概要
『わんだふるぷりきゅあ!』に登場する兎山悟と犬飼いろはのNLカップリングである。
オープニングでは悟といろはが二人で楽しそうに話している所にこむぎがやや不満げな表情をした後、笑顔になって二人の間に割り入るシーンがある。
そして、第1話では早速いろはが悟と同じクラスになりたいと打ち明かし、悟がそれを聞いて顔を赤らめる描写が描かれている為、悟がいろはに片想いをしているのではないかと言われていたが、第4話放送後の公式サイトのキャラクター紹介で「いろはに恋心を持っている」と明言された。
しかし、当の本人は悟の想いには全く気付いておらず、「幼馴染で友達」としか思っていない上、
悟本人の不器用さ(とこむぎの妨害)が災いし、その恋は長らく成就していなかった。
なお、クラスの女子の間では公然の秘密となっている様子がうかがえる他、ペットの兎も察している模様。
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関係の変化(以下、ネタバレ注意!)
35話 悟の告白大作戦
女子生徒に告白された場面をまゆやユキに目撃された悟は、悟はいろはに告白しないのかと問われるが、困らせたくないからと否定する。しかし、別の男性といろはの親しげな様子を見て、いろはを誰かに取られるのは嫌だと思った悟は、ユキやまゆの後押しもありニコガーデンの動物達の求愛行動を参考にしつつ告白を決意する。
まゆにいろはとの出会いについて問われると、3年前、悟がヘビに襲われた大福をいろはの実家であるフレンドリィ動物病院&サロンに連れて行った話をし始める。
待合席で1人、不安に圧し潰されそうな悟を
「大丈夫だよ。心配いらないよ。お母さんが診てくれてるから。ねっ」
そう励ましてくれたのが、いろはだったのだ。
当時、動物の知識に疎かった悟は、いろはに大福の耳が立たないのはヘビに襲われたせいかと聞くが、ロップイヤーという種類でもともと耳が垂れていると教えられる。
「そうなんだ。怪我のせいじゃなくてよかった」
そう安堵する悟に…
「優しいんだね」
微笑みかけるいろは。それが恋のはじまりだった。ちなみに、この場面では花が咲く演出がなされている。
「一緒にいると楽しくて、犬飼さんが笑うと不思議と胸が温かくなるんだ。
…沢山話したくて、動物の勉強したりして…。それで、犬飼さんが笑顔になってくれたら、ボクも嬉しくて」
そんな中アカカンガルーのガオガオーンが現れる。ガオガオーンを助け出すために必死になるキュアフレンディもといいろはにアドバイスをした悟。フレンディを追いかけながら、悟は想いを募らせる。
(犬飼さん、動物達の為に頑張る君を、ボクは応援する事しか出来ない。でも──君の笑顔が好きだから…君の笑顔を守りたいから!力不足かも知れないけど、頼っていいと思える距離にいたい!!)
悟のアドバイスの甲斐もあり、ガオガオーンを浄化できたプリキュア達。
夕暮れの中、悟はいろはに告白しようとするが……。
悟「…帰ろっか!」
いろは「そうだね!」
まゆ/メエメエ「「ズコーーー!!」」
緊張のせいか、告白を断念してしまった悟。
しかし…。
「もう、驚かさないで下さいよ!
いろは様に好きって告白するかと思ったじゃありませんか!!
アッ」
その場のこむぎを除いた全員が凍りつく。
メエメエがうっかり悟のいろはに対する好意を大々的に露呈したところで35話が終了した。
36話 特別なワンダフル
メエメエに恋心を暴露されて退っ引きならない状況に追い込まれた悟。メエメエの「今のは冗談」という誤魔化しを否定し、改めて自分の想いを伝える。
「冗談じゃないよ…。犬飼さん、ボクは…君が好きだ!」
動揺したいろはは、その場から走り去ってしまう。
こむぎとの散歩から帰宅したいろはは、まゆに「兎山くんはいろはちゃんのことがずっと好きだったんだよ」と教えられる。状況を察した母の陽子に、友情の好きと恋愛の好きの違いを問う。
「上手く言えないけど……特別だから。剛くんは」
「特別…」
翌日、これ以上いろはを困らせたくなかった悟は、いろはに「昨日の事は忘れて」と伝える。いろはは更に混乱し、自分の恋心がまだ理解できず動揺が続くが、ユキに「貴女の気持ちも伝えたら」と助言される。
そんな中、悟がトビのガオガオーンに乗せられ、トキメキを求めるザクロに誘拐される事態が発生。キラリンスワンの力を借りて、ガオガオーンを必死に追いかけるフレンディ。
(悟くん──わたしが困ってる時、いつも傍にいてくれて、何度も助けてくれた。わたしもだよ!悟くんが困ってる時、わたしが助けになりたいの。悟くんと笑ってる時間が好きだから。これからもずっと、ずっと一緒にいたいから────!)
