月1日には美作追分駅〜久世駅間が延伸。その翌年の1925年(大正14年)3月15日には久世駅〜中国勝山駅間が延伸された。


1928年(昭和3年)3月15日には現在の因美線区間を含む津山駅〜美作加茂駅間が因美南線として開業。


1929年(昭和4年)4月14日には作備西線として新見駅〜岩山駅間が開業し、作備線は作備東線に改称された。


1930年(昭和5年)9月1日姫津線として兵庫県内最初の区間である姫路駅〜余部駅間が開業。

また同年12月11日には作備東線の中国勝山駅〜岩山駅間が延伸され、作備西線を編入して作備線に改称された。


1931年(昭和6年)12月23日には姫津線が東觜崎駅まで延伸した。


1932年(昭和7年)7月1日には因美南線が因美線に改称。10日後の7月11日には姫津線が播磨新宮駅まで延伸した。


1934年(昭和9年)3月24日には姫津線が三日月駅まで延伸。同年11月28日には姫津西線として東津山駅美作江見駅間が開業し、姫津線は姫津東線に改称された。

姫津東線は翌年の1935年(昭和10年)7月30日佐用駅まで延伸し、更にその翌年の1936年(昭和11年)4月8日には美作江見駅まで延伸(※)、姫津西線を編入して姫津線に改称された。また同年10月11日には姫津線・作備線を統合、因美線の東津山駅〜津山駅間を編入し姫新線と改称された。

この時点では現在の区間の他に津山線津山口駅〜津山駅が姫新線支線として扱われていたが、第二次世界大戦末期の1944年(昭和19年)6月1日中国鉄道本線が戦時買収により国営化され津山線となり、支線区間は同線に編入された。


※:この延伸区間の一部である、万ノ峠(兵庫・岡山県境)を越える上月-美作土居間は出雲街道をなぞる形で敷設された。同区間では並行する国道179号が県境付近で北へ大きく迂回する形となっている。


その後は陰陽連絡線の一つとして前述の通り優等列車が運行されるも、高速道路や高速バスの整備により翳りが見え始め、そのまま1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化を迎えた。これによりJR西日本が第一種鉄道事業者として継承するも、貨物列車は引き継がれる事なく同日付で廃止された。


1989年3月11日に急行「みまさか・みささ」が廃止された事で有料優等列車が全廃。同年11月1日から佐用駅以西の一部列車でワンマン運転を開始した。1991年(平成3年)4月1日からは姫路駅〜佐用駅・上月駅間の一部列車でもワンマン運転を開始。


2010年(平成22年)3月13日には兵庫県区間の高速化が完成し、使用車両がキハ40系(キハ40形キハ47形)からキハ122系キハ127系に変更された。


運行形態編集

全列車でワンマン運転を行う。

前述の急行「みささ」及び「みまさか」廃止以降は基本的には普通列車を中心としたダイヤだが、一部時間帯に快速が運行されている。

運行系統は姫路駅〜佐用駅・上月駅、佐用駅〜津山駅、津山駅〜新見駅の三区間に分かれており、一部は区間を跨いで運行する。他線への直通運転は行わないが、歴史的経緯から東津山駅〜津山駅間では因美線の列車が乗り入れている。


姫路駅〜佐用駅・上月駅編集

兵庫県播磨地方最大の都市姫路市と郊外のたつの市、佐用郡佐用町を結ぶ為利用者・本数が最も多い区間。全列車が普通列車として運行される。

基本的には姫路駅〜佐用駅間の運行で、一部時間帯では播磨新宮駅で乗り換えが必要となる。この他に主に朝夕に上月駅発着の列車、姫路駅〜余部駅間の区間列車が設定されている。

