プロフィール
概要
悪の組織「美食會」のボス。
世界中の食材を我が物にするため、伝説の食材「GOD」を狙っている。
生まれついての天性の捕食者であり、グルメ細胞を持って生まれた。
グルメ界の「地球の果て」という場所に本拠地を構えており、その場所を知り、そこに辿りつける者は幹部の中でもごく少数しかいない。
節乃から「暴食バカ」と呼ばれるほどの食欲を持ち、グルメ日食の接近に伴うGODの活動を察してか、更に食欲が増しているという。
役に立たない部下を殺害する冷酷な性格で、どこか虚無的な影を帯びており、アルファロから献上されたセンチュリースープをもってしても笑顔を見せることはなかったが、逆に敵であってもトリコや小松と言った意志がしっかりしている者には寛容な態度で接するところもある。
また作中にて「今の美食會のボスがGODを狙っている」という証言が出ている等、彼より前に組織のボスであった者がいた若しくは三虎が後継者であるかのように聞こえるが、公式ファンブック29,5巻のグルメ時代年表によるとGA(グルメエイジ)45年に三虎が美食會を発足した事が判明している。
過去
500年程前のグルメ戦争の時代に生まれ、本来なら生まれてすぐに家畜の餌として喰い殺される筈だった。
しかし、赤ん坊でありながら凶暴な赤毛ブタに食われることなく、逆に赤毛ブタの乳を食料にして生き延びるほどのその姿に天性の捕食者としての素質を見出され、異質の存在として恐れられ迫害される。
幼い頃の記憶は「殺されかけたこと」と「気を失いそうになる程の空腹」の二つだけで、時には樹をかじり砂を食べた。
そういった生い立ちから「食材は与えられるものでなく、奪い取るもの」といった考えが深く根付いている。
とはいえ当時はグルメ戦争時代、食糧を奪おうにも当の食糧自体が無いという時代(というよりそれが戦争の原因)であり、彼でさえ無いものは奪えなかった。
そうして空腹が限界に達してれたところをフローゼに拾われ、アカシアに「三虎」という名を授かった。
その様な経歴を経て、アカシアの三番弟子となる。
それ以降は父母同然の存在であるアカシアとフローゼ、一龍と次郎という頼れる兄弟子達に囲まれ、宝石の様に輝く充実した幸せな日々を送っていたが、飢えた民衆へ食事を施す際に高級食材ばかりを求め、フローゼが丹精込めて作った弁当を地面に叩きつける民をみて激憤するなど、心の奥底にヘドロの様に残る黒い感情だけはどうしても消える事がなかった。
フローゼに拾われてから10年経ったある日、グルメ日食が近付いてくると同時に「ブルーニトロ」なる生物にアカシアと共に何処へと去って行き、帰ってきた時には「GOD」を調理した影響でフローゼは酷く衰弱していた。
フローゼの弁当を無下にした人々に「あんな奴等のために」と怒りながら、「フローゼが皆のために動くなら俺はフローゼのためだけに動く」と、フローゼを助けるためグルメ細胞を活性化させる再生の水「療水」を取ってくるも、その際に瀕死の重傷を負った自分を救うため衰弱した体で調理を行ったせいで、結果的にフローゼは命を落としてしまう。
なお最終決戦にてアカシアは三虎が余計なことをしなければフローゼは死ななかった事を言及しているが、彼女ほどの料理人が自分の残り体力を見誤る筈もなく、アカシアの野望を止めようと自ら命を絶ったのではと聞き返されている。
ただし真意の方は不明。
2人の功績によってもたらされた平和を喜ぶ人々の姿も、彼の目には愚かな争いの末にフローゼを死に追いやった憎き仇としか映らなかった。
憎しみを胸に抱え、悲しみに暮れながらフローゼの墓に療水を撒き続ける毎日を過ごしていたが、そんな状況下で自身の腹が鳴る音を聞き「こんなに悲しいのに、腹は減るのか」と自身の空腹にたまらなく怒りが込み上げた。
それ以後「フローゼの分までこの世の全ての食物を喰らい尽くす」という歪んだ思考に捕らわれるようになり、世界中の食料を独占すべくGODを手中に収めるため、美食會を組織しそのボスとして君臨する。
