「すまんワグナス・・・・・・、誓いは、守れそうに無い・・・・・・」
「そんなバカな・・・・・・、このダンターグ様がこんな奴らに・・・・・・」
「ワグナスやノエルが、負ける訳だ・・・・・・だが・・・・・・!!」
「くっ・・・・・・七英雄は最強・・・・・・、最強なのだ・・・・・・!!」
概要
「・・・・逃がさん・・・・ ・・・・お前だけは・・・・」
仮初の体を次々に倒され、生き物の一切が寄りつかない大氷源の奥深くに本体を潜めていた七英雄。
しかし血の誓いに従い迎撃に出た最後の一人が敗れた事で数々のバックアップ対策を破られた彼らがとった最後の手段。
それはメンバー同士の本体を全て吸収・融合させ、文字通り死力を尽くして最後の決戦を挑むというものであった。
レオン皇帝に始まる歴代皇帝と現代人全ての希望を背負った最後の皇帝と、古代人への復讐を胸に帰参した七英雄。
互いに後がなくなった、栄光と死をかけた過去と未来の英雄同志による最終決戦の相手であり、空前のRPGロマサガ2のラスボスである。
尚、最終皇帝以外で対決し敗れた場合も「・・・・逃がさん・・・・」という執念ゆえか伝承法が機能せず、そのままゲームオーバーになる。
一人一人が膨大なモンスターを吸収してきた影響か、その肉体は遠目からでは水晶玉のようなものが無数に埋め込まれた肉塊そのものであり、そこからロックブーケをはじめ七英雄達の肉体が続々と生えてはそれぞれの能力の全てをかけて襲いかかってくる。
それは事前に知らされていなければとてもかつて人間だったとは思えない程に恐ろしく悍ましい。
オアイーブが残した「憎しみに囚われた今の彼らは7匹のモンスターでしかありません」という言葉は言い得て妙である。
当然その強さも半端ではない。
というか、バグか負けイベではないかと疑ってしまうほどのチート性能である。
かつてモンスターを駆逐した七英雄は、強大なモンスターを数多く吸収しており、単体でも非常に強大な力を持つ。
その恐ろしさは他ならぬプレイヤーが一番よく知っているだろう。
単体でさえとてつもなく恐ろしい七英雄が7体も融合して、それぞれが襲い掛かってくるわけである。
生半可な準備では勝てる道理がなく、多くの挫折者を生み出したみんなのトラウマである。
なお、最後の1人を倒す前に、皇帝自身がプレイヤーへ向けて「この先は引き返せないぞ。」警告してくる。人の話は、よく聞いておこう。さもないと前座の最後の七英雄を倒した後にセーブした為に引き返せなくなり完全に詰んでしまう当時のプレイヤーが多かった。
ゲーム上での強さ
ロマサガ2の発売は1993年であるが、30年以上の時を経て未だに日本RPG史上最強のラスボスの一角として語られ続ける存在にして、ゲームバランス無視級の極悪ボスの代名詞として名高い。
ぶっちゃけ、発売当時はハメ無し正攻法撃破が普通にやりこみ扱いされたというレベルである。
実際のところ、SFC時代のトラウマボスとしてはメタルマックス2のテッドブロイラーと双璧を為す、或いは上回る程の存在感と知名度を誇る。
成長がカンストした状態でも、戦い方が悪ければ、容易に叩き潰される。
具体的に言うと、
「無対策で複数名にダメージ400〜500、単体ダメージ4桁は当たり前のように飛んでくる(HPカンストは999)」
「全体攻撃に麻痺の追加効果まで付いているサイコバインド」
「無対策では4桁ダメージで即全滅のファイアストーム」
「ターン終わりに全体に600〜800ダメージ確定のグランドスラム」
「無対策では大ダメージのメイルシュトローム」
「無対策では男性キャラクターをほぼ100%魅了するテンプテーション」
「無対策で直撃、或いは行動不可能(戦闘不能・麻痺・睡眠等)時に喰らうと以降リカバリー不可能なソウルスティール」
「ソードバリア無しでは即死級の威力を持つ水鳥剣&地獄爪殺法」
「無対策で直撃すると敵に放つべき技が味方に飛んでくるマリオネット(それが全体攻撃ならば即全滅)」
「錯乱状態になる混乱+透明化(最低でも1ターン治療不可)効果のアストラルゲート」
等々、ぶっ壊れ技のバーゲンセール状態。
それ以外にも凝視(麻痺or魅了)、デッドリードライブ(全体能力低下)、動くな(全体麻痺)、催眠(全体睡眠)、ホラー(混乱)、プリズムライト(魅了)等々、搦め手も満載。
正直、これだけでもお腹一杯なのだが、一番の問題はこれらが1ターン中に最大7連続で飛んでくることである。
