概要
タムリエル大陸の北西部ハンマーフェル (Hammerfell)地方に多く住む人類系種族。英語表記では『Redguard』。
ただし、他の人類とは祖先が異なる(後述)
プレイヤーキャラクターの種族として選択することもできる。
北アフリカ系や中東アラブ系の民族がモデルと考えられており、やや中東系の顔に浅黒い肌と天パを持つ種族。特にレッドガード族の若い女性はエキゾチックな美女が多いことからタムリエルでも人気がある。
頑健な肉体に、毒や疾病に対する高い抵抗力と優れた身体能力を備えていることから、戦士や斥候として秀でた才能を持っている。同じ戦士系種族たるノルドとあえて差別化するならば、筋骨隆々なノルドは重戦士向けの種族だが、レッドガードは身のこなしを活かす、いわば技量戦士系と云ったところ。
歴史
元々は失われた大陸ヨクーダから渡ってきた「ラ・ガダ」(ラ・ガーダ)と呼ばれる民族の末裔であり、後に「レッドガード」となった。ノルド・ブレトン・インペリアルなどの、北の大陸アトモーラから渡ってきたネディック(ネード)族を先祖とする他の人間種とは出自が異なるため、独特の文化風習を持っている。
【第二紀】
ハイロックのブレトン、オルシニウムのオークたちと国家同盟「ダガーフォール・カバナント」を結成。「第二帝国の正当な後継勢力」を主張し、シロディールの玉座を他の同盟と争った。
【第三紀】
タイバー・セプティム率いるシロディール帝国によりタムリエル大陸が統一されたあとは、長年に渡って帝国と協調する関係を築いてきた。
【第四紀】
The Elder Scrolls Ⅴ Skyrimの時代には、帝国とハイエルフ(アルトマー)の組織サルモールが支配する国家同盟アルドメリ自治領の大戦に巻き込まれる。レッドガードの戦士たちは、帝国軍と共に勇敢に戦い、アルドメリ自治領を撃退することに成功した。
しかし、戦後に帝国がアルドメリ自治領と結んだ「白金条約」(白金協定)によりHammerfell南部をアルドメリ自治領に割譲するという内容がハンマーフェル側の意思に関係なく決まった事に反発、進駐してきたサルモールを追い出して帝国からも独立した。この結果、サルモールと激しく対立する一方で、帝国との関係も悪化している。
文化
総じて性格は独立心旺盛、ストイックで無愛想だがミステリアスで情熱的。
同様に武勇に優れるノルドとは、憎悪し合っているわけではないものの、互いに対抗意識というか同属嫌悪のような感情を抱いており、犬猿の仲。もちろんノルドの街で仲良く暮らすレッドガードもいるが、交渉事でこの種族対立が微妙に影を落とすこともある。
例えばノルドの街・ホワイトランに人探しに来たアリクル戦士は、結構理不尽な理由で門前払いを喰らって追い出されている。
【派閥】
タムリエルに移住したのちレッドガードは主に二つの文化に分かれている。沿岸部は順応性高く外国との交流・交易および外国の神も受け入れている「フォアベアー」、内陸部は保守的で古代ヨクダの信仰を保ちレッドガード社会に大きな影響力を持ち続けている「クラウン」がいるとされている。 (※1)
- 『ヨクダのナ・トタンプ』
【魔法】
先祖崇拝の風習や生物の魂を自由かつ崇高なものとして捉える倫理観を持っていることから、Soul (魂縛)の呪文やネクロマンシー(死霊術)、人の生死や魂を弄ぶDaedra (デイドラ)に強い嫌悪感を抱いている者が多く、魔術師自体を邪な者として嫌う者も少なくない。
他方、変性魔法や回復魔法には理解を示す者もおり、『Skyrim』ではアリクル戦士の前でシャウト(スゥーム)を使うと「それが声秘術か」と感心される。
【刀剣】
近接武器として一般に曲がった刀(シミター)を用い、とりわけエリートであるアリクル戦士団の実力と執念深さは知られている。
剣については特に文化の中でも重視されるようで、信仰される神々には剣使いが何柱かおり、レッドガードの英雄や剣聖と呼ばれる者たちも基本的に剣や刀の使い手である。北部地域ドラゴンテイル山脈の中にも、剣使いを育てる場所として「剣の谷」と呼ばれる場所がある。
第一紀にガイデン・シンジなる英雄を輩出している。
【衣服】
アフリカやアラブをモデルとしているためか、地域は砂漠や乾いた岩山が非常に多く、住人たちの服装もゆったり・さっぱり系の服が多い。(※1)
【建築】
一般の住居や店舗は、屋根はなく、外に設置した階段で上がれる屋上階を作るところが多い(屋上では荷物を置いてたり洗濯物を干してたりと用途は色々)。
中には、屋上と屋上同士を橋などでつないだ、キャットウォーク的な通路を作っている街もある。
ハンマーフェル (Hammerfell)。
タムリエル大陸におけるレッドガードの故郷。砂漠と岩山の多い国である。
ドゥエマー(ドワーフ)の一族が新たな移住先を決める際に用いたアーティファクトの戦鎚 (Hammer)が落ちた(Fell)のがこの土地だった事に由来しているとされる。