「アンタは他の奴にしなよ!」と言うザクロに対して、いろはは…
「代わりになれる人なんていない!!悟くんじゃなきゃダメなの!!!」
…と、涙ながらに自分の気持ちをハッキリ口にした。
悟をザクロから取り戻した後、フレンディは夕陽差す海岸で変身を解除していろはの姿に戻る。「自分はいつも助けられてばかりだ」と自嘲する悟に対して、いろはは「そんな事ないよ!」と否定する。
「わたしね、困ったり悩んだりした時、いつも悟くんの顔が思い浮かぶの。頼ってばかりで…いっぱい迷惑かけてごめんね…」
「め、迷惑だなんて思った事ないよ…!寧ろ、頼ってくれると嬉しい…」
悟といろはの目に、お互いの姿が映し出される。
「あのね!わたし、悟くんといるとすっごくワンダフルなの!普通のワンダフルじゃなくて、『特別なワンダフル』なの!こむぎやみんなといる時は『ワンダフル~!』って感じで、悟くんといると『ワンダフル…』って感じ…伝わったかな…?」
「うん…今、物凄くワンダフルだよ!」
「良かった…」
いろはがそう笑いかけると、赤面する悟。この場面は、悟が恋に落ちた瞬間と重ねて描かれている。
「好き」ではなく「ワンダフル」で気持ちを表現したところに二人の純真さが垣間見える。かくして、いろはと悟はお互いの想いを知って相思相愛の恋人同士となったのであった。
末永くお幸せに!
37話 みんなで初デート!?
休日、いよいよ二人は初デートに出かける。
待ち合わせ場所である鏡石前に偶然立ち寄ったまゆとユキは、二人のデートにこむぎと大福が同行する事を知り、「自分達と遊ぼう」とこむぎに提案し、こむぎも快諾。大福は、わざとらしくニコとお散歩に来たメエメエが預かる事になった。
悟を独り占めされたくないメエメエの妨害がありながらも、まゆやユキ、大福のサポートもあり、何とか平穏にデートするいろはと悟。
しかし、いろはは友達の時とは違い恋人になった悟の隣に居ると胸がときめき緊張して、いつも通りに振るまえない事を気にしていた。ショッピングモール内にある水族館でいろははその事を打ち明ける。
「わたし、今日のデートすっごく楽しみにしてたんだよ。友達の頃だって一緒に遊ぶの楽しかったから。…きっと、もっと楽しいって。…なのに、一緒にいてくれる悟くんを見てたらね…急に、急に緊張しちゃって。…わたし」
そんないろはに対して悟は、
「…ボクは、嬉しかったよ。少し不安だったんだ。友達だった頃と変わらないなら友達のままで良かったって思われるんじゃないかって。だから──犬飼さんがいつもと違ってくれて、嬉しい」
自分の素直な気持ちを口にする。
その場に座り込むいろは。悟が「どうしたの!?」と尋ねると…
「やっといつもの自分に戻れたと思ったのに、またドキドキしてきちゃって…」
顔を赤くさせながら言ういろはに、悟は目線を合わせる。
「ボクはいつもの犬飼さんも、緊張している犬飼さんも
─────好きだよ」
悟はいろはにこう告げ、二人の想いは更に深まるのであった。
一方、メエメエは偶然まゆ達に遭遇してしまい、強制的に屋上遊園地に誘導させられていた。しかし、トラメが事もあろうにキリンのガオガオーンを生み出す。
いろはと悟の初デートを邪魔されたくないというまゆの思いで、いろはと悟抜きでガオガオーンを救出することに。一同は変身するが、キリンのガオガオーンは思った以上に力が強く抑え込めない上に、大量のショッピングカートでワンダフルとニャミーの動きが封じられてしまい、まともに動けるのがリリアン一人だけになってしまった。しかし、リリアンは二人のデートを守ろうと一人でも懸命にガオガオーンの動きを封じようとする。そんなリリアンに感化されたメエメエがショッピングカートを取り除き、ワンダフルとニャミーを救出するのであった。そこに事態に気づいたいろはと悟が駆け付けた。リリアンは二人のデートを守り切れなかった事をいろはに詫びるが、いろはは「ありがとう!」とリリアンに礼を述べた。そして、いろはもフレンディに変身。かくしてプリキュアが全員揃い、悟のアドバイスにより無事ガオガオーンを浄化する。
結局、最後は全員で帰路に就くことになった。
いろはは「今日のデート、すっごく楽しかった!」と悟に告げる。
「でも、一個だけ。お願いがあるんだ。
前からずっと思ってたんだよね。…名前で呼んでほしいって」
この瞬間をずっと待ちわびていたというような表情をする悟。
「……いろはちゃん」
「悟くん!」
お互いに名前で呼び合う二人。
二人は手を繋いでこむぎ達の後を追うのであった。
二人を祝福するかのように咲いていたのはピンクのサクラソウ。
その花言葉は「永遠の愛」…。
余談
- レギュラープリキュアがテレビ放送にて結ばれたのは、ココのぞに続いて2例目だが、ココのぞは公式IF続編で結ばれたため、プリキュアシリーズ本編では史上初の事例である(付き合うなどの明言がない関係では、誠めぐや拓ゆいなど、2例だけではない) 。実に21年目にして、恋愛関係の一歩踏み込んだ進展が、初めて見られることとなった。
- 悟が恋に落ちた場面で描かれた花は、桃、アガパンサス、ヒマワリ、マーガレット、アカシアであると明かされている。花言葉はそれぞれ、桃が「私はあなたのとりこ」、アガパンサスが「恋の訪れ」、ヒマワリが「あなただけを見つめる」、マーガレットが「心に秘めた愛」、アカシアが「秘密の恋」である(諸説あり)。