「友よ、力を貸してくれ」
史実の王賁
秦の名将・王翦の子息として、若い頃より戦場で活躍していた武将。秦の中華統一事業の中心メンバーの一人であり、魏・燕・代・斉を諸将と共に滅ぼした。
李信と同じく子孫に代々人材を輩出しており、三国時代にも王氏の将軍が活躍していたほどである。
フィクションの王賁
キングダム
CV: 細谷佳正
原泰久による漫画『キングダム』の登場人物。
主人公信と同じく”天下の大将軍”を志しており、出世のライバルとして信と張り合っている。
「玉鳳隊」という、完全武装の騎馬隊で構成された特殊三百人隊を率いる三百将。副官・番陽からも恐ろしい方と評されるほどの軍才を持つ。
武器は槍。天賦の才と弛まぬ努力からその槍術は達人と呼べる腕前を誇る。変則的軌道を描く突き技「龍指」を扱う。
歩兵の本分を「蟻のごとく大集団を形成して戦うこと」、独立遊軍を「貴士族出身の騎兵が行う高度な任務」だと認識しており、百姓出身歩兵で構成された飛信隊が独立遊軍を務めることを快く思っていない。信に必殺技を叩き込んで下僕出身者と貴士族出身者との立場の違いを示す等、エリート志向が強い。王騎とは同族で、彼から見れば王賁は本家筋になる。
同じエリートの蒙恬とは逆に堅物で真面目、出自に対するプライドが高い性格。一方で、独断専行する場面も多く、良い意味でも悪い意味でもまだまだ若い。
父・王翦との蟠りは深く、プライドの高い王賁も父の言うことにはどんな無茶でも黙々と従う。部下の関常曰く、王翦が王賁に心を開かないのは彼の出生が大きく関わっているとの事。賁の生母・朱景は王家に引けを取らぬ大貴族・関家の令嬢で、美しき才媛ということもあって嫁ぎ先は引く手数多だったと言う。最終的には王翦の妻となり、賁を身籠った朱景だが、出産直前に妙な噂が流れる。それは『朱景には王翦より前に好いた男が居て、その男の種を宿した状態で王翦に嫁いだ』=王賁は不義の子というものだった。秦国屈指の貴族のスキャンダルとあって、周りは当然心穏やかで無く、すぐさま朱景は問い質されたが、何故か朱景は申し開きをせず口を閉ざした。
山陽戦で臨時の千人将に昇格し、戦後は正式に千人将となる。合従軍編ではすでに二千人将に昇格し、戦後は三千人将に昇格。
著雍編では四千人将に昇格していたが、著雍の戦いで魏の魏火龍七師の一人・紫伯を討ち取り、五千人将に昇格する。
鄴攻略編では、朱海平原戦で、「藺家十傑」筆頭・尭雲を討ち取り、戦後は将軍に昇格する。
横山光輝『史記』
王翦が始皇帝から嫌疑を受けるのを避けるために隠棲した時、父子で会話するシーンのみ登場。
達人伝
エピローグにおいて軍を率いて魏の都・大梁を水攻めにしたシーンのみ登場。横顔のみの登場だが父に似ている。子の王離は鉅鹿の戦いで項羽軍に撃破され捕虜になっている。