発祥地(?)はニコニコ動画とChakuwiki。管理局の白い悪魔にちなんで命名されたものとされる。“白”は当然白をベースにした車体塗色が由来だが、“悪魔”に関しては2つの節がある。
後者に関しては営業最高速度110km/h・起動加速度3.3km/h/sと、東京の地下鉄では標準的な数字。だが郊外路線に比べて駅間が短い地下鉄は、通常定格速度域は40km/h程度であるのに対して、5300形は40km/h→65km/hあたりの中間加速域でもトルクが細らず、短時間で110km/hに到達するという特徴がある。
これは優等列車主体を見据えた京急側の性能要求であった…のだが、それでも京急の運転士は「自社車に比べて加速進段やブレーキの応答が遅い」「入力遅延ってやつ?」と言っている。格ゲーじゃないんだから。
京成電鉄とは長い間110km/h仲間であったが、スカイアクセス線開業の瞬間、彼はすっかり変わってしまった。「やーい110km/h!あかん子は隔駅にでも止まっていればいいよ!」(by京成パンダ)、ということだろうか。
要するにこれだけのパワーを持ってしてもパワー不足なのである。
その理不尽な要求に交通局もムキになったのか、実験的に「京急600形(3代目)」のパワーを装着した最終兵器「5327編成」を送り出す。余裕の120km/h達成を実現したものの、悪魔的な騒音が地獄のシンフォニーと化しただけで、結局一度も120km/h運用に用いられたことが無い。
そもそも列車の運行スケジュールでは社局別にしっかり担当が分けられているため、性能が同じだからといって5327編成を京急・京成車の代わりに使うということはできない。同様に110km/h基準で組み込まれている都営車受け持ち分のダイヤを120km/hで走破しても仕方が無いわけだ。
以上より、5301~5326の残り26編成にも同様のパワーを与えてダイヤ改正でもしない限り、今後も悪魔的なパワーは宝の持ち腐れとなる見込みである。
おれステカセキングだけど、たまたまトンネルの両側が悪魔将軍とネプチューンマンだったぜ。それが悲しくも交通局の白い悪魔の現実である。
ちなみに5300形のホームグラウンド・都営浅草線は、70km/h制限である