概要
上白沢慧音(けーね)は『東方永夜抄』等、稗田阿求(あきゅう)は『東方求聞史紀』等に登場する。
二人はいずれも人間の里に住まい、原作中で交流があることが明示されている。
そして両者ともそれぞれに「歴史」を記録し、編纂する人物たちでもある。
歴史を「創る」
慧音は人間時には「歴史を食べる程度の能力」を持ち、ハクタク時には「歴史を創る程度の能力」をもつ。
阿求は「幻想郷縁起」において、歴史とは「誰かの手によって」歴史として記録・著述されることで「歴史」となると述べている。歴史は出来事を如何なる形で記録するかによってその形が形成されるもので、捏造や意図的な無記録などの方法で「歴史を操る」こともできる。
白沢もまたそういった権力者の都合に依るものであるとしているが、一方で阿求自身もまた転生を繰り返しながら「幻想郷縁起」を通して「歴史」を編纂し続けている。稗田家の蔵書は慧音の能力の及ばない所のものであることから、過程こそ違いはあるものの阿求もまた慧音と同じく「歴史」を創り出す人物でもある。
また慧音は「稗田家との繋がりも深い」と今代の稗田家当主でもある阿求が述べており、その千年単位の稗田家の膨大な蔵書・資料は慧音の授業に役立てられているとしている。ただそのため阿求は慧音の授業の内容について「知っている事ばかり」であるとしており、さらに内容について「大半はうちが纏めた内容だし…」とも述べている(『東方求聞史紀』)。
二次創作では
二次創作では、慧音が「先生」として年齢的にまだ幼い阿求に接する様子が描かれたり、あるいは実年齢こそ幼いものの転生を繰り返す経緯から精神的には成熟した阿求に慧音特有の暴走(例えば藤原妹紅絡み)を呆れられるなど、単なる年齢差だけではない、両者の厚みのある背景を織り込んだ様子で多様な二人の関係が描かれている。
また「歴史」にまつわるライフワークという共通点からも積極的な交流が見られる様が描かれるなど、様々な在り方の「けねあきゅ」が創作されている。