猿王バンビーナ
えんおうばんびーな
島袋光年の漫画、『トリコ』に登場する架空の生物で、読者の投稿アイデアより誕生。
グルメ界エリア7『100Gマウンテン』に生息する、八種類の獣の王『八王』の一角。頭部、肩部、腰回りは毛むくじゃらで、大きな睾丸と尻はむき出しという珍妙な容姿をしている。
八王とはいっても大陸の支配には興味を持たず自身はただ気ままに暮らしているだけであり、日々暇つぶしに興じている。
・・・規格外の戦闘能力故にその暇つぶしの規模が尋常じゃないため、『八王の問題児』とも呼ばれる。
アカシアのフルコースメニューの一つで、死者を甦らせることも可能といわれる生命のスープ『食寶ペア』を持っているらしいが……
『猿武』 (演舞)と呼ばれる特殊な格闘術を自身の傘下の猿たちに伝授しているのも、強すぎる自分に釣り合う遊び相手をひとりでも増やしたいからとレッドニトロのカカに推測されている
種族名は『キンタマントヒヒ』(初期は「キンタマンドリル」)。捕獲レベルはなんと6000。
上記の種族名から分かるように、『食寶ペア』とは、彼の睾丸(キンタマ)のことである。本来は地球から滲み出るスープだったペアを猿王の先祖の一体が源泉ごと飲み干したことで睾丸に蓄積されるようになり、捕獲方法も大幅に変わった。
退屈しのぎの遊びで、山を根元から切り崩し、それを水切りのようにブン投げると、投げられた岩がトリコ世界の巨大な地球を一周して戻ってくる(この水切りはグルメ界の七不思議の一つとされるが、同時に風物詩でもあるらしい)。さらには、たったのひとっ跳びで、宇宙空間にまで身を届かせ、そこで転た寝する、膝カックンやあっち向いてホイで相手の体が粉砕する、糞が超高捕獲レベルの生物となり、物質化して大量の物資を運搬可能など、八王の例に洩れず規格外の身体能力を誇る。
- ちなみに、この糞は筋斗雲のごとき様相(その名も「キントウンコ」)だが、こんなに乗るのを躊躇させられる筋斗雲も他にないのではないだろうか・・・。
成人男性と同じくらいと八王の中ではダントツで小さい体をしているが、その小柄さとは裏腹に実力は馬王をも凌ぐともされ、馬王のような特殊な能力は持たないものの、異常すぎる身体力によって力ずくで敵を瞬殺する。
ただし、猿王に戦っているという意思はなく、強すぎるが故の虚無感を満たしたいという思いの、ただのじゃれあいのつもりである。通常モードでの捕獲レベルは6000と凄まじいが、下記の真の姿では更に上昇するものと思われる。
この状態でも、猿王が一瞬キレただけで世界中の生物に避けられぬ死の危険を感じさせ走馬灯を過ぎらせるほどの殺気を放つ。
また、ネオの破片を「遊び」で潰してしまう、未熟個体とはいえ、同じ八王の子孫たち3体を相手に楽勝に特訓するなど、やはりその強さは計り知れない。また、異空間を作り上げる?ことが可能だが、これが後に登場した「人工の裏チャンネル」と同等のものなのかは不明。
- 実力は馬王より上とはされているものの、八王は捕獲レベルを任意に変更させられる事を忘れてはいけない。バンビーナの捕獲レベル6000に対して馬王のそれは6200であり、八王のメンバーそれぞれの「強さ」の種類も異なる。何より、ヘラクレスは身重、或いは出産直後であったため、本気の力は計り知れないのだ。
普段は衣服、あるいは表皮なようなものをギチギチに着込んでいる。それが何かの拍子に爆散し剥がれ落ちると、今までの姿とは打って変わり全身真っ白の姿に変貌。
前の形態で生ていた毛もなくなり、全身が一回り大きくなる。全身筋肉質で、猿というより半分ムササビの被膜が付いたゴリラに近い姿となる(コミックス35巻によると前述の読者のアイデアはこちらの姿の元となっている)。
この姿になった瞬間、世界中の人々が、地球最後の日のような胸騒ぎを感じ、大好物(或いは死ぬ直前に食いたいモノ)をむさぼろうとするなど、その存在力の凄まじさを物語る。
この姿になると、拘束具がなくなったためか戦闘力もさらに増加するらしく、尻尾の一薙ぎで真空波が発生。凄まじい切れ味を誇るそれはそのまま宇宙空間にまで達し、なんと人工衛星を両断した。
また、口から食欲のエネルギー波を発射する。その威力はかのブルーニトロでさえ長距離を吹き飛ばされて尚脱出に苦労するレベルであり、自身の尾の先を一緒に吹き飛ばしてしまった(本人はケロッとしていた)。
猿王の本名は『バンビーノ』であり、『バンビーナ』は、かつて死に別れた恋人(番)の名であった。猿王は、かつて恋人と踊った『モンキーダンス』を再現するべく、傘下の猿たちに猿武を教えていた(上記の膝カックンやあっち向いてほい等の遊びも実はモンキーダンスの振り付けの一端だったりする)。これがトリコ達の努力により完遂され、猿王は歓喜。そして同時に、(ある人物の尊い犠牲を経て)食寶ペアの捕獲条件も満たすこととなった。
ファン発見だが、バンビーノの封印形態はバンビーナの姿を模したものであり、豪勢な墓所を作り様々な玩具を置くなど、彼の彼女への愛情の深さが垣間見える。普段はボーッとしていたり暇潰しをしているのも、実は彼女への想いに浸っていたり、気を紛らわせるための手段なのかもしれない。あの笑顔の裏には、様々な事情があるのだろうか...。
バンビーナとはイタリア語で「女の子」、バンビーノが「男の子」であり、とくにバンビーナはレストランの名前に使われる事が結構ある。