モンブラン・クリケット
もんぶらんくりけっと
「幻想に喧嘩売る度胸もねェヒヨッ子が… 海賊を語るんじゃねェ」
「一つだけ これだけは間違いねェ事だ…!!」
「“黄金郷”も”空島”も!!! 過去誰一人 “無い”と証明できた奴ァいねェ!!! バカげた理屈だと人は笑うだろうが 結構じゃねェか!!」
「それでこそ!! ”ロマン”だ!!!!」
概要
「うそつきノーランド」ことモンブラン・ノーランドの子孫で、長年「黄金郷」を探し求めている探検家。
400年分の世代差故か人相はほとんど似ていないが、頭のてっぺんにはノーランド同様立派な栗がついている(多分元からそういう形質のある一族なのだろう)。また左腕には「MAROON」と栗をイメージしたタトゥーを入れている。
子分のマシラ・ショウジョウと共に猿山連合軍を結成しており、彼ら(あとウソップ)からは親しみと敬愛を込めて「おやっさん」と呼ばれているが、ルフィには頭の栗よりひし形のような顔の輪郭の方が印象的だったらしく「ひし形のおっさん」と呼んでいる。
プロフィール
戦闘能力
かなり深いジャヤ近海を長年素潜りしてきただけあって身体能力は中々のもの。
戦闘では貫手や回し蹴りなどの体術をメインにしたスピーディな接近戦を展開するが、状況によっては懐に隠している銃を取り出して中距離戦もこなす。その実力は当時のサンジを相手に全く引けを取らず、寧ろ防戦一方に追い込むほどで、伊達や酔狂だけで『最終園長』を名乗っているわけではない事が窺える。
しかし、半ば持病と化している潜水病により突然痙攣と共に倒れ込んでしまう事があり、体調的に満足に戦えないハンデを背負っている。
本来なら持病になるほどのものではないが、チョッパー曰く「毎日無茶な潜り方をしていた」ために体内の気泡が抜けずこうなってしまったらしい。
性格
一見すると偏屈でとっつきにくい印象だが、本当はかなりのお人好しで度量の広い人物。
元々は単に絵本(うそつきノーランド)のファンでしかなかったマシラ&ショウジョウ達が押しかけた際にも快く受け入れ、ルフィたちが空島を目指していると知った時には(空島に行く難しさを知ったウソップに罵られても、特に言い返すこともなく論理的に説明した上で許し)、彼らが空島に向かう為に必要なものを猿山連合軍総出、しかも一切の条件も見返りも要求せず用意するなど手厚くサポートした。
また「偉大なる航路」の天候や自然現象、考古学など広範な知識も有しており、北の海からジャヤ島までたどり着いただけにそれなりの航海術はあるようだ。
なお後述の事情から半分になってしまった家にベニヤ板を張って城のように見せる見栄っ張りなところや、嬉しさの余りに調子に乗って宴を開くような部分もあり、人間味溢れるナイスガイ。
ちなみに自宅が半分になっているのは約400年前にジャヤ島の真下で発生した"突き上げる海流(ノックアップストリーム)"が原因で、島が真っ二つに割けた時その境目にあった家もキレイに半分になった。断面が海岸線に沿っている不自然な設計はそのせい。
ロマンの探求者
夢やロマンに対しては深い理解があり、それらを追い求める事に本気で人生を捧げる信念も持つ(逆にそうしたものに否定的なモックタウンの住人たちとは反りが合わず、町を追われた)。
中でも「黄金郷」の探索はクリケット自ら"決闘"と評しており、「うそつき」の汚名を着せられたノーランドの一族、それゆえに自分は人生を狂わされたということで、その「決着」をつけるべく、体を壊してまでも海底探索に打ち込んでいたのだった(ノーランドが死の間際に「黄金郷は海に沈んだ」と主張したため)。
「あるのならそれもよし…ねェのならそれもよし… 別におれは黄金を見つけて奴の無実を証明したい訳じゃねェ」としながらも、マシラやショウジョウといったノーランドのファンを受け入れたり、ノーランドを恨んで家を出たはずなのになぜか彼の遺した航海日誌を大切に所持し、その航海日誌の内容を暗記して朗読できるくらい読み込んでいる……と、本心からノーランドを嫌っているわけではないということも描かれている。
経歴
一応は海賊とされているが、実際には冒険家、探検家としての活躍の一面が強い。
過去
本人曰く、「ノーランドの血を引いているというだけで見ず知らずの他人からも罵声を浴びせられて生きてきた」とのこと。しかし一族はノーランドを信じ続け、中には黄金郷の実在を証明しようとして消息を絶った者もいたという。
クリケットはそんな一族を恥じて出奔し、一団の船長となる。
そうして偉大なる航路へ進出し、航海の末にたどり着いたのは……絵本の通り黄金郷など欠片も見当たらないジャヤ。その場所で自分の人生を狂わせた先祖との決着を付けるために、去りゆく仲間に背を向けて海底に沈んだと考えられる黄金郷の遺跡を探し始めた。
「決着(ケリ)をつけようぜ ノーランド」
マシラとショウジョウはその噂を聞きつけてやってきた、黄金郷の実在を信じる「うそつきノーランド」のファン。孤独な生活の中にズカズカと入り込んできて、勝手に自分の手下になって暴れ回る「一途なバカ」である彼らに救われているという。
本編
麦わらの一味との初邂逅時は、黄金狙いの賊だと思い始末しに掛かるが、トニートニー・チョッパーの治療を受けた後に一味の空島への思いを聞いたことで、お前らみたいなバカに会えて嬉しいと空島に行こうとする麦わらの一味に協力するようになる。
だが、黄金の財宝を持っていることを知ったベラミーやサーキースに強襲され、暴行を受けた挙句に金塊は強奪される。十年もかけて集めた金塊への思いを捨ててまで猿山連合軍総出で空を飛ぶことになるゴーイングメリー号の強化に取りかかるもモンキー・D・ルフィにより財宝は取り返される。彼に感謝の気持ちを述べて彼らの航海の無事を願った。
空島編終盤ではルフィによってジャヤの実在を示す黄金の鐘が鳴らされ黄金郷が空にあることを知る。かつてノーランドが聞いた、どこまでも鳴り響く黄金の鐘の音や空に映るルフィの影に感極まるも、それだけでなくその二つが果たされたことで麦わらの一味が無事に空島に着いたことを知れた事にも安堵の涙を流していた。
黄金郷が空にあることを知れたため海底探索は中止となり、部下のマシラやショウジョウは冒険の終わりに困惑するも、続くクリケットの一言で彼らの困惑は笑顔へと変わった。
彼らは黄金郷を証明しようとしていたからクリケットに付き従っていたのでなく、その人柄自体に惚れていたのだ。
「次ァどんな ロマンを追いかけようか」
この言葉により連合は解散せずに続投し、2年後現在は幻の島「夢幻郷(ナクロワ)」を探している模様。