概要
『文豪とアルケミスト』『文豪失格』に登場する「芥川龍之介×太宰治」のカップリング。
このタグを用いて投稿する場合、腐向けタグとの併用や、文アル【腐】、文失【腐】など、住み分けタグの使用が望ましい。
<文豪とアルケミスト>
公式サイトにある文豪紹介では、太宰の趣味嗜好の欄に「芥川龍之介との会話」と書かれている。
(※以下ゲーム回想・手紙・史実などのネタバレ注意)
<文豪失格>
単行本2巻のキャラクター紹介では、太宰の紹介文に「芥川のストーカー」と書かれている。
(※以下単行本内容・作者Twitter漫画・史実などのネタバレ注意)
『文豪とアルケミスト』ゲーム内において(ネタバレ注意)
音声
太宰の音声の『図書館二』『司書室一』は、芥川や芥川賞についてのもの。
井伏の音声の『有魂書二』は、太宰が芥川を相変わらず追いかけているか確認しているもの。
回想
有碍書へ―2の『走れメロス』で、二人の回想が発生する。
内心、太宰に興味を示している芥川と、憧れの人物が目の前に現れたことに感動し、いつもの自信満々な態度はどこへやら、な太宰との会話である。
太宰のことをこだわりの赤、という色で覚えていた芥川に、今ここで死んでもいいという気持ちを抱いている。
そんな太宰を見て、芥川は面白い子だと思っている。
ゲーム内で、回想発生対象となっている文豪両方の心の内を読める回想は、この回想だけである。つらい。
有碍書へ―4の『歯車』で、太宰と井伏の回想が発生する。
太宰が、「芥川大先生」とつぶやいているときに、井伏が話しかけてくるという内容。
太宰は、井伏と芥川は別次元の素晴らしさがあり、芥川は神聖不可侵の聖域であると語った。
井伏によると、今太宰は芥川の著作を読んでいるらしい。
イベント、『調査任務「カフェ・ロワイヤルの血戦」』の報酬の回想には、太宰と思われる人物が登場する。
『堀の報告二』では、太宰が回想に登場するカフェに、芥川先生がよく来ると聞き来店している。紅茶至上主義である太宰は、紅茶がカフェのメニューに存在しないことに対して不満を言っていたが、織田作之助の「芥川先生、ここの珈琲は最高やって言ってたで?」という発言を聞き、直ぐ様珈琲を注文した。
『堀の報告三』では、太宰が注文した珈琲を飲み、「これが芥川先生が親しんでいるという珈琲……」とコメント。
『堀の報告四』では、織田に、次に芥川が来る時間を教えてくれと頼んだが、断られる。一連の流れを見ていた堀辰雄は「太宰さん、ここでも芥川先生のファンなんですね」と言った。芥川の新作には、このカフェが登場しているらしい。
イベント、『奇襲作戦「斜陽」ヲ浄化セヨ』の報酬の回想には、芥川賞に関する会話が多く見られる。
『志賀と芥川の証言』では、志賀直哉が太宰に関する話題を芥川に振っている。
『織田の証言一』では織田作之助が、『永井の証言』では永井荷風と佐藤春夫が、『芥川の証言』では芥川と佐藤が芥川賞について会話している。
『芥川の証言』では、佐藤が芥川の死後、芥川賞を創った話をしており、太宰にどう接していいかわからない佐藤の話を聞いて、「へえ、かわいそうな太宰くん」とコメントした。
双筆真髄
芥川が太宰に、頼りにしていると声を掛けている。
短い掛け合いだが、破壊力は抜群。必聴。
『文豪とアルケミスト』キャラクターブック(ネタバレ注意)
「文豪とアルケミスト オフィシャルキャラクターブック」の質問コーナーで、
芥川が「太宰に慕われているけど彼ってどんな人?」という質問に答えたものが載っている。
太宰は「天才とはどんな人物のことだと思う?」という質問の回答に芥川を挙げ、「もし芥川賞がとれたらどうする?」という質問には、「芥川さん」と芥川を呼び、回答した。
太宰の関係のある文豪では、芥川が紹介されていたり、インタビューでは、芥川と太宰についてが語られている部分があったりする。
『文豪失格』漫画内において(ネタバレ注意)
1巻
『文豪、芥川賞の恨み』
太宰初登場の回。芥川賞に関する話と表題にあり、漫画内では芥川賞を欲しがった理由は「芥川を敬愛していたから」という姿勢に一貫されている。関連して「芥川龍之介」の名前を書き連ねたノートの話や、青森公会堂に講演を聴きに行った話、芥川を真似たポーズの写真の話などが紹介された。
『文豪、ラジオで生激論2』
太宰が『文豪、ラジオで生激論1』の芥川の放送に100通以上メールを送っていたことが本人の口から明かされる。番組放送内で芥川に呼びかけるシーンもあるが、芥川からの返答はない。
2巻
『文豪の神様』
生前は面識のなかった芥川と太宰の初邂逅が描かれる。初対面でガラス越しに貼りつく、目の前で川端に掴みかかる、土下座でフランス語で挨拶する(※太宰は東大の仏文科に入学している)などとギャグ漫画ならではの勢いを披露した太宰に芥川は当初かなり引いていたが、作家であると知ると態度がやや軟化している。なお、このとき川端に「彼は津島修治といいまして」と紹介されていることから、これ以降芥川は太宰の本名を知っているものと思われる。
