「寒ぃよ… ハワイならあったけぇと思ったのによぉ…」
「桐生一馬の首… ヤクザにとって これ以上の勲章はねぇ…」
CV:子安武人
概要
『龍が如く8』に登場するハワイ・ホノルルシティを拠点とするギャングチーム「山井一派」の頭目で、エリック・トミザワの上司。
かつては東城会直系「田端組」の組員だったが、本編より約30年前、田端組長の女に横恋慕した挙句、親殺しの罪を背負い絶縁、国外逃亡の末、ハワイに流れ着いた。
人物
常夏のハワイでもコートを着込むほどの寒がりで、戦闘ではバールを使用する。
また、かつて極道社会で名を轟かせていた桐生一馬に憧れを持っており、ある時点まで凄まじい執着を見せる。
トミザワに対する扱い等から第一印象は悪いが、そんな表だった性格とは裏腹に、組織や地域の人間からは人望があり、トミザワが手を出そうとした際にはホステス(侍らせている面子を見るに熟女趣味な模様)が「山井に手を出したら容赦しない」と庇われたり、ハワイを出ようとした際、子分達が大声で「ワシら親父が帰って戻ってくるのを待ってます!」と涙を流して送り出すなど、組員やホステスに好かれている等、カリスマ的な一面も持っており、本人も「戻ってくるまで死ぬなよ」と返すなど、ところどころにお人好しな態度が見え隠れしている好漢である。
ただし嫌いな相手への嫌がらせには採算や因縁を度外視して全力を出すタイプであるため、割と性格が悪いところも見せる。
あと実はそもそももうヤクザではない、そのため「山井一派」であり「山井組」ではないのだが、組員が勝手に山井を「親父」と呼び、自分を「組員」と名乗っているだけである。
当初はいちいち訂正していたが、一向に親父呼びを辞めないため面倒臭くなり、最近は放置しているらしい。
経歴
田端組在籍時、組長の妻・田端唯に惚れていたが、彼女は若頭とも密会を重ねていた。
ある時、唯から若頭との関係を伏せる為、正当防衛に見せ掛けて旦那である組長の殺害を依頼され、万に一つ唯の気を引けるかもしれないと言う一抹の希望を持ってその依頼を受諾。
計画通りに事は進んだが、組長殺害直後に唯が裏切り、組長を殺害した挙句に自分を襲おうとしたと主張し、山井は逃亡することとなる。
逃走を図る中で唯の事が気掛かりになり密かに様子を見に行くと、人目もはばからずに若頭と仲睦ましくしている姿を見掛けてしまい意気消沈。
その事がきっかけで「寒気」が止まらなくなり(終始コートを羽織っているのはこれが原因)、その後は田端組と警察の追っ手から逃れる形でハワイへと国外逃亡し、地元の日系人と共に山井一派を結成し現在に至る。
劇中の活躍
タクシー強盗に失敗し警察に車を押収されたトミザワにケジメを取らせるため、下手を打った原因である春日一番と三田村英二の下に部下数人を引き連れて襲撃するが、返り討ちに遭う。
その後、岸田茜の身柄確保を目的に彼女の自宅へ向かったところで春日と再会するが、春日・桐生の言葉を受けたトミザワに裏切られ、部下をけしかけるも逃走される。
この時、名を明かしていない桐生を一目見ただけで「堂島の龍」であると感づいていた。
そして、春日たちが茜を捜索している最中にまたも襲撃し撃退されるが、自身の予想を下回る程桐生に勢いがなく、本当に桐生本人なのか真意が揺らぐほどの違和感を覚えた。
その後、春日たちが中華系マフィア「ガンジョー」の総帥ウォン・トーとの激戦とスパイ潜入により混乱してる中、それに乗じて組織を潰そうとウォンを探してる最中、春日らが潜伏している森を焼き討ちして炙り出して再び戦闘するが一瞬の隙に逃げられた。しかし春日たちの身代わりとなって吐血し身動きが取れなくなった桐生を人質にした。
桐生奪還を目論む春日たちが山井のアジトを訪れ、応戦するもまたも撃退された。
しかし、桐生は自身が田端組構成員だった頃の憧れの存在であったことから、手厚く看護し療養させていた(それを知った春日は山井のことを「自分から貧乏くじを引きにいく男」と称していた)。