レッドガード達は、元はヨクーダ大陸という別の土地にいたが、洪水によりヨクーダ大陸が海に沈んで失われたため、タムリエル大陸に種族で移住してきた。(※1)
北にはイリアック湾(Iliac bay)と山地により隔てられたブレトンの国ハイロックがあり、南にはインペリアルの国でタムリエルの中心地であるシロディールがある。ハンマーフェル南部の突き出た半島地域アバーズ・ランディングは、盗賊などの無法者が跋扈する街として有名。
先述の通りかつてはドゥエマーも住んでいたため、岩山には現在も彼らの遺跡が残っている事がある。
- 『ヨクダのナ・トタンプ』
信仰
レッドガードはフォアベアーズとクラウンとで信仰する神が異なる。 (※1) (※2)
帝国寄りのフォアベアーズは、帝国の八大神と習合した信仰を持っており、時の竜神アカトシュを主神としている。
保守的なクラウンは旧ヨクーダ(ヨクダ)の頃からの古代の神々を信仰しており、「長身のパパ」の異名を持つラプトガを主神としている。
なお、ノルドの「ソブンガルデ」に似たような信仰を持っており、レッドガードの死者が赴く天国として「碧落の岸」(へきらくのきし)と呼ばれる領域があるという。
フォアベアーの神々 | 相当する他の神格 | 説明 |
---|---|---|
アカトシュ | シロディール帝国の神。耐久、無敵、そして永劫に続く正当性などの資質の象徴。 | |
ターヴァ | キナレス | 「鳥の神」「ヨクダの大気の魂」。故郷ヨクーダ大陸を失ったレッドガード達を新天地に導いたとされる。 |
ジュリアノス | 叡智と論理の神、文学、法学、歴史と矛盾の神。 | |
ディベラ | 美の女神。 | |
トゥワッカ | アーケイ | 「魂の神」「狡猾な神」。レッドガードにとっての死者の天国にあたる「碧落の岸」(へきらくのきし)の管理者。 |
ゼェト | ゼニタール | 農園と農耕の神。ゼニタールに類似。 |
モルワ | マーラ | ヨクダの「乳首の神」「豊穣の女神」。長身のパパの妻の中で最も愛されている。「もっと夫たちを手にするため」として4本腕で描かれる。 |
ステンダール | 「慈悲」「慈善」「正義」「正しき統治」の神。レッドガードのギャラント(騎士)からの信仰を受けている。 | |
レキ | 長身のパパの娘で「霊剣の聖人」「剣術の女神」。 | |
フーンディング | 異端者に対する勝利を司るヨクダの「前進の神」「道開きの神」。 | |
マルーク | マラキャス | ラ・ガーダ(レッドガード)に敵対する「群れの王」。ゴブリンを率いて襲ってきたとされるが、フーンディングの軍隊に敗北した後は東に敗走したという。 |
セプ | ロルカーン | ロルカーンのヨクダ版。長身のパパより生み出されたが、いくつもの神々を騙して定命の世界を作らせたとされる。 |
クラウンの神々 | 相当する他の神格 | 説明 |
---|---|---|
サタカル |
| 世界の皮(ワールドスキン)とも呼ばれる、全てを司る万物の神。アヌとパドメイの概念が結合したもので、世界を壊して次の世界を始めるという性質からノルド信仰におけるアルドゥインの要素も。 |
ラプトガ | クラウン信仰での主神。こちらの名前より「長身のパパ」の異名の方が有名。自身の仕事の助手としてセプを生み出す。 | |
トゥワッカ | 「魂の神」「狡猾な神」。レッドガードにとっての死者の天国にあたる「碧落の岸」(へきらくのきし)の管理者。 | |
ゼェト | 農園と農耕の神。 | |
モルワ | ヨクダの「乳首の神」「豊穣の女神」。長身のパパの妻の中で最も愛されている。「もっと夫たちを手にするため」として4本腕で描かれる。 | |
ターヴァ | 「鳥の神」「ヨクダの大気の魂」。 | |
オンシ | ヨクダの戦神である「骨剃りし者」。短剣を引き伸ばして剣を作り出す方法を人類に伝えたとされる。 | |
ダイアグナ | フーンディング | 元はフーンディングの化身だったが別途神格を得た神。オリハルコンの武器をヨクダの人々にもたらし、エルフの打倒に一役買ったとされる。 |
レキ | 長身のパパの娘で「霊剣の聖人」「剣術の女神」。 | |
フーンディング | 異端者に対する勝利を司るヨクダの「前進の神」「道開きの神」。 | |
マルーク | マラキャス | ラ・ガーダ(レッドガード)に敵対する「群れの王」。ゴブリンを率いて襲ってきたとされるが、フーンディングの軍隊に敗北した後は東に敗走したという。 |
セプ | ロルカーン | ロルカーンのヨクダ版。長身のパパより生み出されたが、いくつもの神々を騙して定命の世界を作らせたとされる。 |
- 帝国大学ミカエル・カルクソル修道士著『様々な宗派:クラウン・レッドガード』
- 帝国大学ミカエル・カルクソル修道士著『様々な宗派:フォアベアー』