概要
岐阜県洞戸村(現在の関市)付近に伝わる伝説で語られる高賀山に棲むとされる魔物の一種。
漢字では「猿虎蛇」と表記される事からも分かるように猿の頭、虎の体、蛇の尻尾を持った鵺に酷似した
伝承によると村に度々おりて来ては田畑を荒らし、女子供を攫っていたばかりではなく、夏の盛りに大雪を降らすという悪行三昧を散々働いていた為、困り果てた村人たちは都の御門に直訴して軍勢を派遣してもらう事を頼み込んだ。
村人達からの要請を受けた朝廷は藤原高光を派遣するが、都から派遣された兵たちでは山での戦いに不慣れだと考え、まず魔物との決戦を前に『高賀神社』を再建し、村人たちと共に魔物退治の祈願を行った。
そしてある日、夢で「瓢箪を射よ」との神託を受けた高光は様々な困難を乗り越え、瓢箪に化けていたさるとらへびを討伐したとされている。
余談
この伝承は文献には載っておらず、口伝で伝わっていたもので、元々は牛の角を持つ大鬼退治と雉のような鳴き声を発する鳥の妖魔の話だったのが、江戸時代に平安時代の鵺退治の話がこの地に広まった際にこの2つの話が単純化されて現在の形になったという説がある。