しあわせのそねみとは、桜玉吉の「しあわせのかたち」におけるシリーズ作品の一つである。
概要
切っ掛けとなったプロレス・K-1観戦の話も含めて全10話。単行本5巻に収録。玉吉・ちょりそのぶ・ヒロポン・金ちゃんの4名による、1993年9月10日~11日の伊豆旅行の模様を描く。
「つやつやワールド」の異名をとった、それまでの「しあわせのかたち」とは大きく方向性の異なる、濃厚でレアー、かつ人間の深層心理を深く抉る内容で綴られる。切っ掛けとなったプロレス・K-1観戦の回では「これを続けたら読者も人脈も仕事もなくしそうだ」とコメントしていたが、周辺での評価が意外と良好であったことからシリーズとして該当旅行の内容を描くこととなった。読者の中止希望アンケートでは、中止要望票153票が集められたが、その一方で募集していない筈の継続要望票も66票寄せられている(相殺しても87票の中止要望となり、ボーダーとして設定した50票を上回ったため、結局中止判断が下った)。
あまりにも重すぎたその内容は氏の作風そのものに影響を与えたらしく、シリーズ終了後も「そねみ」タッチのカットや書き文字が登場するようになる。「しあわせのかたち」の連載はシリーズ終了の7回後、第228回で終了することとなるが、とうとう最後まで完全脱却はならなかった模様。
登場人物
基本的に登場人物は「しあわせのかたち」の日記編と同一であるが、呼ばれ方が異なる。
ひねきち
桜玉吉氏。「地球防衛隊」隊長。鼻が大きく伸びた姿で描かれている。
ちょりぞう
ちょりそのぶ氏。このシリーズでも頭からベニテングタケが生えている。
ビロボン
ヒロポン氏。後の「漫玉日記」シリーズで描かれる氏の姿は、このシリーズでの描かれ方の影響が強い。
きん
金ちゃん氏。作中では比較的温和な描かれ方をしているが…。
余談
作風変化が目を引くこのシリーズであるが、旅行での出来事の強烈さも相当なものである。漫画であるためある程度の脚色があるものとは思われるが、その実どこまでが実体験なのかは不明。もっともシリーズ終了直後にヒロポンが「凄くコストパフォーマンスの高い一泊二日だった」という感想を述べている辺りからすると、大部分は実体験であったものと思われる。