お市(信長協奏曲)
おいち
織田信長の妹。
幼少から兄、信長(サブロー)に懐いている。
自由奔放で、サブローを驚かせる為に逆さになって木にぶら下がる、蛇をわしづかみにして捕まえる、姫なのに馬の立ち乗りもこなすなど見事なお転婆っぷりを見せる。
蛇や亀が好き(侍女は引き気味)、本田忠勝の顔を両手で挟んでその目つきの悪さを「気に入った」と発言するなど、サブローの影響を大いに受けた性格。
他国の人間から見ても美形と言われるが、性格や立ち振る舞いから「美しいが少々変わっておられる」と評される。
サブロー曰く「重度のブラコン」。
夫の浅井長政に兄がこの世で一番好きな男だと屈託なく言った事もある。浅井家に嫁ぐと決めたのも、明智光秀と話した「兄の役に立つ為にできる事」だったから。
父はお市が物心つく前に亡くなっており、信長(サブロー)は兄でもあり父親のような存在。サブローの真似をして相撲をやりたがったり、木に登ったりするところからそれが窺える。
お市の性格や価値観はサブロー似であることは周知の事実。
サブローへのブラコンっぷりは男女の情というよりも雛の刷り込みに近い。
長政への「兄が一番」発言も「将来はパパと結婚する」くらいのニュアンス。それでも男として夫としては面白くないものがあるだろう。実際、お市の無邪気な言動は長政の闘志をいつも燃やしてしまっている。
長政との夫婦仲は良好。
兄への好意が目につきやすいが、皆がお市に似ていると言う三人の娘のことを長政似だと言い切ったり、サブローに名前を呼ばれるまでは長政と共に小谷で死ぬつもりだった。
いわゆる政略結婚ではあったが、お市なりに浅井での暮らしに楽しさや愛情を見出していた。
「その身に、織田と浅井の血が流れていることを、誇りに思って生きよーー」
燃える城を背に、お市の目からは涙がこぼれていた。それでも振り返ることはなく。
その後は、サブローの配慮で尾張の清州城への移住を勧められたが拒み、岐阜の城を居住地とする。
三児の母親になっても、子供のような純真さや好奇心旺盛な性格は変わっていない。