概要
エレオス大陸の四大国家の一つであり、大陸の南西に位置する。
目覚めた主人公がリトスの次に訪れる王国。
緑あふれる大地を領有しており、平和と共生を提唱する博愛主義国家。現在の国王は女王イヴ。
聖地リトスともつながりが深いようで、神竜信仰が篤く、王族が度々ソラネルに出入りしているほど。
『慈愛の王女の指輪』を託されている。また、公には隠されていたが『暁の巫女の指輪』も秘密裏に保持している。
千年前の戦争当時のフィレネには『聖王女の指輪』が力を貸していたそうで、序章のムービーではアルフレッドとシンクロしている。
フィレネ所属の人物はブランド名から付けられている。
国柄を反映してか温厚な気質の人物が多く、皆が緑色系の目という共通点もある(普段は糸目のルイも開眼すると黄緑色の瞳を覗かせる)。王族以外にも貴族が多いのも特徴。
平和と共生を謳うものの、加入するユニット達は条件を満たすと「力が上昇する、または敵に与えるダメージが増加」といった攻撃力に関わる個人スキルを持つユニットが多め。(セリーヌ等該当しないユニットも一応いるが、セリーヌは育成すると魔法職の割には力が成長しやすい等関連性が低いとは言えない)
所属キャラクター
王族
王城兵
その他
国の特色
「春」の季節が長い気候の国(ソルムは「夏」、ブロディアは「秋」、イルシオンは「冬」)。各地には広大な緑や花畑が広がっていて有名な観光地も複数有している。花と紅茶の産出国でも知られており、中でも本土から離れた島にある「茶畑の里」で取れる茶葉は世界に誇れるものとされる(紅茶そのものは他の四大国でも生産されており、固有の茶葉も存在する模様)。また、本当に仲の良い友人同士がその親愛の証に花冠を手作りして贈り合う風習がある。
エレオス四大国家の中でも神竜信仰が特に盛んな設定を持ち、上記の所属人物は共通して「神竜聖書」を贈られると支援値が二段階上がる。王族は離宮ソラネルを訪れる習わしがあるためアルフレッドもセリーヌも目覚める前の主人公に会っており、フィレネ王城は神竜王ルミエルが竜形態のまま出入りができるように天井が高い造りになっている。
ソラネルでこの国が担当するアクティビティは「筋肉体操」。平民は牧歌的、貴族は優雅な印象でありながら筋肉推しな文化でもあり、お茶会の席でも鉛が仕込まれていて砲丸のような重さだという「筋肉鍛錬用ティーカップ」なんてものが一部の筋肉愛好家の御用達になっていたりする。また、王城ではスクワットに勤しむ一般兵士を見かけることも。
国民全体が争いを好まず、牧歌的な生活を好む気質。フィレネの民と呼ばれる平民たちの間では農業や畜産業が盛んであり(今作ではオレンジやトマトといったいくつかの食材がこの国の名産品という設定になっている)、やせた土地が多い他国とは異なり蓄えの心配が不要なほどに豊かな土地が多い。
しかしこのことを隣国ソルムの第一王子フォガートからは「自国だけで全てが完結している」、そして民たちが「冒険に出る気質ではない」ことから他国の人間と関わりを持ちたがらない「閉じた世界」とも分析されている。また、反対側の隣国ブロディアとの国境に近い地域には盗賊団のアジトや賊被害によって滅びた廃村が存在しており、賊への対策が課題となっている国でもある。
平和と共生を提唱するこの国は本編開始前から数百年間戦争が起きていないという歴史背景を持っている(尤もこの記録は邪竜復活を目論むイルシオンのエレオス大陸全土に及ぶ襲撃によって途絶えることになる)が他国同様に王城兵や正規軍(フィレネ兵)を配備していることに加え、神竜軍に対して「火炎砲台」を搭載した性能の高い軍船を貸し与える場面があることから、争いを好まない気質ながら国の防衛のために有している武力については侮れないものがある。なお、フィレネ兵とはフィレネ城で発生することがある「訓練」(HP0になってもロストにならない遭遇戦)で手合わせすることも可能なほか、兵種紹介でモブが出る場合はフィレネ兵が担当することが多い。
地域・建物
- フルルの風車村
一面が緑と花畑の田園風景に、地名にもなっている風車がいくつも並ぶ村。花や作物だけでなく村中に放牧されているエレモフヒツジから羊毛も生産しており、小舟で生産物を運搬する水路も存在し産業における要地となっている。それ故か村に似つかわしくない防衛用の砦も複数設置されており、異形兵との戦闘ではこの砦地形の活用が鍵となる。
- フィレネ王城
フランスのモン・サン=ミシェルを思わせる景観を持つ、水上に浮かぶ城下町の頂にそびえ立つ城。フルルの風車村の背景でも確認できる地理関係で、風向き次第で村の花の香りがこの王城まで直接届くこともある。マップとしては破壊可能な大扉や回避地形になる柱が特徴。
- 峠の集落
国境に面し、気候や足場が他の地域よりもブロディアに近い村の跡地。暁の巫女の指輪を安置している「古びた祠」までの道のりとして立ち寄るが、その時点で賊の手に落ちており家屋は荒れ果て村人の消息も経たれた廃村となってしまっている。
- フルルの港
「フルルの風車村」と隣り合っている港町。同じく花畑と風車を有する美しい村だったが、作中で戦火に包まれ住民は別地域への避難を余儀なくされる被災地となってしまう。
- 茶畑の里
本土の西沖に浮かぶ孤島にある村でジャンの故郷。海で隔たれた文化圏のためか住民全てが関西弁風に訛った話し方をする。医者の診療所と茶葉の工房を構える農村で薬や茶葉を生産しており、この地域の茶葉は疲労回復にも効き目がある代物で、お忍びで王女様が来ていると噂もあるほどに評価が高い。
- 盗賊団のアジト
「峠の集落」の西側にある、女盗賊頭ミタン率いる辺境の盗賊団の根城。石畳の建物の内部は町の人々からの盗品がため込まれた宝物庫になっており、討伐に向かった神竜軍と時同じくして謎のコソドロが忍び込んでいる。
- その他の地域
「清流の町」(ブシュロンの出身地)、「花畑の町」(エーティエの出身地))、「葡萄の村」(ルイの出身地))などの地名が確認できる。クロエの出身地は「海に程遠い町」とあり、正式な地名が不明。
邪竜の章
本編とは異なり、好戦的で気性が荒い気質になっている。
王城の外には水路で入り組んだ「華麗な花園」があり、この世界のフィレネ王が好む血のように赤い花が多く植えられている。
本編世界同様神竜との繋がりが深かったようだが、邪竜嫌いだったらしく、神竜が保護していた邪竜の御子エル・イルとは距離があった。
かつては同じく豊かな資源ある土地を持っていたようだが、この世界の神竜を失ってからは実りや花を徐々に失い産業は崩壊の兆しを見せているという危機的状況に陥っている。
こちらの世界で保有する腕輪は熱き猛将の腕輪。
コミカライズ
フィレネ王城付近の城下町や「古びた祠」の内部の様子が描かれた。
城下町では果物や花などの生産物で山盛りになった市場が並び、祠には指輪を守るため至る所に罠が敷かれている。
フィレネの議会ではまず心を落ち着かせる目的で、始まる前に皆でお茶をする習慣があるとのこと。
また、単行本のおまけページにて「王子たちの影響でフィレネ王国軍は建国史稀に見る練度と意欲の高さ」「フィレネの臣下は家柄重視(人間関係も加味)」「平和を守ってきたことで土も水も質が良く、茶葉が超良質」といった設定が明らかにされている。