背水の陣
はいすいのじん
逃げる事が出来ない絶体絶命の状況を指す。現在では故事成語として日常会話で使われる事もある。大体の場合は絶体絶命の状況を必死で乗り切るという意味合いで使われる
一般的な使用例
- テスト前日だけど全然勉強してない。背水の陣で臨まないと。
- 赤ちゃんの身に危険が来た時にやむを得ずキャラチェンジすること。
以下のように中国古代における二つの戦いが基になっている。
このように絶体絶命の状況下を乗り切ろうとすることを背水の陣を敷く、背水の陣で臨むと言う事があり、日常会話でも度々使われる事がある。
しかしながら、この戦術の要は韓信のパターンのように「相手に有利な状況をわざと用意して油断を誘い、別方向から相手の弱点を突く」という点にあり、すなわち本質的には陽動作戦(囮戦術)である。
一般的な用法での「背水の陣を敷く」という表現は、「追いつめられた状態で戦う」という韓信の策の最も目立つ部分にしか着目できていない。したがって「背水の陣」と言いつつもカウンターアタックをかける伏兵=余力の用意がない状態で戦えばどうなるか。
項羽の成功の幻影に縋る実行者はヤケクソで前進突撃を繰り返し返り討ちに遭い、韓信の成功の幻影に縋る実行者は結局溺れ死に敗北する。
戦術は見かけだけ似せても意味が無いのだ。
スポーツにおいては試合終盤、負けているチームがに失点のリスクを抱えてでも攻撃するプレイヤーを増やし、相手に追いつく事を狙う戦術がある。
アイスホッケー
試合終盤、負けているチームはゴールキーパーが交代して(選手の交代は自由)、六人で攻撃に移ることがよく見られる。
当然相手にパックを取られれば失点のリスクは大きくなるが、アイスホッケーでは攻撃参加する人数による差が大きいため、この六人攻撃が決まることも結構ある。
ゴールキーパーがいない状態のゴールを『エンプティーネット』と呼ぶ。
サッカー
こちらも試合終盤、負けているチームがコーナーキックやフリーキックなどセットプレーのチャンスを得た場合、負けている方のチームのゴールキーパーが上がってくる事もある。
アイスホッケー同様、相手にボールを取られれば失点のリスクがある。
サッカー(11人)ではアイスホッケー(6人)ほど攻撃参加の人数の差が大きくないことと、やはりゴールキーパーは攻撃には慣れていないので、キーパーを上げてこないケースもある。
*セットプレーに失敗し、逆に点を決められてしまうシーンもある。