古生代の終わりから2番目の紀。約3億5,920万年前から2億9,900万年前までにあたる地質時代である。
環境と生物相
先代のデボン紀に出現した昆虫や両生類が栄えた時代である。この時代の後期には両生類から有羊膜類である爬虫類や単弓類(哺乳類型爬虫類)が出現した。
季節の変化はあまりなく、1年中湿潤な熱帯気候であった。大気中の二酸化炭素濃度が極めて高く光合成には有利な環境で、ロボク、リンボク、フウインボクなどの高さ数十メートル級の木性シダ植物が大規模な森林を作り、その化石が現在では大量の石炭になっている。
かつては樹木のリグニンを分解できる菌類が出現しておらず、大型の陸棲植物食動物なども殆どいなかったので、枯れた樹木は十分に分解されないまま堆積したと考えられていたが、既にリグニンを分解できる担子菌(キノコ)類が出現しており、次第に酸素濃度は減少して気温も下がっていった。
植物の繁茂で大気中の二酸化炭素は減少し、酸素濃度は現在の1.5倍近い30%ほどに達した。当時は酸素濃度の高さによって極めて火がつきやすい環境となり、大規模な山火事が頻繁に起こっていたと考えられる(当時の地層からは山火事により生み出されたと思われる炭や煤が多く見つかっている)。
高い酸素濃度、もしくは大型脊椎動物による競争の少なさが原因か、巨大な陸上節足動物が石炭紀の大地を闊歩していた。昆虫の場合は翅を広がると60cm以上のメガネウラ、ヤスデの場合は体長2.5mで節足動物として史上最大のアースロプレウラが有名である。
末期にはゴンドワナ大陸が南極にあって巨大氷床が発達したため寒冷化が進み、氷河期が訪れ多くの生物が死滅した。