概要
島袋光年の漫画『トリコ』に登場する、グルメ界に君臨する、八体の獣の王達である。
子供がいても八王子にはならない(拝借表現)。
それぞれが天災を超越する圧倒的な戦闘力を誇り、足跡ですら圧倒的なオーラを数千年に渡って放ち続けるだけでなく、その足跡ができた時の八王の気分によって植生や環境が変化する(例えばヘラクレスが不機嫌な時の足跡は草一本生えず、何も寄り付かない死の大地と化しており、逆に念願の出産を最高潮の出来で行えた場合、吹き荒れる高濃度の酸素も合わさり色とりどりな花や植物が一切に咲き乱れると言った現象が起こる。挙げ句の果てには近付くだけで当時の機嫌をリアルに感じ取れるほど)など、もはや超自然的な存在である感すら漂わせる。それでかつ小動物の様な敏感さで幾度と無く生物の大量絶滅危機を乗り越えてきた適応力こそが真に驚嘆するべき事かもしれない。
八王同士は互いに呼応しており、この手の存在にありがちな仲の悪さは存在せず、一体が他のメンバーを召集できる(この際、世界中から極めて短時間で全員集まる)。長い付き合い故か以心伝心でコンビネーションを瞬時に取れるが、誰か一体が本気で戦う際は、他のメンバーですら危ないので近づかない。ネタバレになるが、死を覚悟した作戦を躊躇せずに行い、自身の一部がネオに食われようと動じない・諦めないなど、「王」に相応しい精神性を持つ。
トリコ世界の地球は、グルメ細胞の影響により「調理」され、周囲22万km、つまり現実の地球の5倍以上にまで巨大化しているが、八王たちは一瞬でグルメ地球を破壊しつくしてしまうポテンシャルを秘めている。
彼らが行動をする時期は「グルメ界の夜」と言われ、地球上の全生物が最高レベルの警戒をし、それはなんとあの節乃が死を覚悟するほど。だが一方でグルメ界の生態系を維持する存在でもあり、ブルーニトロや害獣の暴挙から地球上の生物を守ってきた事もある。アカシアのフルコースとも密接な関係を持つ。
その実力は、子供ながら四天王にも見初められており、四天王の3人が幼体をパートナーにしている。
アカシア曰く、最大級のデビル大蛇の実力は八王に匹敵するという。
現在確認されている中で最強のデビル大蛇(原種)は捕獲レベル5100であり八王には及ばない。もっとも、この個体が最大級か、また最盛期なのか成長途上なのかも不明。
ブルーニトロのアトム曰く「地球から出た灰汁」各々の八王がそれぞれ地球のフルコースを守護、あるいは利用した生態を築いているのは偶然ではないのだろう
各種八王一覧
(「八王」には種族そのものが値するのではなく、更にその中でも突出した個体が認定されるので、以下のリストには種族名または個体名のどちらしか判明していないのも含まれている)
人間界に分布していた種類もいるが、判明している限り、人間界では総じて絶滅している。(その実力的に、淘汰ではなく人間界のものが口に合わない事による飢餓だと思われる)
以下は現行の代のメンバーであり、歴代の八王の序列や種族が同じとは限らない。
鯨王ムーン(げいおうムーン)
(画像はイメージ)
エリア6を支配する。別名:ブラックホールホエール。
名前の由来は、過去に月サイズの隕石を吸い込んだことがあるからなのか見た目のためなのかは不明。
最強の八王であり、捕獲レベルは6600。
ムーンが動きを開始したことで他の八王達も呼応した。
「海の大陸」と称されるエリア6の絶対的な覇者で、「七獣」と呼ばれる七体の捕獲レベル4000代後半の「王」と名付けられた猛獣たちが総出になってようやく生態系のバランスが取れるほど(これらの獣が生き残ってこれたのは、それぞれが鯨王への対策として「裏のチャンネル」への接触が可能だからであり、「裏のチャンネル」がなければ鯨王に殲滅されていた可能性もある)。これらが「裏のチャンネル」に接触可能なのは、アナザがムーンから逃げる際に七獣の身体を利用したからにすぎない。
竜王デロウス(りゅうおうデロウス)
エリア1を支配する。種族名は不明。捕獲レベルは6590。
生涯一度しか生えないたった一本の牙のみでこの世の王となった竜王の末裔。牙は上あごから生えており、ティラコスミルスのごとく下あごは牙の形に合わせて変形している。体躯は西洋のドラゴンに近く、けっこうな複眼で触手のような舌が無数にあるという特徴的な顔つき。