総じて彼が歪んてしまったのはフローゼが亡くなったからであり、根からの極悪人ではなく、戦争と貧困によって狂ってしまった哀しき悪役であるのは間違い無いだろう。
能力
「万物はすべて餌」と豪語し、長く太く伸びた強靭な舌であらゆるものを一瞬で喰らい尽くしてしまう。
この舌は物質だけではなく大気まで飲み込んでおり、真空となったその軌道上には見えない王食晩餐「ハングリースペース」が発生。
軌道上に触れた獲物を一瞬で食い漁るうえに一度触れた獲物の味を覚え、今度は自ら襲いかかる。
この真空空間はあらゆる原子を食い散らかして排除しているため、少数派も多数派も存在せず一龍の「マイノリティワールド」でも防ぐことは出来ない。
それ以外にも優れた「ミラーニューロン(ものまね細胞)」によって人の技をすぐに習得することができる。
これにより、カメレオンのように自分の体色を周囲の光景と同化させて、透明化することができたり、一龍の「マイノリティワールド」を一龍との戦闘中に習得することが出来た。
三虎が「技を真似るのが上手い」と評されたのはこのミラーニューロンによるところが大きい。
技
- ハングリートング
舌を長く伸ばし、あらゆる物質を原子ごと食らう。
- 茨の舌
棘のついた異形の舌を無数に生やし、攻撃する技。
- トングシールド
舌を回転させて敵の攻撃を防ぐガード技。
- マウンテントング
その名の通り山のように巨大な舌で攻撃する。
- マシンガントング
無数の舌を遠距離から飛ばして攻撃する。
一龍の体に無数の風穴をあける程。
- メテオバースト
口から強力な衝撃波を放つ。
アカシアを宇宙空間まで吹き飛ばす程の威力を持つ。
- ハングリーブロー
渾身の力で殴りつける。
つまりただの打撃..。
- ハングリーボム
口から気弾を放ち攻撃する。
- ハングリーウィップ
巨大な舌を宇宙まで伸ばし、ムチのように一気に振り下ろす。
- 食運(グルメラック)
ミラーニューロンによりコピーしたジョアの技。
グルメ細胞の悪魔
【私は生まれつきグルメ細胞と言う凶悪な悪魔の食欲の奴隷なのさ】
三虎に生まれつき宿っていた白色の魔人のような悪魔。
トリコの見立てによると細胞の色は青。
彼を支配している食欲そのものと言える存在であり利己的なのか頻繁に顔を出したがる。
- メテオスパイス
グルメ細胞が放つ悪魔的な破壊力を持つスパイスの流星群。
彼の人間への憎悪が具現化した物であり、人間界全土を絶え間なく破壊し尽くした。
一龍の防御網により死者は最小限に留まったが100国の国が主要機関を失ったことにより崩壊を迎えた。
さらにそれだけに収まらず強力な除草剤のように土地を枯渇させる成分を含んでいた為、大地は荒れ果て人類はかつて無いほどの食糧難に見舞われた。
アニメでは土地を枯渇させる効果は無かったため、フェスから3ヶ月後には復興が軌道に乗り始めている。
- メテオレーザー
グルメ細胞の悪魔から放つ砲撃。
地球を握り潰そうとしていたアカシアの手を破壊した。
- グルメスパイス
グルメ細胞の悪魔の技。
全エネルギーを旨味に変えて放出し、傷を負った地球を再生させた。
活躍
美食會のボスとして序盤から存在は示唆されており、グルメカジノ編の後日談にて一龍がアジトに来訪した際初めて顔を見せた。
一龍の和解の提案を蹴り、戦いが避けられないことをお互いに確認。
そしてグルメ界・エリア8のはぐれ島にてついに激突。
マイノリティワールドをはじめとした技に窮地に陥るが、ハングリースペースの反撃やマイノリティワールドへの驚異的な対応力で逆転。
勝利を収めメテオスパイスを人間界に放つ。
一龍から倒すべき真の敵を告げられている途中、乱入してきたブルーニトロのエアに一龍を殺害され、彼を追い払った後一龍を食没の岬に埋葬した。
その後アジトに戻るとスタージュン達が捕らえた料理人に対し食事を要求。
