概要
『トリコ』に登場する生物。支配階級の8人のニトロ。通常のニトロ(レッドニトロ)と違い口が横に開くのが特徴。
体の色は青いわけではなく、こう呼ばれる理由は最終盤で明かされる。
太古に地球にやってきて、グルメ界の深部「ダイニングプラネット」に居を構える。
極めて高い調理の技術を備え、グルメ細胞の悪魔でも最も反映した存在を名乗る、人間界でも「グルメ貴族」として伝承されている存在。
彼らは実は青い宇宙と呼ばれる並行世界の住人であった。
ブルーニトロは他のグルメ細胞の悪魔を使役することで惑星そのものを調理していたのだが、やがてそのうちの1匹であるネオ(後述)が逃走し、彼を追って赤い宇宙(トリコ達のいる世界)にやって来た。
その目的は、宇宙さえ滅ぼしかねない食欲の悪魔「ネオ」を金の缶詰に封印する事。
アカシアをして「誰も勝てんぞ」と言わしめる戦闘力を誇るが、八王や次郎、三虎などにはさすがに及ばない。
チチによれば、8人全員が束になればネオとそれなりに戦えるらしい。
GOD復活を機にネオ封印に取り掛かるものの、アカシア/ネオによって真っ先にエアが殺され、他のメンバーも完全覚醒を果たした次郎に大半が殺られてしまう。最終的にペアを除きすべて死滅してしまったが、ペアの台詞から察するに食霊として復活する可能性はあるらしい。
メンバー
センター
真っ黒でトサカが目立つブルーニトロ。
センターを持ってきた途端にペアに「オレに殺されておけば復活のチャンスは0じゃなくなる」という酷い理由で暗殺される。ネオに喰われると復活できなくなるため、自分が死んだとしても彼がいずれ復活すれば後を引き継げる、というあくまで彼のことを想っての行動ではあるため裏切りではない(殺される方からすればたまったものではないが)
ペア
真っ赤なトサカとネックレス、スカートの様な装飾品が特徴の、トリコと小松がベジタブルスカイで接触した初めてのブルーニトロ。
長らく名前は判明しなかったが、第二部で判明した。理性的で、トリコ達をいいコンビだと評価していた。他のブルーとは違って独自の目的を持って活動している節がある。
過去のペア入手に失敗した際、サンドリアの花粉で死にかけていたアカシアと互いに捕食しあった事から他のメンバーよりも親しく、彼にGOD関連の情報を与えている。またブルーニトロの中で唯一アカシアの「真の目的」を知っていた。(尤も彼は反対派で、あくまでより確実なメインプランに拘っていたが、最終的にはアカシアのプランが達成されることになる)
ブルーニトロ軍団唯一の存命者であり、トリコとリンの結婚式にも招待されていた。
アナザ
老婆のような容姿と口調のブルーニトロ(ニトロに性別は無く、みんな男言葉で話す)。
他のブルーニトロに命令を下している所から上下関係は上らしい。
地球に来た頃はまだ若く、粗暴な男口調だった。
次郎のギネスパンチで宇宙まで飛ばされ生死不明。
ニュース
他のメンバーの数倍という巨体を誇るブルーニトロ。
フルコースの調理中に覚醒したネオの一部に上半身を喰われたが、身に着けていた命玉のお陰で復活する。
倒されたブルーニトロの中では強い方で、次郎に二度に渡り吐血させる攻撃力を見せたが、次郎のエターナルノッキングを受け死亡。
GOD
ドレッドヘアーのブルーニトロ。髪には大量の命玉を付けている
次郎に傷一つ付けられずにヘッドシェイカーを食らい、頭部にある全ての内臓が液状化し死亡。その上本来一振りで絶命するはずの技を食らったのに断末魔を上げる暇がある、という死ぬまでの遅さに疑問を持った次郎に命玉を一つ掠め取られた。名前が泣くぞ。(というか一振りが一撃必殺のシェイクを命玉が尽きるまで食らい続けたと言うことになるので、文字通り「一撃で死んだ方がマシ」だったであろう)
エア
白いトサカのブルーニトロ。第一部で一龍を殺害した個体。体色や服装がペアに似ている。
一龍すらも追い詰めた三虎の技『ハングリースペース』を掻い潜って逃げおおせる程の実力を持つ。
第二部では、フルコースの調理で体力が消耗しきった所をネオと化したアカシアに喰われた。
描写こそ無いもののネオに喰われた他のブルーニトロ達と共に吐き出された模様。
アース
全身黒褐色の毛に覆われたブルーニトロ。
次郎に傷一つ付けられずにギネスパンチの直撃を喰らい死亡。
アトム
アフロヘアーのブルーニトロ。
味仙人カカに変装してエリア7ではトリコ達と接触し、猿武を教えた。彼らに潜むグルメ細胞の悪魔がネオに通用する可能性を考慮していた模様。
ブルーニトロの中でもかなり好戦的で、八王相手に物おじせずに啖呵を切れる。猿王バンビーナの攻撃を受けても原形を保っていられる程の耐久力を持つ(カカに化けていた時の発言であるため嘘の可能性も高いが、グルメピラミッドから脱出した個体がこいつらしい。その場合これだけの実力を持ちながらたかが人間界で仕事も出来ず乾眠するハメに陥っていた事になる。)
臨戦態勢に入ると無数の牙を持つ口を裏返して面とし(口の奥から眼光が覗いている。)さらに背中からも棘が生えるが、どういった用途があるのか、他のニトロも該当する形態を持つのか、或いは彼だけの特性なのかは劇中で描写されることはなかった。
鉄平にウチューリップの球根をねじ込まれ生きながらにして苗床にされ乾眠しようとしたがその後について全く描かれておらず生死不明。生きていたとしても体内に球根を捩じ込まれている以上今後永久に養分を吸われ続け、蘇生できぬまま(しても即座に乾眠させられ)ウチューリップの根元で干からび続けることになるだろう
「アトムは二度と目覚めることはできなかった、植物と生物の中間の生命体となり永遠にウチューリップの苗床となるのだ。そして死にたいと思っても死ねないので そのうちアトムは考えるのをやめた」
下手に生きながらえずサッサと死んでいればいずれ復活できた筈なのだが…
余談
劇中様々な場面で暗躍し、不気味な黒幕のような立ち位置だったのだが蓋を開けてみれば八王やアカシアやその三弟子、そしてネオには遠く及ばない中途半端な実力しかない噛ませ犬同然であった。更には同族さえ平気で犠牲にする等の目的のためなら手段を選ばない卑劣なやり方やトリコ達と利害そのものは一致しているにもかかわらず貴族としてのプライドからか不必要に敵対して障害を増やす協調性の無さなど、ハッキリ言って同情できるような描写もなく「舞台を引っ掻き回しただけの邪魔者」くらいの印象しかないためか読者からも殆ど話題にもされていなかった。
ネオの件に関しても元々は彼等の管理不足によるミスであり、要するにトリコ達はその尻拭いをさせられたという事になる。