運行頻度は姫路駅〜余部駅・播磨新宮駅間が概ね毎時1〜3本、播磨新宮駅〜佐用駅間が毎時1本程度。


佐用駅〜津山駅編集

兵庫・岡山県境区間の為上月駅以西で本数が極端に減る。概ね1〜2時間に1本程度の運行頻度だが、一部時間帯では3時間近く列車間隔が開く。なお東津山駅〜津山駅間は因美線の列車が乗り入れる為、その分が加わる。因美線については当該記事を参照。


  • 快速

に上り2本(津山発上月行)、に下り2本(佐用・美作江見発津山行)が運行される。


  • 普通

上述の姫路駅方面の列車が朝夕を中心に運行されている以外は基本的に佐用駅〜津山駅間の運行。一部は美作江見駅〜津山駅間で区間運転を行っている他、下り1本のみ津山駅を跨ぎ新見駅まで運行される。


津山駅〜新見駅編集

姫新線内で最も本数の少ない区間。半数は津山駅〜中国勝山駅間の区間列車。1〜3時間に1本程度の運行頻度で、中国勝山駅以西は最長4時間程度列車間隔が開く。


  • 快速

早朝に新見駅・津山駅始発で中国勝山駅まで1本ずつ(新見駅始発は休日運休)、夜間に中国勝山発津山行が1本運行されている。



  • 普通

下り1本のみ佐用駅始発。その他は全て区間内の運行で、半数は中国勝山駅発着。

 

駅一覧編集

●:停車 ▼:下りのみ停車 ▲:上りのみ停車 レ:通過



使用車両編集

因美線の車両は当該記事を参照。


現在の使用車両編集

  • キハ122系・キハ127系

鉄面画 JR西日本キハ127系

網干総合車両所余部派出所所属の一般形気動車

兵庫県、姫路市、たつの市、佐用町の出資により製造された為、姫路駅〜上月駅間の兵庫県区間のみで運用される。


  • キハ120形300番台・キハ40系(キハ40形・キハ47形)

キハ120形 岡山支社 岡山気動車区 (岡オカ)快速ことぶき

後藤総合車両所岡山気動車支所所属の一般形気動車。


現在はキハ120形が岡山県区間の主力車両として、佐用駅〜新見駅間で運用されている。


キハ40系は現在は姫新線としては津山駅〜中国勝山駅間のみで運用されているが、かつては姫路鉄道部(現・網干総合車両所余部派出所)にも配置され全線で運用されていた。

なお臨時列車「みまさかスローライフ」で使用されるキハ40形国鉄急行色・キハ47形国鉄一般色は、因美線列車として東津山駅〜津山駅間で運用される。


DEC700

下関総合車両所新山口支所に配置されている電気式気動車。

2024年9月28日から11月24日までの間、津山駅~新見駅を結ぶ臨時快速列車「ハレのモリ」(途中停車駅は中国勝山駅のみ)で使用されている。


キヤ141系気動車

吹田総合車両所京都支所所属の事業用気動車(検測車)。

不定期で検測を行う。


過去の使用車両編集

急行 みささ みまさか

向日町運転所(現・吹田総合車両所京都支所)・姫路鉄道部所属の急行形気動車。


国鉄時代は全線で運用されていたが、JR発足後は向日町車は急行「みまさか」「みささ」として姫路駅〜津山駅・中国勝山駅間で、姫路車は普通列車用5500番台が姫路駅〜上月駅間でそれぞれ運用されていた。


払暁の始業点検

山口鉄道部(現・下関総合車両所新山口支所)所属の事業用気動車。

不定期で姫新線に入線していた。


DE10-1139 內燃機関車 國鉄色正面画 国鉄50系客車

姫路鉄道部所属のディーゼル機関車及び客車

民営化初期に姫路駅〜上月駅間で運用されていた。

定期運用離脱後は団体列車や工事列車として入線する事もあった。


関連タグ編集

山陽本線 播但線 津山線 因美線 伯備線 智頭急行

キハ40系 キハ120形 キハ127系

中国自動車道


外部リンク編集

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