概要
セントルイス（英語：City of St. Louis）は、アメリカ合衆国のミズーリ州東端に属する都市。ミシシッピ川とミズーリ川の合流点に位置しており、1764年2月に成立した。人口は30万1578人で、隣接するイリノイ州イーストセントルイス市などを含めた大都市圏人口は300万人規模に達する。
ここもかつてはデトロイトに次ぐモーターシティとして知られ、クライスラーの製造拠点であった。更にマクドネル・ダグラスがその発展を後押しし、全米で最初の五輪開催都市、そして万博開催都市になるなど（世界でも五輪と国際万博の双方を開催した数少ない都市である）、その勢いは凄まじく、人口も85万にを数えるほどだった。
1970年代から構造不況に陥り、そこから人口が急減。今は下げ止まりの感はあるが、アメリカ国内での地位は相対的に低下している。
昨今では全米で最悪の犯罪の増加に悩まされており、例の犯罪調査ではここ数年はずっとワースト1位である。ただし、ニュースで見るような暴動が起きる治安が極端に悪い地域は隣のイーストセントルイス市（イリノイ州）やノース・カウンティと呼ばれる下町エリアに集中しており、それらのエリアに踏み込まなければ比較的安全に生活できる（ノース・カウンティの連中もわざわざテリトリー外で悪さはしに行かない）とされ、フレンドリーで親しみやすい市民性、物価の安さなどから暮らしやすい都市の一つにも数えられている。
市街地の写真でよく見られるアーチ状のモニュメントはゲートウェイアーチというもので、実はあの中にエレベーターがあり、最上部に展望席がある。また、そのゲートウェイアーチから全米最大の噴水、イーストセントルイスのシンボル、ゲートウェイガイザーが見え、ともにセントルイスの名物となっている。
セントルイスに本社を置く主な企業に良くも悪くも化学薬品大手として知られるモンサント、バドワイザーでおなじみアンハイザー・ブッシュが有名で、他に全米で知られたエマソンなどがある。また、かつてはアメリカの三大航空機メーカーといわれたマクドネル・ダグラスの本社があり（今も工場がある）、トランスワールド航空のハブ空港でもあった。
地名はサン・ルイ（聖王ルイ）に因むとある通り、ラテン文字のアルファベットではSaint (St.) Louisと綴る。間違っても"St. Lewis"では無いので注意して欲しいが、外国人のみならず、ミズーリとイリノイの両州以外のアメリカ人も結構な頻度で間違える。
1904年7月にアメリカで初めてオリンピックを開催した都市で、プロスポーツではMLBのセントルイス・カーディナルスとNHLのセントルイス・ブルースのフランチャイズである。過去にはMLBのブラウンズ（現在：ボルチモア・オリオールズ）、NBAのホークス、NFLのカーディナルズとラムズが本拠地を置いていたことがある。また1930年代にはNFLにガナーズ、NHLにイーグルスと名乗るチームも存在したが、どちらも経営難からすぐに消滅している。また、2023年にはMLSチームも参入している。
このように見ると、スポーツフランチャイズがあまり根付かない都市のような誤解を招きそうだが、そうではない。全米一のベースボール熱が高い都市（2017年にFOXが発表、サンフランシスコやボストンを凌ぐ）であり、ベースボール以外はあまり市民の関心にないのである。また、この全米一のベースボールタウンに拠点を持つカーディナルスに在籍したことのある日本人は元オリックス・ブルーウェーブの田口壮だけであり、今でも彼は市内で人気があるという。また、WBCで一躍時の人となったヌートバーもカーディナルス所属である。
曖昧さ回避
- 星セント・ルイス。星セントと星ルイスからなる日本の漫才コンビ（1971 - 2003）。
- サン・ルイ（聖王ルイとして列聖されたフランス王ルイ9世）を英語読みしたもの。初代フランス（西フランク）王はルートヴィヒ（ルイ）1世だったため、フランスには名前が「ルイ」の王が多い。
- フランス王国が北アメリカ大陸のミシシッピ川沿いに有した植民地。
- アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイス市。本記事にて解説。
- アメリカ海軍の軽巡洋艦の艦級（セントルイス級軽巡洋艦）。
- アメリカ海軍の軽巡洋艦(CL-49)。艦名はセントルイス市に由来する。
- 上をモチーフとしたアズールレーンのキャラクター。pixivではこの意味でのタグ付けが最も多い。→セントルイス(アズールレーン)
- アメリカ海軍の防護巡洋艦の艦級（セントルイス級防護巡洋艦）。
- アメリカ海軍の防護巡洋艦(C-20)。艦名はセントルイス市に由来する。
- ミズーリ州のセントルイス郡。
- ミネソタ州のセントルイス郡。
- イリノイ州のイーストセントルイス。
- ルイジアナ州ニューオーリンズ：フレンチ・クォーターに立地するセント・ルイス大聖堂。
