しおんぱい
しおんぱい
原作での紫苑は比較的スレンダーな体形でほっとりとしている。
パーカーやストレートなスカートなどの服装もあって立った状態などでは広がりや厚みよりもすらりとした直線的な印象を与えるデザインである。
また紫苑本人が貧乏神として本人の希望の有無にかかわらず欠乏の環境にあること、特に身体の発育や成長、維持にも関わる「食」について「いつもお腹いっぱい食べる夢を見ている」（ドレミー・スイートによる紫苑の夢評、『東方憑依華』）ともされるような欲求状態にあることから、「食」の方面からも空腹感という観点で紫苑の欠乏の様をみることができる。
二次創作においても、紫苑の「自身をも不幸にする貧乏神」としての性質がボディラインのデザインを通しても表現されることがあり、先述のようなスレンダーな様子、時には飢餓的な痩身も想像させるようなデザインで描かれることもある。元々の紫苑の身体の個性であるか栄養状態の要因であるかは様々ながら、胸元もスレンダーなものとなることも多い。
他キャラクターとの対比としては、例えば原作中の様々な場面で食に接する様子が描かれ、カラーリングとしても明るい赤系統が目を引く茨木華扇などとは二次創作でも対照的である。
ボディラインを指す表現として「豊満」など「豊」の語が用いられることがあるが、紫苑はこれとは逆に胸元にまつわる語にも用いられる「貧」の属性に位置する存在であり、その身体の様子を通しても「貧」を現す存在であると捉える視点である。
一方で紫苑の発育状態や健康状態などが良好であると想像するアプローチもまたあり、「しおんぱい」が意図するアプローチはこちらにより近い。欠乏した貧乏神ながら健康状態やその身体は恵まれているというギャップである。
あるいは、飢餓など極限の環境下に耐えるため、ラクダのコブのように栄養ないし水分を胸部に蓄え生き延びようとした哀しき進化の不思議かもしれない。
前提的ストーリーの一例としては紫苑は『憑依華』作中では依神女苑の金銭管理のもとで女苑の搾取分のおこぼれにあずかっており、絶望的な困窮の状態にはなくむしろ女苑が持ち込む良い環境の一端を得ているのではないかとする想像などがある。
「 他人の財でもいいから着飾りたい 」とする紫苑の実際の餓えのほどをどのように捉えるかによって紫苑の姿にも想像が広がっている。
「しおんぱい」にみる女苑とのかかわりとしてはボディラインが「豊」かな紫苑と身体については「貧」の女苑という対比が描かれることもある。姉さんの面目躍如の一例となるだろうか。
また紫苑は不運を溜め込む性質も持ち、ボディラインがこの溜め込んだ不運の総量のバロメーターとして機能すると想像するものもあり、例えば溜め込み量の多さに比例して紫苑の身体が伸び縮み・成長収縮するといった二次創作的アプローチでは紫苑の胸元もまた受け入れた不運の量に応じて変動したりする。「 スーパー貧乏神 」（『憑依華』）時などは推して知るべしといったところだろう。同種のアプローチは紫苑以外では鍵山雛などにも見られることがある。
紫苑は『憑依華』以後存在性が幻想郷に示されてその生活や活動範囲、人間関係も変化しており、紫苑のどの環境を描くかによって二次創作でもアプローチが様々ある。「しおんぱい」もまた、変化し続ける紫苑の様にも合わせて可変的なアプローチであると言えるだろう。
「しおんぱい」は紫苑にまつわる二次創作的デザインアプローチであることをはじめ、紫苑の過去・バックボーンや今の日々、あるいはその未来にまで広がる想像にも沿うことのある、複合的なアプローチでもある。
なお、胸にまつわるタグ全般への注意として、胸関連のアプローチは好みの分かれるところでもあることや露出の多いあるいはR-18に分類される作品となることも少なくないことなどがある。そういった創作が好みでない場合などは閲覧にも注意が必要である。
pixivでは紫苑の胸にまつわるタグとして「しおんぱい」の他に「豊かな貧乳」のタグが用いられている。こちらは先述のような「豊」と「貧」の背反的な語を共に含んだ、「貧乏神なのに豊か」を象徴的に表現するものと言えるだろう。
ただしpixivでは「貧乳」のタグがオリジナル作品を含めてpixiv全般の全ジャンルにわたって用いられるものであるため、部分一致検索などでは完全に紫苑だけを指し示すことが出来ないという検索上の欠点も持つ。特に「貧乳」の属性と「豊かな貧乳」が指し示すものが真逆であるために「貧乳」側からの検索に「貧乳」でない「豊かな貧乳」がヒットしてしまうなどのケースは、オールジャンル的サイトであるpixivの仕様上やむを得ないことながら難点でもある。