志賀←芥川←太宰の敬愛、志賀と太宰の確執など、内容が濃い。『芥川先生にかっこいいところを見せなきゃ!』と棒高跳びに挑戦して案の定失敗して大怪我した太宰に「大丈夫か、きみ…」と声をかけるなど、芥川の気遣いで社交的な一面も描かれている。その後、志賀の提案で水泳の飛び込みに挑戦することになった太宰が芥川に「この赤い紐でお互いの身体をくくりつけて一緒に飛び込むというのは…」(元ネタは太宰の心中と考えられる)と発言し「ひとりでやってくれ」とすげなく断られている。その後川端が協力しているシーンまでは描かれているのだが、結局一緒に飛び込んだのかどうかは読者の想像に委ねられている。なお、その直後のコマで芥川の髪も濡れていることを注釈としてつけ加えておく。
『文豪の恥ずかしい手紙』
芥川が生前、結婚前にのちの妻・文夫人に当てて書いた手紙をドストエフスキーの書いたものだと誤解した太宰は「恥ずかしすぎる」「スイーツ脳」と嘲笑するも、川端に芥川の書いたものだとネタばらしされると「先生うそだと言って下さい」「そんなのは芥川先生じゃない」と暴れる一幕がある。安吾には「信者が暴れ始めたww」と笑われているが、芥川の反応は不明。
その後、志賀のリア充溢れる海外旅行の手紙に「うらやましい」と嫉妬を募らせる太宰に「僕も少し羨ましいと思ってしまったよ…」と同調する場面がある。
『文豪探偵団』
江戸川乱歩初登場回。川端に誘われた芥川が太宰を伴って(芥川曰く「無理やりついてきて」)美術品鑑賞に来た先で事件に遭うといった内容で、芥川と太宰の会話も多くあるにはあるのだが、最後に芥川・太宰のどちらも変装であったことが明かされるため、この回の関係性についてはどこまでを採用していいのか少し判断に躊躇するところである。
『文豪学園』
公式学パロ回。この回から芥川のキャラクターが比較的クールを前面に押し出したものになっている。太宰の机に書かれたいたずら書きに心を痛める夏目に「太宰くんは普段からああいう狂言が多いので」と答えたり、飛び降り騒動を起こした太宰が「学級委員の芥川くんにもいつも迷惑かけてごめんね」と謝ると「授業の邪魔になる者は二度と教室に戻ってこなくていい」と突き放して太宰を余計に発狂させ、夏目にすら(やっぱりああいう言い方はよくないんだな)と反面教師にされたりしている。正直、これだけ言われても芥川についていく太宰のメンタル強すぎてすごい。
3巻
『開講!文豪ゼミナール』
公式教師パロ回。序盤に芥川が教師をしながら発行した小説(サイン本)を太宰が書店で買っている回想シーンがある。その後、芥川の授業で100回以上手を挙げていた(本人談)ことや、芥川が入ってくるとアイドルのライブよろしくうちわを振ったり、かと思えば芥川の授業中に騒ぐ他のキャラに静かにしようよと呼びかけるなどしている。
『文豪失格』作者のTwitterによるWeb漫画において(ネタバレ注意)
2巻発売前後くらいまでは、比較的芥川と太宰をセットで扱った漫画は多い。例えば、中也が医者の息子であったことをもじったパロディの短編では待合室で隣に座っていたり、スター●ックスでPCで執筆をする芥川の隣でちょこまかしている太宰などの漫画があった(なお、このとき芥川には邪魔がられているが、2巻冒頭で見せたイライラ感がなくなってきていることから、慣れが出てきたものと思われる)。
史実
太宰は、芥川を心から尊敬しており、芥川の著書を学生時代から愛読していた。芥川がよくしていたピストルポーズで写真を撮っていた。また、芥川の自殺を知った際、太宰は衝撃を受けたため、下宿にしばらく閉じこもっていたという。
ゲームでも漫画でも芥川賞に関するセリフがある通り、太宰は芥川賞受賞を切望していた。
第1回芥川賞の候補として選ばれ、受賞する気満々でいた太宰だが、結果は落選であった。選考委員であった川端康成の「作者目下の生活に厭な雲ありて、才能の素直に発せざる憾みあった」という選評を見て、「刺す。そうも思った。大悪党だと思った」と書いた。青空文庫(→リンク)で読むことができる。
そして第2回。選考委員だった佐藤春夫に「佐藤さん、私を忘れないで下さい。私を見殺しにしないで下さい」と書いた4メートルにもわたる手紙を巻紙に毛筆でしたため、送っている。
さらに第3回。太宰は再び「何卒私に与へて下さい」と川端へ手紙を出している。
この時の太宰は腹膜炎にかかっていたため、緩和のために打っていたパビナールの中毒になり、薬代などで借金をし、賞金のために芥川賞を切望したということであるが、芥川という敬愛する人物の名が付いているこの賞が欲しかったという理由でもあったと信じたい。結局太宰は、前に候補に挙がった作家や投票2票以下の作家は候補としないという条件により、候補にすら選ばれることはなかった。
太宰は志賀直哉に対して、「如是我聞」に「君について、うんざりしていることは、もう一つある。それは芥川の苦悩がまるで解っていないことである。」と書いた。こちらも、青空文庫(→リンク)で読むことができる。
また、太宰の走ラヌ名馬(→リンク)では「アア、忘レルモノカ芥川龍之介先生ハ、イノチ迄。」と記しており、太宰への尊敬の念が窺える。
最近、太宰が芥川龍之介という名を書き連ね、芥川らしき人物の似顔絵が多く描かれたノートが発見された。
(※不備などございましたら、加筆修正をよろしくお願いします。)