因美線
いんびせん
路線名 | 因美線 |
---|---|
路線区間 |
|
路線記号 | B |
ラインカラー | 茶 |
路線距離 | 70.8km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 |
|
最高速度 | 110km/h |
非電化区間 | 全線 |
単線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 | ATS-SW |
運転指令所 |
|
第一種鉄道事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
鳥取駅(鳥取県鳥取市)と東津山駅(岡山県津山市)を結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線で、地方交通線。東津山駅を経由する全列車が姫新線津山駅(津山市)まで直通する為、運行系統上は鳥取駅〜津山駅間の路線として扱われる。
後述するが一部列車は山陰本線、智頭急行智頭線及び若桜鉄道若桜線と直通運転を行っている。
路線名は鳥取県東部の旧国名「因幡国」と岡山県北東部の旧国名「美作国」に由来する。
陰陽連絡線の一つで、日本国有鉄道(国鉄)時代及び民営化初期は津山線と共に構成していたが、1994年(平成6年)12月3日に智頭急行智頭線が開業して以降は同線と接続する智頭駅を境に以北がが陰陽連絡線のひとつ、以南が県境のローカル線と路線の性格が大きく分かれるようになった。
開業〜国鉄分割民営化まで
1919年(大正8年)12月20日に因美軽便線として鳥取駅〜用瀬駅間が開業した事が始まり。但し「軽便鉄道」を名乗っていたものの軌間は狭軌(1,067mm)で建設された。1922年(大正11年)9月2日には因美線(初代)に改称されている。
1923年(大正12年)9月2日には用瀬駅〜智頭駅間が延伸。
1928年(昭和3年)3月15日には岡山県側の津山駅〜美作加茂駅間が因美南線として開業。同時に因美線(初代)は因美北線に改称された。
1931年(昭和6年)9月12日には因美南線美作加茂駅〜美作河井駅間が延伸。翌1932年(昭和7年)7月1日に因美北線智頭駅〜美作河井駅間が延伸し全線開通。同時に因美南線を編入して因美線(2代)に改称された。
なお1936年(昭和11年)10月10日には東津山駅〜津山駅間が姫新線に編入され、現在と同じ同区間へ乗り入れる体制となった。
その後途中駅の開業はあったものの大きな動きは無く、1987年(昭和62年)4月1日に国鉄が分割民営化されJR西日本が第一種鉄道事業者として継承。同時に貨物営業が廃止された。
民営化後
1991年(平成3年)4月1日には一部列車でワンマン運転を開始した。
陰陽連絡線としての最初の転機が訪れたのは1994年12月3日。智頭急行智頭線の開業に伴い同線との直通運転を開始。また同日に運行開始した特急「スーパーはくと・はくと」」が因美線を経由する事となり、鳥取県東部と京阪神を結ぶアクセス路線としての役割を果たす事となった。但しこの時点ではまだ津山線岡山駅発着の急行「砂丘」も運行されていた。
次の転機は1997年(平成9年)11月29日。岡山駅〜鳥取駅間の列車を津山線経由の急行「砂丘」から山陽本線・智頭急行経由の特急「いなば」に変更し、「砂丘」が廃止された事で因美線は現在の性格となった。なお同日に「はくと」は「スーパーはくと」に統一されている。
2003年(平成15年)10月1日には特急運行区間が高速化され、同日「いなば」の使用車両をキハ181系特急形気動車からキハ187系特急形気動車に変更の上「スーパーいなば」に改称した。
特急
なお因美線の起点は鳥取駅だが、特急は鳥取駅に向かう列車が下り・智頭駅に向かう列車が上りとして扱われる。
また旧暦の3月3日に鳥取県鳥取市用瀬町で「もちがせの流しびな」が開催される際は、通常は通過する用瀬駅に一部列車が臨時停車する。
- スーパーはくと
JR京都線京都駅・JR神戸線大阪駅〜鳥取駅・山陰本線倉吉駅間に定期列車7往復と毎日運行の臨時列車1往復の計8往復運行されている。
京阪神と鳥取県間の輸送及び山陽本線姫路駅での山陽新幹線との連絡列車として機能している。