リマスター版でヴィクトールとの手合わせイベントをこなすと、状態異常の一切を無効化する「インタリオリング」を入手できる。
ラスボスを倒さなくともデータ引き継ぎができるので、自信がないならこのアイテム収集のために5周するのも全然アリ。
もっとも、見切りや耐性等で無効化出来る攻撃も多いので、実際に被害を受けるのはせいぜい3〜4回程度。
それまでの進行にもよるらしいが、7回行動されることはさすがにそうそうない。
もっとも、クジンシーとロックブーケもそれは承知であり、こちらを麻痺させて回避不能にしてから仕掛けてくることが多い。
むしろその程度まで抑えられるレベルに準備をしていかないと勝負にならないという方が正確ではある。
逆に最初のロックブーケだけの時なら攻撃も彼女しか仕掛けてこないので、バフをかけるならこのタイミングである。
当然ながら7人の合体状態では弱点など存在しない。
これまでなら無くてもなんとかなった強化弱体、適切な防具や見切りをしっかりつけた上で強力な技を叩き込む必要がある。
攻撃に使用される代表的な技としては大剣技の「無明剣」や斧技の「高速ナブラ」体術の「千手観音」。
術では「クリムゾンフレア」や「ギャラクシィ」が効く。
回復は「エリクサー」、或いは予防として「リヴァイヴァ」でなければ追いつかないだろう。
なお、七英雄の登場順はロックブーケ→スービエ→ノエルは固定で以降はランダム。全員揃うまではこの固定の3人が中心になって行動する。
リマスター版では以降がダンターグ→ワグナス→ボクオーン→クジンシーと固定されたように見えるが内部はSFCと同様ランダムでダンターグが出てきたのにソウルスティールを使われる…ということも普通にある。
どうしても倒せない場合
このように七英雄はとてつもなく強いが、ロマサガ2は敵も味方もとことん強くなる超大味なゲームバランスで成り立っており、味方側も反則級の技・術を使用できる。
その筆頭としてクイックタイムという術がある。
効果は使用ターンの敵の全行動を強制的にキャンセルし、次ターンに確定で先制行動できるというもの。
この術を毎ターン使っていれば相手は何もできないので、その間に殺っちゃえばいいのである。
もっとも、消費するJPは36と莫大なので(JPカンストは250)、それなりの育成は必要ではある。
使い手が1人で足りなければ、2人・3人と用意しておけば間違いない。
その他味方を強化する術が多数揃っており、攻撃が緩い開幕に「金剛盾」「ソードバリア」「祝福」「リヴァイヴァ」等のバフを盛りに盛り、「イド・ブレイク」「活殺獣神衝」といった弱体を入れることで戦況を優位に運ぶことができる。
これらの強化や適切な見切りをセットしておくことで乱数調整(状況再現)無しで一人旅ノーダメージ撃破可能な戦術が確立されているという(ただしそれでも勝率は10%ほど。単純に撃破するだけなら堅くいける)。
が、ロマサガ2はサガシリーズらしく攻略において重要なパラメータが明示されないし、育成のヒントも当然ないため、対策を知らないまま突っ込んでしまうプレイヤーが大半であり、当然そんな状態では勝つのは到底不可能。
また、ここに至るまでの戦いが基本的に「先攻をとれる陣形を組み、高火力の武器と技を以っての先手必勝」を至上とするバランス(前作もその傾向だった)だった為に、防御面を疎かにしていた人が多かったのも確かである。なお最後の七英雄とラスボスの間にインターバルが挟まるため、そこでセーブしてしまうと対策を採るためのやり直しができなくなってしまう。そうするともう最初からやり直しするしか無い。良くも悪くもこのゲームは何回もやり込むことを前提としているのである。
インペリアルサガ
第2章で戦うことになる。
しかし、中堅レアリティ以上の家臣が揃っていればこう思っただろう。「弱過ぎではないか」と。
これはワグナスが一計を講じたため。本来は、自分たちの本体ボディを集めてそれらを合体させたのが集合体である。しかし、本体のダミーを用意して合体させ、偽の集合体を作ることで、アルタメノスの皇帝に「七英雄の本体を倒したから二度と七英雄は襲ってこない」と思わせるための撹乱作戦であった。のちに成層圏へ逃げたワグナスが捕捉されたことで、この計画は帝国へ知れる事となる。
リベンジオブザセブン
「ついに辿り着いたか。」
「…だが、ここまでだ…!」
「皇帝…七英雄の、」