唯一小松が応え、彼の料理に衝撃を受け初めて腹の底から笑った。
アニメでは一龍が死亡せず、彼を人間界のIGO本部に帰し小松の提案で再び兄弟子と共に食卓を囲む。
大笑いこそしなかったものの、小松の料理を「美味かったぞ」と評し、NEOと決着をつけるためにグルメ界へと帰っていった。
グルメ界編では、かつてアジトに訪れたトリコとの約束であるアカシアのフルコースを待っていた。
ブランチを通じて渡されたペアの効能からジョアの正体を突き止め、NEOのアジトにアルファロと共に襲撃。
ジョアとの対決は陸海に場所を変え、全てにおいて彼を凌駕するも食運とフローゼの顔を使った不意打ちにより金の缶詰の中に封印されてしまう。
だがミラーニューロンにより食運までをもコピーした三虎は自力で金の缶詰から脱出。
アカシア達との最終決戦に臨む。
最終決戦では前戦での予告通り自身のフルコースを教え、ジョアを完膚なきまでに叩きのめし圧勝し、その後トリコとスタージュンと共にアカシアとの最終決戦に臨み、八王すらまとめて圧倒できるネオを吸収したアカシアと互角以上に戦い、最終決戦後はゾンゲの食運をコピーし、罪滅ぼしのためグルメスパイスでボロボロになった地球を再生させ絶命。
当初は墓は要らないと言っていたが、トリコの説得とそれによる本人の希望により、家族と過ごした思い出の地に建てられた。
一龍と次郎は食没の岬に弔われたが、三虎は「また喧嘩しそうだから同じ墓に入るのは御免」と断った。
食霊の状態でトリコと鈴の結婚式ではクライマックスにようやく参加するも、かつての過ちの負い目からアカシアやフローゼ、兄弟子達の食卓に入ろうとせず遠くから眺めていたがフローゼの変わらない笑顔に諭され、泣きながら少年の姿に戻り、家族の食卓に戻っていった。
おいで三虎 いっしょに食べよ!
うん
フルコースメニュー
この先ネタバレ注意!
フローゼとの…"出会い"…それが私のフルコースの"前菜"だ…全てはあれから始まった…
フローゼの……"施し"ーーー…それがフルコースの"スープ"…最初に食べたスープの味は…死んだって忘れないだろう…
"魚料理"は…初めての家族の"ぬくもり"…
フルコース"肉料理"は……今でも私の額に残るその感触…おやすみの…"キス"……
私のフルコース"メイン"は…いつも…いつだって…私にやさしくほほえんでくれた…フローゼの"笑い顔"…それが私のメインディッシュ
そしてどんな時も…こんな私の味方をしてくれた…決して忘れない…フローゼの"励まし"…それが私のフルコースの"サラダ"…
こんな愚か者の私を…常に真っすぐ導いてくれた…フローゼの"教え"…それが私の"デザート"…
私のフルコース…それらすべてが揃うことは…もう永遠にないだろう…なぜなら"家族での食事"という…狂おしい程に純粋な…フローゼの"夢"そのものが…私のフルコースのラスト…"ドリンク"だからな…
オードブル(前菜) | フローゼとの出会い |
---|---|
スープ | フローゼの施し |
魚料理 | 初めての家族のぬくもり |
肉料理 | おやすみのキス |
主菜(メイン) | フローゼの笑い顔 |
サラダ | フローゼの励まし |
デザート | フローゼの教え |
ドリンク | フローゼの夢(家族での食卓) |
何を食べるかではなく、誰と食べるかを重視した特異なフルコースではあるが、これもまた食の楽しみである。
しかしまあ、その…
ジョア「マザコンがぁあ!!!」
なお、395話での描写とトリコの台詞からして、彼の墓に備えられた食材が「何を食べるか」という意味でのフルコースと思われる。
ゲーム版での役割
『グルメガバトル!』ではプレイアブルキャラとして登場。
移動性能は最低クラスだが他のステータスが高水準。
小松と美食會メンバー以外のパートナーとは全員相性が悪い。
続く『アルティメットサバイバル』でもプレイアブル化。
彼のみ釣りができない。
関連タグ
マザコン…上記のフルコースメニューで定着。