概要
軍艦巻きのネタの一つで、その名の通り、イクラ(鮭の卵)が主役の軍艦巻きである。
いくら軍艦は今や人気の鮨ネタの一つなのだが、その歴史はまだ浅く誕生してからまだ70年程しか経っていない。
鮭の卵としての「イクラ」自体は平安時代から存在しているようだが、どんな食べ方をしていたのかは分かっていない。江戸時代の「本朝食鑑」にイクラは「はららご」として記載されている。そこには塩漬けにした筋子をほぐしてバラバラの粒にしたものだと書かれている。但しこれは天日乾燥した保存食で、現代のような生のイクラではなかったようである。明治40年以降になってようやく、イクラはカムチャッカでのサケ・マス漁業の発展によって、ロシア人から伝わった。日本で生のイクラを食べるようになったのはこの頃なのである。