概要
手塚治虫による漫画作品で、漫画雑誌「日の丸」1961年~1963年まで掲載。
一人のヒーローが活躍するのではなく、チームを組んだヒーローたちが協力して戦うというグループヒーローものであり、このアイデアは当時流行っていた忍者や野球漫画の影響であるとされる。
虫プロダクションによって、ジャングル大帝に続いて本作のアニメ化が検討されていたが、「レインボー戦隊ロビン」と設定が似通っていたため、大幅な設定改変に至る。
しかし、改変された作品とまたしても似通った「宇宙少年ソラン」というアニメが制作されたため、ナンバー7はタイトルや根本的な設定ごと変えざるを得ず、結果制作されたのがW3とされる。
この件に関しては「W3事件」などと呼ばれており、虫プロダクション内部の産業スパイ疑惑や、手塚自身による漫画版掲載誌の変更などさまざまな騒動を引き起こした。
詳しくはW3の項目に譲る。
ナンバー7そのものはアニメ化されていないが、鉄腕アトムのアニメ版に本作の設定が流用されており、「鉄腕アトム 地球防衛隊」として劇場公開もされた。
アトムの世界観に合わせるためか、原作とは大きく設定が変わっている。
あらすじ
ある夜、主人公・大島七郎は父親である大島博士に呼び出され、衝撃の事実を聞かされる。
それは今夜水爆戦争が勃発し、人類が滅びるという運命であった。
大島博士は自身の最大の発明品と共に七郎をコールドスリープさせ、100年後の未来に希望を託した。
100年後、七郎は異形の生物が跋扈する変わり果てた地球で目を覚まし、「空中島」へ連れてゆかれる。
この時代の人類は地球を捨て、宇宙に漂う人工島にて生活を営んでいた。
七郎は身体能力や放射線への耐性を見出され、思いがけず地球防衛隊の一員となり、7番目の隊員「ナンバー7」となる。
そして、いつの日か地球を奪還するために迫りくる宇宙人たちとの終わりなき戦いに身を投じてゆくことになるのだった。
登場人物
地球防衛隊
大島七郎(おおしま しちろう)
CV:北條美智留
通称ナンバー7。非常に身体能力が高く、地球防衛隊の一員としてスカウトされる。
後述の「イメージ現像機」は彼の声でなければ発動できない。
アニメ版では宮本武蔵という名前になっている(後述の佐々木小次郎との対比のため)。
ナンバー1
防衛隊の隊長。冷静沈着な頼れる指揮官だが、素顔を見せたことはなく、また素性にも謎が多い。
ナンバー2
防衛隊のNo.2。元落語家。
ナンバー3
防衛隊のNo.3。元寿司屋。
ナンバー4
防衛隊のNo.4。大きな付け鼻と鼻提灯が特徴的で、剃刀などを仕込んでいる。実家も提灯屋。
手塚スターシステムによって、リボンの騎士のナイロン卿を流用しているが、性格は全く異なる。
ナンバー5
防衛隊のNo.5だが、作中で代替わりしている。
初代はイメージ現像機を奪還する際に殉職。
二代目は手塚スターシステムのひとり、佐々木小次郎という面長で坊主頭の少年で、剣の達人。
ナンバー6
防衛隊のNo.6だが、こちらも作中で代替わりしている。
初代はおそらく最年長で元小学校の校長。宇宙人に奪われたロケット奪還の際に殉職。
二代目は、敵の首領「スペードのジェーン」がイメージ現像機を奪って作り出した亡き息子「ミッチ」。
あくまで現像機によって生み出された存在であるため、母親の死と共に消滅した。
その他
コスミ博士
CV:熊倉一雄
七郎の面倒を見ている科学者で、地球防衛隊の協力者。
キミコの正体を早々に見破るも、父親のような愛情を与えたことで、後に彼女の大きな葛藤へと繋がった。
キミコ
コスミ博士の助手で、七郎の母親にどことなく似た美女。
その正体は宇宙人のスパイであり、真の姿も人型とはかけ離れた触手の生えた醜い姿である。
しかし、博士や七郎との関わりによって自身の行いに迷いが生じるようになり…。
アニメ版では名前が「ハルコ」になっており、スパイ設定はなくなっている。
大島一郎(おおしま いちろう)
天才科学者で、七郎の父親。
思い浮かべたものを実体化できる「イメージ現像機」なるものを発明し、息子と共に未来へ送り出した。