現在の個体はその子孫で、初期には体長350mだったが、グルメ界編で一コマ登場した際は体長4㎞、体重8000万tと、以前より遥かに巨大化&マッチョ化していて、眼光も鋭くなった。どれぐらいかというと、山が掌に収まるほど。ネオの侵略の際には、次郎が先に遭遇して片付けたために未登場。その牙の威力は想像を絶するほどで、牙から作られた包丁ですら軽く山を破壊するほど。大量の舌のそれぞれの先から出した光線を集約し「異次元レーザー」を放つ。この攻撃は、形あるもの全てを破壊するであろう威力であり、そのあまりの破壊力とスピードから、ジョアの「空切り」を無効化し、アカシアinネオにすら有効となる恐るべき攻撃となる。標的を外したら、レーザーは地球を飛び出して進路上の小惑星をどんどん破壊していく。一本の牙のみで戦うんじゃ…とツッコんではいけない(そもそも先祖の話だし)。
攻撃力と破壊力では八王一だとされる。
ゲームなどでは亜種も登場している。
関係するフルコースはセンター。
次回作で近縁種が登場した。
烏王エンペラークロウ(うおうエンペラークロウ)
エリア3を支配する。個体名は不明。捕獲レベルは6000。
別名「空の番長」であり、他の八王もエンペラークロウの定める空の「掟」を侵害しようとはしない。
「烏」王であり「鳥」王ではないが、実質鳥王である。
体長3000m、体重2500万tの極めて巨大な毒烏。尾羽がビル大。羽ばたきは毒風の竜巻を巻き起こし、影に入ったものは思考が抜け落ち為す術もなく消え去る。また、口から小さい太陽のごとき光球または火球を吐く。これにより自身より上にも自分の影を作れる為、火炎弾による攻撃と影の作成による補助の両方に使える模様。
関係するフルコースはアトム。
狼王ギネス(ろうおうギネス)
エリア2を支配する。「大陸の王者」ことバトルウルフの群れの長。捕獲レベルは6550。
祖先は、エリア4の可能性がある「最大の大陸」の支配者で、「魔獣デスゴール」から生態系を守り、逆にデスゴールを絶滅させた。害となる種を意図的に滅してきた点では、四天王のゼブラと似ている。
八王では小型(体高55m、体長100m、体重2万t)だが巨大な狼であり、全ての狼でも最大種。その嗅覚は相手の全ての情報を捉えるだけでなく魂ごと吸い込み(実際には気絶してしまうが意識を引っ張られる)、尿のマーキングで全ての情報を提供できる。また、前足の一撃だけでも宇宙から視認が可能な程に地球を波打たせ、発生した衝撃波は付近の物体を数万kmの彼方まで吹き飛ばす。また、数百kmを一瞬で移動できる。関係するフルコースはGOD。エリア2生息。暴獣・次郎との特殊な関係性がある(ギネス本人が出現するまでは、「次郎がギネスの正体」と考察する声もあった)。当初、八王とされた個体は捕獲レベル6090と記述されていた。しかし、実際にはその個体は2番手であり八王ではなかった。
鹿王スカイディア(かおうスカイディア)
エリア5を支配する。個体名は不明。捕獲レベルは6450。
読み方が「かおう」なのか「ろくおう」なのかはっきりしないが、「ろくおう~」という地名などは実際に結構ある。
背に広大な森を生やす程巨大な鹿で、全長60000m、全高10000m、体重8兆t。
文字通り山脈かそれ以上の偉容を誇る(全体像はこんな感じ)。
角にも樹木が生えている。背中の森は、捕獲レベルが平均4000を越えるグルメ界屈指の猛獣の棲息地。多脚型で、全身が見えないほど胴体が長く、まるでシシ神様とデイダラボッチを足して二で割ったごとき姿をしている。そのかわり、普通の鹿よりも脚は短い。だが、海も楽々と移動する。
八王で最も温厚で、普段は戦闘は背中の住民が代行する。だが怒るとヤバイ存在で、怒らせたが最期、対象は不可思議な空間に送られて何億年も経過したように朽ち果てる。その正体は、超絶なまでに圧縮された裏のチャンネルで、しかも「逆」、つまり体感1秒間で1000年の時が進行する恐るべき代物で、普通の生物ならコンマ0.001秒に満たない一瞬で朽ち果てる。しかもそこに、自身の背中に住む地球屈指の強靭な猛獣(捕獲レベル5000前後)を別のチャンネル(通常の裏チャンネル)に内包して送り込み、足止めさせる。
目から雷撃のような攻撃を発射することも可能。
関係するフルコースはニュース。
蛇王マザースネーク(じゃおうマザースネーク)
エリア4を支配する、おそらくは地球最大の生物。個体名は不明。捕獲レベルは6310。
「全ての蛇の母」と呼ばれる、トリコ世界の地球を超える22万km以上の全長、体高2500m、1.5京tの体重を持つ蛇。動くだけで天変地異を引き起こしそうなピンクの図体をしている(「母」だからピンクなのかもしれない)。
