ビブリア古書堂の事件手帖
びぶりあこしょどうのじけんてちょう
概要
古本屋「ビブリア古書堂」の店主、篠川栞子(古書に関しては並外れた知識を持つが、極度の人見知り)が、客が持ち込む古書に纏わる謎を解いていく物語。
メディアワークス文庫を代表する作品の一つで、同レーベルでは初のミリオンセラーを達成、2012年には本屋大賞にノミネートされている。シリーズの累計発行部数は700万部を突破。2017年2月に最終巻が発売され、全7巻で物語は完結した。
その後、前7巻を第1シリーズ「栞子編」、以降を第2シリーズ「扉子編」とした新シリーズ第1巻(通産8巻目)が2018年9月に刊行開始。2024年3月末現在、既刊4巻(通算13巻)が刊行されている。
他メディア展開としてナカノ作画版が全6巻、交田稜作画による漫画版がアフタヌーンより刊行。全3巻。角川つばさ文庫より2021年1月現在、既刊3巻が刊行した。
登場人物
本作の語り手。23歳の男性。
小学生の頃の些細ないたずらが原因で、活字を見ると体調が悪くなる「活字恐怖症」とでもいうべき症状があり、読書とは縁遠い人生を送ってきた。しかし本人は、本に対して憧れに近い感情を抱いている。
内定していた会社が倒産し、大学卒業後も無職の状態が続いていた。祖母が遺した『漱石全集』を査定してもらうために「ビブリア古書堂」を訪れ、そこで栞子に祖母の秘密を解いてもらった縁で、アルバイトとして就職する。
体格が大柄で、大学時代には柔道を習っていた。
北鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」の女店主。年齢は20代後半。
長い黒髪に透き通るような肌をした美人。近眼で、普段は眼鏡を着用している。小柄で身体は細いが、服の上からでも分かる巨乳。
本の話以外では他人と目を合わせることもできない、内向的な性格。しかし、古書の知識は並大抵のものではない。普段はたどたどしい喋り方をするが、本が絡む話になると別人のようにキビキビとした喋り方になり、相手に構わずその知識を語り続ける。
漫画版
出版社が異なる2種類のコミカライズが連載された。
ナカノ作画版:アルティマエース(2012年)Vol.3〜7号→月刊Asuka2013年2月号〜2014年9月号(角川書店→KADOKAWA):全6巻
交田稜作画版:good!アフタヌーン2012年通巻23号〜2013年通巻35号(講談社):全3巻
両方共原作のストーリーに忠実であるが進行速度や絵柄が異なる。
テレビドラマ
2013年1月から3月までフジテレビにてドラマ化、月9枠で放映された。
キャッチコピーは「事件を解く鍵は、名作の中に――」。
同枠初のライトノベル原作ドラマ。
第1巻から第4巻をベースとしているものの、脚本を担当した相沢友子(後のセクシー田中さん原作改変当事者)による原作改変が行われたことにより原作との変更点が多く、特に栞子役については原作のイメージに合わないという声が上がり、声優の池澤春菜がTwitter上で困惑を示す(当該ツイートは削除済)など、開始前から原作小説ファンを中心に困惑と批判の声が相次いだほか、当時暗黒時代に突入しつつあったフジテレビの格好のネタにされる。
初回視聴率は同時期開始連続ドラマの中では第2位となったが、最終話は当時の月9枠最低視聴率を記録、平均視聴率は同枠内でワースト2位という結果になった。
幻のアニメ映画版
2017年実写映画と同時にアニメ映画の製作も発表されたものの、それっきり音沙汰無く、現在に至っている。