その後、茜を捜索する中でナイトスクエアに足を踏み入れたガンジョー・バラクーダ構成員達に対し「シマを荒らされた」と、自身の部下や春日たちの協力もあり共に撃退。
春日から茜捜索の協力を求められ、一度は拒否したが、「我を通すなら力づくで」の方針に則り、春日達と6度目となる対戦に挑むも完膚なきまでに敗北。そこで初めて「負け」を認め、春日達に協力することを約束する。
山井一派はバラクーダやガンジョーほどの勢力は無く格下に見られることから、ハワイの裏社会が血眼になって探す茜を先に見つけることで確たる地位を築くきっかけにするのが目的であり、何故茜を狙うのか真意を知らずに探していたことを告げる。
その後は直接、春日たちや敵対組織と対峙することはないが、茜を擁護したり、大道寺一派のセーフハウスへの送迎など、常に春日たちの行動をサポートする立場になった。
特にパレカナ信者による包囲網で日本帰国の術を無くしていた春日たちに手を差し伸べ、国際指名手配されていた自身の立場を利用し、自ら警視庁に伊達を引き渡し役にすることと、同行者を伴うことを条件に帰国と自首を連絡。
それらが受け入れられ、警視庁・海上保安庁の助力により、春日達と共に30年ぶりに日本に帰国した。
また、その時に初めて「田端を殺したのは自分だ」と自らの口で話した。
帰国後、伊達真に身柄を確保されて警視庁に連行されようという瞬間に突如逃亡。それは自身の逃亡のきっかけとなった、田端唯に会うためだった。
トミザワと春日は山井に対する恩義から、幇助の疑いを掛けられるかもしれないという立場を理解した上で山井を捜索し、唯が入院している病院で身柄を確保。
上記の因縁を語った後、「本当は報復するつもりだった」事を白状したが、その時間は充分にあったはずなのに指一本触れて居なかった。
その理由は、唯が50代にしてアルツハイマーを患っており、山井どころか自分のことすら殆ど覚えていなかったため。
結局、燻っていた復讐心よりも憐れみや虚しさが勝ち「(田端唯という女は他ならない自己の忘却という形で死に、今目の前にいるのは田端唯であった女性でしかないということで)自分の恨んだ相手には既に勝ち逃げされていた」と吐露。夜中に目覚めた事もあり、寒がる唯に自身がずっと羽織っていたコートを渡し、彼女から「あったかい。ありがとうねえ」と30年前は聞くことができなかった感謝の言葉を受けた。心配する春日たちに「もう寒くねぇ」と返して病室を後にし、自らの足で警察に出頭した。
春日からはただのチンピラではなく、筋の通った本物の極道だと評され、前述通り手下たちやナイトスクエアの住民からは厚い信頼を得る存在でもあった。
一方で、バラクーダやガンジョー程の勢力は無く常に新参者扱いされ、ウォン曰く「オーナーにとっては小者過ぎる」故、オーナーことブライス・フェアチャイルドからも目を掛けられるほどの存在では無かった。
しかし裏を返せば、その事でブライス傘下に下ることはなく春日たちと行動を共にすることが出来たとも言えるが、自身の部下にブライス(の名を受けたドワイト)の甘言に載ったスパイ(山井のシマをそのまま自身の部下として使わせるというモノ)が紛れ込んでおり、茜を擁護していたことで不利な状況に春日に連絡するが、信頼できる仲間たちと共に守り抜いた。
余談
- 演者の子安氏は、『極2』の真島編に登場する飯渕圭を演じたことがある。なお、前例からか、公式から山井と飯渕は別人であることを明言されている。
- ファンからは、春日版の真島吾朗だとか、本作のヒロインだとか、いい意味でいろいろ言われてしまっている。実際、セガ社内でも真島吾朗を超える人気になる予測がなされていたようである。
- 作中では彼と5回戦うことになるのだが、「龍が如くシリーズ作品で1作品内に戦う回数」では『0』の久瀬大作とトップタイとなった。
(茜の家での戦闘は7外伝内スペシャル体験版限定であるため、「6回」は誤りである)