流星に例えられる程の桁違いのスピードと胃酸の強さを持ち、その頭を見たものは宇宙にいようと喰われる。また、呑み込まれた者は命が消化される感覚をたっぷりゆっくりと味わえる。しかも、その胃液はなぜか、とかされた者が自らの死への行程を感じないほどに気持ち良いらしい。数千年前に鯨王ムーンと戦った際にできた、超強大で半永久的に持続する予測不能な竜巻「マザートルネード」が未だに猛威を振るうエリアがある。
八王の同時攻撃では舌をマジックハンドのごとく発射していたが、つまりは他の八王の必殺技が重なっても平気な舌をしており、つまりは外皮はそれ以上に硬いのだろう。
関係するフルコースはアース。
サニーのパートナーのクインが有名。子供でも体長20kmはある。
馬王ヘラクレス(ばおうヘラクレス)
エリア8を支配する。種族は幻獣ヘラク。捕獲レベルは6200。
超巨大な体躯の馬。一呼吸で一年を生きる大気食の馬で、エリア8が雨の大陸と呼ばれる所以。
その呼吸はそれだけで武器になり、吸気は浅いものでも周囲一帯を真空にするほどで、呼気は地球をぶち抜き宇宙に飛び出るほど、万が一呼気が地球の中心目掛けて放たれた場合地球がヤバい可能性が示唆されている。
関係するフルコースはエア。
これが円熟し地に落ちて膨大な大気が噴き出たとき、ヘラクレスは深く呼吸し、その時得るエネルギーで子を産む。その為出産のタイミングで空気が足りない(旧来の方法でエアを収穫すると空気が半分も出ない)と小柄で斑模様の未熟児が生まれてしまう、これが妖食界にいる幻獣ヘラクである。
猿王バンビーナ(えんおうバンビーナ)
エリア7を支配する。本名は「バンビーノ」だが、とある理由でバンビーナとしている。
捕獲レベルは6000(拘束状態)。年齢は少なくとも500歳以上。
種族名は、あの有名な妖怪に匹敵するレベルの危うさ。
八王では最も小型(身長1.5m、体重25t)で、普段は成人男性程度の猿。身体能力は軽いジャンプで上空五十キロメートルに達する程で、単なる遊びでも並大抵の生物を抹殺し得る。石切り感覚で山を投げ飛ばし(尻尾の一振りで根本から切断して持ち上げる)、その山が削られながら地球一周して帰ってきた石を額に当てて喜んだり、遊び(あっち向いてほい)で振るった指の風圧で四天王の首が数十回ねじ切れ、膝カックンで膝が消滅、くしゃみで地形がぐしゃぐしゃになり、たまげた事に、屁または大便が大質量の物質というか一応生物になる(しかも、捕獲レベル1500)。
普段の姿は毛皮で自身を拘束している状態のモノで、興が乗ったときや、怒ったとき等、本気を出すときは毛皮が弾け飛び、ムササビの飛膜のようなモノが生えたツルツルの見た目の猿になり、
こうなると尻尾の一振りで生じる衝撃波が宇宙まで飛び出て人工衛星を切断する程のものとなる。
関係するフルコースはペア。
その正体は男の象徴、即ち猿王のキンタマである。
八王のその後(ネタバレ注意)
ネオとの最終決戦の後、ネオに敗北したことを機に八王全員が引退に追い込まれることとなる、ネオとの戦いで再起不能な傷を負った、という訳ではなく一度でも敗北を知った王は王ではないという自然界の掟ゆえである。
これによりグルメ界は新たな八王を決める為の群雄割拠の時代を迎えることとなる。尚この戦いのためにトリコのパートナーであるテリーはトリコの元を離れ、群れに帰り参戦することとなる。他にも人間界の猛獣たちも参戦しており、特に次期八王候補として注目されているのが、なんとあのトロルコング、デビル大蛇、リーガルマンモスであり、トリコ曰く「立派に強くなっている」らしい。後者二種はともかくトロルコングの長であるシルバーバックは高過ぎる知性が災いして勝てない相手と戦わない臆病な性質なのだが、まだ黒毛とはいえトロルコングが八王になって大丈夫なのだろうか
さらに、宇宙には捕獲レベル数十万のクラスがいることが判明、例えば、スペースタイパンは捕獲レベル53万、体長8000万km、食べ物は星、食事のスパンは1000年と、八王以上に桁外れで最強レベルになっている(ただし宇宙というグルメ界以上にめちゃくちゃな環境も計上されている事を忘れては行けない)。マザースネークとの関係性は不明。
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鳳仙 - 称号の発音が同じ系統で、同じジャンプ系作品の作中最強キャラクターの一角である。