また大学入試の時期には山陰本線鳥取大学前発大阪行臨時特急「ビクトリーはくと」が運行される。
- スーパーいなば
岡山駅〜鳥取駅間で6往復運行される。岡山市周辺と鳥取県を連絡する役目の他に、岡山駅での山陽新幹線連絡列車としても機能している。また寝台特急「サンライズ瀬戸・サンライズ出雲」にも接続している。
快速
智頭駅・美作加茂駅〜津山駅間に1往復ずつ計2往復運行される。どちらも早朝に上り、夜に下りが運行される。
停車駅
智頭 - 土師 - 那岐 - 美作加茂 - (高野) - 東津山 - 津山
():上りのみ停車
普通
智頭駅で運行形態が分かれているが、朝の上り那岐発鳥取行のみ智頭駅を跨いで運行される。
なお山陰本線及び智頭急行直通列車はそれぞれ鳥取駅・智頭駅で列車番号を変更する。
- 鳥取駅〜智頭駅
基本的にはこの区間内での運行だが、早朝の智頭駅始発列車は山陰本線米子駅まで直通する他、前述の那岐駅始発列車も朝に運行されている。
また智頭急行智頭線大原駅始発が上り1本、上郡駅発着が下り2本上り1本、鳥取駅〜郡家駅間ではこれに加えて若桜鉄道若桜線若桜駅発着が6往復、上りのみ区間列車として夜に郡家発鳥取行が夜に1本設定されている。区間列車は智頭急行のHOT3500形が運用される。
概ね1〜2時間に1本程度運行される。
- 智頭駅〜津山駅
鳥取・岡山県境区間かつ山間部を走行する為本数は非常に少なく、快速を除くと智頭駅〜那岐駅間で下り6本・上り7本、那岐駅〜美作加茂駅間で6往復、美作加茂駅〜津山駅間で7往復設定されている。
基本的には区間内での運行。那岐駅始発は前述の鳥取行、津山駅〜美作加茂駅間の区間列車は片道は美作加茂駅発着の快速として運行する列車である。
姫新線区間も記載
●:停車 ○:「ビクトリーはくと」以外停車
□:一部が臨時停車 ▲:上りのみ停車 レ:通過
現在の使用車両
自社車両
- キハ187系
後藤総合車両所鳥取支所所属の特急形気動車。特急「スーパーいなば」で運用中。
後藤総合車両所岡山気動車支所・鳥取支所(キハ47形のみ)所属の一般形気動車。
キハ47形の鳥取車は鳥取駅〜那岐駅間の普通列車で運用されている。2020年(令和2年)3月13日までは若桜鉄道直通列車でも運用されていた。
岡山車は国鉄一般色塗装で、国鉄急行色塗装のキハ40形と共に「みまさかスローライフ列車」として運用されている。
過去には全線で運用されていた他、国鉄・JR時代の若桜線でも使用されていた。
- キハ120形300番台
後藤総合車両所岡山気動車支所所属の一般形気動車。
智頭駅〜津山駅間で運用中。
後藤総合車両所運用研修センター所属の一般形気動車。
早朝の鳥取発智頭行と折り返し智頭発米子行で運用中。
- キヤ141系「ドクターWEST」
吹田総合車両所京都支所所属の事業用気動車(検測車)。
若桜鉄道所属
若桜鉄道検修車庫所属の一般形気動車。
若桜鉄道直通普通列車で運用中。
智頭急行所属
大原車両基地所属、JR西日本後藤総合車両所鳥取支所常駐の特急形気動車。特急「スーパーはくと」及び臨時特急「ビクトリーはくと」で運用中。
- HOT3500形
大原車両基地所属の一般形気動車。
智頭急行直通普通列車及び普通郡家発鳥取行で運用中。
過去の使用車両
自社車両
- キハ181系
京都総合運転所(現・吹田総合運転所京都支所)→鳥取鉄道部西鳥取車両支部(現・後藤総合車両所鳥取支所)所属の特急形気動車。
向日町運転所→京都総合車両所時代は特急「はくと」として、鳥取鉄道部西鳥取車両支部時代は特急「いなば」や臨時特急で運用された。
岡山気動車区→鳥取鉄道部西鳥取車両支部所属の急行形気動車。
急行「砂丘」「みささ」及び普通列車、若桜線直通列車で運用されていた。
山口鉄道部車両管理室(現・下関総合車両センター新山口支所)所属の事業用気動車(検測車)。
キヤ141系に置き換えられるまで使用された。
若桜鉄道所属
- WT2500形
若桜鉄道検修車庫所属の一般形気動車。
4編成のうち3編成が改造の上WT3000形に改番され、WT2502のみ廃車された。
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