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ノーマン(漫画)の編集履歴

2023-12-13 15:19:06 バージョン

ノーマン(漫画)

のーまん

手塚治虫による漫画作品。1968年4月~12月まで「少年キング」で連載された。

概要

サイボーグ009のようなグループ・ヒーローを主題としたSFアクション作品。

当時(60年代後半)の日本社会では学生運動などをはじめとした若者の暴力行為等が問題視され、児童向けの漫画作品の暴力描写との関連性が叫ばれていた。

そんな殺伐とした漫画界の空気の中、敢えて現実離れしたSF少年漫画に挑戦したとのこと(手塚治虫全集あとがきより)。


内容を端的に言うと、異世界を舞台に特殊な超能力を持った個性豊かな能力者たちが侵略者とバトルを繰り広げるという、現代の能力バトル漫画としても通用しそうな王道少年漫画。

とはいえ子供向けのヒーローものを期待して本作を読み進めると、裏切りなどドロドロとした展開や登場人物の容赦ない四肢欠損、またトラウマ級に恐ろしい敵の襲撃などで面食らうことになるだろう。

同じくグループ・ヒーローものの手塚作品に『ナンバー7』があるが、こちらもやはり陰鬱な展開は存在するもののノーマンと比較すると多少はライトな作風であり、王道少年漫画の雰囲気が強い。


アニメ化も検討され、虫プロダクションによってパイロット版が制作されたものの諸事情によりお蔵入りになってしまった。


あらすじ

主人公・中条タクの一家は、父親の仕事の都合で突然「北緯1度13分東経102度5分」という地点へ向かうことになる。

そこには彼らと同じようにここへ向かうように命じられた外国人、ルイ・ブードルとデービッド・フライトの二人もいた。

彼らは謎の人物の案内で現実離れした幻想的な大地へ迷い込むが、何とそこは現在から5億年前のであった。

この時代の人類は月の都を拠点に、宇宙人・ゲルダン人との戦争を繰り広げていた。

そして王子・ノーマンは「ノーマン・レインジャー」という私兵団を擁しており、さまざまな星から特殊能力をもつ者たちを呼び寄せていた。

いつの間にか念力の能力に目覚めていたタクは、ルイとデービッドの二人と共にノーマン・レインジャーに入隊し、月の未来を守るための戦いに身を投じてゆくことになる…。


登場人物

※CV:パイロット版のキャスト


ノーマン・レインジャー

中条タク

CV:市川治

主人公。現代の地球日本出身の少年。

半ば巻き込まれる形で月の大地に降り立ち、そこでゲルダン星人に父を殺され、母は冷凍保存されてしまう。

ふとしたきっかけで、自身に念力の超能力が宿っていることに気づき、ノーマン・レインジャーの新人隊員として戦いに身を投じる。


ノーマン

月の都を統べる王子。月を守るためにあらゆる手を尽くすが、価値観の違いからタクとはしばしば衝突する。

彼のような月で生まれた人類は試験管から誕生しており、家族や親子愛といったものを知らない。

瞬間移動の超能力をもつ。


ベガー少佐

CV:小林修

ノーマン・レインジャーの訓練生が所属する訓練所の所長。

非常に厳格かつ頑固一徹の軍人であり、新人であっても容赦ないスパルタ教育を施す。また、タクの母親を冷凍保存した張本人でもある。

しかし、冷凍保存に至ったのは訓練生となったタク自身の心を揺るがすことないよう、そして安全の確保が理由であり、冷凍カプセルの周囲に花を飾るなど繊細な一面もある。

また、部下に対して非常に厳しいのも、かつて一人の愚かな部下の行動により部隊が全滅した経験に起因している。

どんな怪我を負っても一瞬で回復する驚異の再生能力の持ち主。


デービッド・フライト

現代の地球、イギリス出身の青年。

半ば強制的に月へ召喚され、組織に加入させられたことに不満を抱いており、現代の地球に帰りたいと願っている。

そのため月や人類の存亡に全く興味がなく、後に裏切者として暗躍することになる。

透視能力をもち、遮蔽物に隠れた敵を撃つために銃身の曲がった特殊な銃を用いた曲射が得意。


ルイ・ブードル

現代の地球、フランス出身の船乗りの男性。

元から動物に好かれる体質であり、どんな動物でも引き寄せることができる超能力をもつ。


ルーピ

CV:武藤礼子

本作のヒロイン。出身はおとめ座のスピカ

外見は人間によく似た美少女だが、カンガルーのような太い尻尾とお腹のポケットがある。超能力は分身

ノーマン王子に惚れ込んでおり、訓練生となったのもそれが理由だが、タクと行動を共にするうちに相思相愛の仲になってゆく。

しかし、最期は…。


ブッチ

CV:小林修

ノーマン・レインジャーの隊長。

のような外見の宇宙人で、見た目通り嗅覚が鋭い。また、音速で走ることができる特殊能力をもつ。

ちなみにこっそりフライングベンの祖先と書かれている。


ザロモン、ゴブラン、メルス

ノーマン・レインジャーの他の宇宙人の隊員たち。

ザロモンは特殊な脳波による爆弾の解除、ゴブランは機械の身体を生かした怪力、メルスは自身の身体を平たくしてどんな隙間にでも入り込める超能力をもつ。


ヨロメキス

CV:滝口順平

元チンピラ。ノーマン王子の暗殺を企てた所失敗し処刑されそうになるが、タクとルーピの温情により釈放。

以降、大量の荷物を隠し持つことができる能力を生かして二人のアシスタントに回る。


その他

スンスン僧正

ノーマン王子に仕えている宇宙人。非常に怪しい外見をしているが善良な人物。


マヒネス

ノーマン王子に仕えている大臣。降伏派であり、後にデービッドをスパイとする。


ゲルダン人

月の侵略を目論む宇宙人(レプティリアン)。

生物の細胞を急速にナトリウム化合物に変質させる「ギタラの毒矢」という凶悪な兵器を用いる。

これを受けた者は一瞬で全身が塩のかたまりのような石に変化し死亡する。

作中ではタクの父をはじめ、この毒牙にかかって命を落とす者が多く描かれ、その恐ろしい死にざまにトラウマになった読者も多いだろう。


関連タグ

手塚作品 超能力 能力バトル SF 

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