「'結束'の力を見よ!!」
リメイク作であるこちらでも、ラスボスとして登場するものとして発表当初から話題。
注目は、フル3D化された今作品で今までドットでしか描写されてこなかった今形態がどう描写されるかと、その強さが有名な今形態の強さが維持されるかどうかである。
本作では戦闘の仕様が懇切丁寧になり、ファストトラベルも原作以上に充実し、そのためフルボッコにされても試行錯誤を重ねやすくなっており、挑むための敷居自体は大幅に下がっている。
「かつて、ロマサガ2を途中で諦めた あなたへ」の謳い文句は伊達ではなくなったといえよう。
クイックセーブがなくなった最大の原因であろう「・・逃がさん・・」に関しては原作と同様にあるものの、逃げられない状態になってからセーブすることがオートセーブ含めできないように改変されているので詰んでしまい最初からやり直さなければならない…ということはなくなった。
ちなみに上記の台詞もそうだが、呼びかけているのはワグナスである。
合体の表現が変わっており、七英雄の本体が眠る巨大な肉塊に幻影達の精神体(意識?)が入り込む形でラストバトルが始まる。最初はただの球体だが七英雄にターンが回るたびに1人ずつ出現し、それぞれが攻撃を仕掛けて来る。最後にワグナスが「アビスゲート」を発動させながら出現する。
同時にカットインが入り、原作を再現したポーズになる。しかし原作とは七英雄の配置が異なっている。
弱点は決まっておらず、戦闘開始直後の時点でも固定ではなくランダムとなっており、やり直すたびに変わっている。
また数ターンごとに「バリアチェンジ」で弱点を変えてくるため、特定の武器や属性だけで挑むのは非推奨。
この状態になると脅威の7連携「サイコくしテンプポセイドンマリオソウル赤竜波」を仕掛けて来る。何を言っているのか分からないかもしれないが、本当にこんな名前なのだから仕方ない。
無対策だとサイコバインドで麻痺したところにソウルスティール直撃という原作の恐怖の再現をこの連携で味わうことになる。状態異常を対策したとしても、連携補正によってダメージが2倍に上がっているので単純に火力が危険。
最後の赤竜波だけでも全体に即死級のダメージを与えてくるが、その前の攻撃でもこちらのHPをガリガリ削ってくる(マリオネットとソウルスティールはノーダメージだが、テンプテーションは強化版のほうになっているので見切りがないとダメージを喰らう)ので、耐久だけで受けきるのは非常に困難。
こちらも帝国数千年の歴史で磨き上げた技術を結集して迎え撃とう。
『光の壁』や『リヴァイヴァ』等を駆使すれば、耐え凌ぐのは十分に可能である。タイムラインが次ターンまで見えることもあり、その次ターンに敵のアイコンが7連続で並んでいるという兆候が見えたら、確実に先手を取って迎え撃つために『クイックタイム』を使っておくのも有効である。
これの対策のためだけに確実に先制を取れる陣形『ラピッドストリーム』を採用する手もあるが、誰か1人でも戦闘不能になれば陣形効果が消滅することは注意(盾が発動しなくなる点も)。
『クイックタイム』を習得できてなくとも『瞬足の矢』で先手を取らせて『光の壁』や『炎の壁』(火属性の赤竜波をノーダメージにできる)を張るといった手段もある。
『ソウルスティール』はもちろんだが、『くし刺し』『テンプテーション』の見切りがあればダメージはさらに抑えられる。本作は見切り枠が4つしかない点は注意。
しかし7連携こそ1回限りだが連携そのものはこれ以降も使用してくるので油断は禁物。
尚、七英雄各員の体格はスービエやダンターグなど、元々巨体だった連中に合わせる形で全員がかなりの巨体になっており、人間の外見要素を色濃く残すノエル、ロックブーケまで巨人化している。
また原作ではノエルもロックブーケも裸だったが、本作ではちゃんと衣装を着ている。
他にもワグナスやスービエ、ボクオーンのように原作では単体時と本体時で姿が大きく異なっていたメンバーは、最終形態で統一された。
なお、一部七英雄は最終形態とも姿が微妙に異なる。
ワグナス→両翼とも悪魔じみたものに変化
ダンターグ→肩当ての消失、角の本数の増加
ボクオーン→首と肩周りに歯車状の装飾が追加、胴体が白骨化
ロックブーケ→片翼の消失
ノエル→鎧の龍の翼のパーツが消失
(2024/10/25現在は発売直後ともあり、ネタバレとなる情報は頃合をみて適宜追記をお願いいたします)。