概要
1994年3月21日に日本テレビ系で放送された、『ウルトラセブン』のテレビスペシャル。放送日である3月21日は太陽の日となっている。
通商産業省(現経済産業省)、資源エネルギー庁とのタイアップであり、環境問題とエネルギー問題をテーマにした教育的な側面が強い。
テレビ作品としては『ウルトラマン80』以来となる完全新作。スタッフの多くは『電光超人グリッドマン』から引き継がれている。
『ウルトラセブン』が選ばれた理由は太陽エネルギーを吸収する胸部のプロテクターを通産省関連のソーラーシステム振興協会が振興事業として進めるソーラーシステムに見立てたことによるもので、セブンのキャラクターを活かした特番によって子供たちやかつてセブンを見ていた大人たちにソーラーシステムを周知させるというものであった。
出演者も非常に豪華であり、テレビシリーズのオリジナルキャストである毒蝮三太夫とひし美ゆり子が同役で出演。ほかにも『ウルトラマン』のハヤタ・シン役の黒部進、フジ・アキコ役の桜井浩子、イデ隊員役の二瓶正也、『ウルトラQ』の万城目淳役の佐原健二、戸川一平役の西條康彦のほか当時の円谷プロダクション社長・円谷皐がツブラヤ・ノボルという役でゲスト出演している。
あらすじ
ある夜、宇宙での戦闘で傷ついた宇宙人が地球の重力に引かれて落下した。その宇宙人こそ、ウルトラセブンだった。
同じ頃、地球ではクスハラ博士を中心に太陽エネルギーの実用を目指してハイパーソーラーシステムを完成させていた。しかし、何者かの工作によりハイパーソーラーシステムは爆破されてしまう。そしてその日の夜、かつてのウルトラ警備隊員アンヌの息子であるダン少年は、訪れた森で謎の少女と怪獣エレキングを目撃する。偶然、近くを通りかかったウルトラ警備隊のトーゴー隊員、リサ隊員に知らせるダンだが、すでに少女もエレキングも姿を消してしまっていた。
一方、一連の事件を追うウルトラ警備隊のフルハシ隊長は、カジ隊員と共に地球防衛軍基地の格納庫に収容されていたウルトラセブンを目にする。セブンを復活させようとするフルハシ隊長だったが、地球に届く微量な太陽エネルギーでは、生命維持が精いっぱいだった。
そして、ダン少年が夜の森で目撃した少女の正体であり、ハイパーソーラーシステムの爆破の首謀者であるピット星人は、エレキングを出撃。エレキングは炭酸ガスで森林を破壊し始める。すぐさま、ウルトラホーク1号で迎撃に向かうフルハシとカジ。ピット星人の策略でエレキングのデータは削除されてしまっていたが、フルハシは角が弱点と思い出す。形勢不利と判断したピット星人はエレキングを撤退させる。その頃、ピット星人の円盤がある森の中を探索していたダンはピット星人に捕らわれてしまった。
クスハラ博士によるハイパーソーラーシステムの修復が進む最中、スパイカメラの偵察でウルトラセブンの生存を知ったピット星人。傷の修復が完了したエレキングにハイパーソーラーシステムを破壊させ、自分たちの円盤でセブンを抹殺するという二面作戦に出た。エレキングが迫る中、必死に修復作業に努めるクスハラ博士たち。一方、セブンが横たわる格納庫に到達したピット星人は、円盤から照射される太陽エネルギーを利用した光線で止めをさそうとする。しかし、円盤内に捕らえていたダン少年が抵抗し、装置を動かしたことで太陽エネルギーがセブンに注入された。
ついに復活を遂げたウルトラセブンは、ハイパーソーラーシステムを破壊する寸前のエレキングを止めるべく飛来。エレキングと激しい格闘を繰り広げる。エレキングに新たに実装された炭酸ガスに苦戦するセブン。その頃、ハイパーソーラーシステムの修復も完了していた。ハイパーソーラーシステムにより、エレキングのパワーを奪い取ることに成功。優勢にたったセブンは、アイスラッガーとエメリウム光線でエレキングに止めをさした。
計画が失敗したピット星人は、捕らえていたダン少年を人質に降伏を迫るが、すぐさま円盤内に突入したウルトラセブンによってダンは救出され、円盤ごとワイドショットで撃破される。そして、セブンは再び地球から飛び立つのだった。
出演者
トーゴー隊員:松山鷹志
リサ隊員:鈴木亜美
ダン:青木海
トシコ:沢口遥
第17支部格納庫の隊員:松岡稜士
オオタキ主任:大滝明利
オペレーター:倉光伸枝
教授:竹内均(特別出演)
クロベ・ススム:黒部進(特別出演)
サイジョウ・ヤスヒコ:西條康彦(特別出演)
サクライ・ヒロコ:桜井浩子(特別出演)
サハラ・ケンジ:佐原健二(特別出演)
ニヘイ・マサナリ:二瓶正也(特別出演)
ヨシダ・テルミ:吉田照美(特別出演)
ツブラヤ・ノボル:円谷皐(特別出演)
クスハラ博士:荻島真一
ナレーター:森次晃嗣