???「ジャンジャジャーン!バリンガーZ、参上!行くわよーー!」
概要
暴走皇帝エグゾスが、宇宙暴走族ボーゾックに貸し与えた巨大ロボの一つで、エグゾスの発行する『宇宙ランド』の最強最後の付録でもある。
銀・黒・青を基調としたマッシブな鉄の巨体に、赤い胸のプレートが外見上の特徴で、武装も大剣「バリバリブレード」を始め、両腕には射出可能な「バリバリパンチ」、2基の大型ランチャー「バリバリツイスター」と多彩である。中でも前述のプレートからは、最大最強の必殺技として数万度もの高熱破壊光線「バリバリファイヤー」を放つことが可能となっている。
これまでに登場したノリシロンシリーズの中でも、最強最悪の戦闘能力を備えた機体であり、総長ガイナモが「ボス」、副長ゼルモダが「ヌケ」、発明家グラッチが「ムチャ」と名乗って操縦し、我らが激走戦隊カーレンジャーのVRVロボと死闘を演じ、大苦戦させるハズだった。
・・・そう、ハズだったのである。
消えたバリンガー
メイン画像やネーミングからして、分かる人には容易に察せられるだろうが、このバリンガーZは明らかにマジンガーZのパロディとして生み出されたキャラクターである。恐らくはガイナモ役の大竹宏が、過去に『マジンガーZ』にてボス役を演じていたことにちなんだ、一種の「中の人ネタ」的な側面も含んでいたと見られる。
バリンガーZは実際にスーツも製作されており、『テレビマガジン』(講談社)や『テレビランド』(徳間書店)の1997年2月号(※)にも、その活躍ぶりを収めたスチール写真が掲載されるとともに、作中への登場が大々的に予告されていた。
しかし、実際に作中に登場したのはバリンガーZ・・・ではなく、それまで存在が明らかにされていなかったノリシロン-最終であった。
それもそのはず、バリンガーZは前述の通りマジンガーZのパロディであるものの、どうも原作者である永井豪とダイナミックプロはおろか、東映の上層部にすら話を通さずに制作を進めていたようで、撮影の打ち上げパーティーに際してノリにのった大竹が、バリンガーZの存在と「ジャンジャジャーン」とアドリブを交えて演じたことを語ったのがきっかけで、東映の上層部が原作者サイドからのクレームを懸念し、敢えなくお蔵入り・撮り直しを余儀なくされる事態となったことを、番組終了からしばらく後に大竹がインタビューの際に語っている。
一応、コックピットのセットはそのままノリシロン-最終-に流用された他、製作されたスーツも後に別の形で再利用が図られている。それが『パワーレンジャー・ターボ』の第29話に登場する「メタルマングラー」であり、ここではバリンガーZのボディにバラケリス(『超力戦隊オーレンジャー』)の頭部とバラペテン(『オーレンジャー』)の両腕を組み合わせ、リペイントする形で新規怪人に仕立て上げている。
(※ 奇しくもこの1997年2月号を最後に、『テレビランド』は休刊の運びとなった)
関連タグ
マジンガーZERO:『真マジンガーZERO』に登場する巨大ロボの一つ。顔面がバリンガーZに近いデザインとなっている