概要
漫画『タコピーの原罪』における、久世しずか×雲母坂まりなのカップリング。
作品によってはまりしず(雲母坂まりな×久世しずか)タグが併用されることもある。
2016年時点では二人とも小学4年生。学校ではクラスメイトかついじめっ子といじめられっ子の関係である。また、コミックの表紙は上巻のしずかちゃん、下巻のまりなちゃんが仲直りリボンで繋がれている仕様。
pixivでは
本編ではまず見られない仲良しな二人を描いた作品が大半であり、タコピーの原罪のファンアート全体に言えることだがどうしてこうならなかった系統のタグが付いたものも多い。だが、最終回を迎えると…。
作中での描写
以下、第1話からのネタバレを含みます。閲覧にはご注意ください。
小学生編
久世しずか(しずかちゃん)
まりなちゃんが率いる女子グループから日常的にいじめられている。
ランドセルなどの持ち物はボロボロにされ、直接的な悪口や暴力も受け、精神的にも追い詰められていた。普段は抵抗する術を持たなかったが、内心では学校が嫌になった原因であるまりなちゃんが「いなくなればいいのに」と願っており…。
雲母坂まりな(まりなちゃん)
しずかちゃんのクラスメイト。彼女をあの手この手でいじめており、会う度に「寄生虫」などと呼ぶ。
ある時には彼女の愛犬で心の支えだったチャッピーを保健所送りにする暴挙に出た。だが、第4話で思わぬ形の報復を受け…。
まりなちゃんがしずかちゃんを執拗にいじめるのは、自分の父親がしずかちゃんの母親に入れ込み、それがきっかけで雲母坂家が崩壊したためである。
もっとも、本人ではなく娘のしずかちゃんをいじめるのは八つ当たりでしかない。
作中での数少ないしずまり(まりしず)要素はタコピーのイメージだけである。
- 第2話
まりなちゃんがしずかちゃんをいじめる様子も、やたらと見つめてくる姿も、タコピーのハッピーeyeにかかれば「ケンカの仲直り」のために気を引きたいからとなる。このコマのまりなちゃんはとにかく可愛い。
- 第3話
まりなちゃんとしずかちゃんが“おはなし”することで、今度こそ仲直りできるはずとタコピーが意気込むシーン。このコマでは嬉し涙を浮かべ、お互いの手を握り合っている。実際の二人は仲直りどころではないが…。
第4話以降もまりピーとしてタコピーが(ここぞとばかりに)しずかちゃんとイチャついているので、少なくとも外見上はしずまりである。外見上は。
さらに第11話〜第13話までのネタバレを含みます
高校生編
第11話終盤から展開。2022年にタコピーは初めて地球に降り立ったようなので、第1話でタコピーが介入せず、しずかちゃんがいじめられ続けた世界線と言える。
「聖クリスティーナ女子学園」に通う高校生。小学生時代と同様に額を出したロングヘアーで、頬には深い傷跡がある。性格も大きく変わらないようだが、実は幸せなお母さんになり、幸せな家庭を築きたいという夢があることが判明。
その他にも元同級生・東直樹と再会し、そのまま付き合うことになるなど、タコピー(ごみくそ)が来てから徐々に前向きになっていく。
そのため、「最近はちょっと悪くない」と思い始めていたが…。
高校生編当初は音沙汰なかったが、転校生として地元に戻ってくる。
小学生時代の面影は残しつつ、周囲に「すっごい美人」と噂されるような女の子に成長した。だが同時に自殺未遂したという噂も流れている。
恐らくタコピーと初めて出会った時のように自殺を試みるが、丈夫で無限に伸びる仲直りリボンを使わなかったことで失敗し、その後に然るべきところへ保護されたと思われる。
そのおかげで生活環境も改善したようだが、タコピー曰く「目が怖い」らしい。
家庭の詳細は不明(東くんの「身寄りもないのに」などの発言から、児童養護施設で育った可能性もある)。
まりなちゃんの彼氏である東くんをあっという間に陥落させる様子はまさに魔性の美少女。
タコピーが2016年に戻ったのは、母親を手にかけたまりなちゃんがこぼした「小四のとき、ちゃんと殺さなきゃだった。久世しずかを…」という言葉を真に受け、彼女をハッピーにするためには「小四の時に久世しずかを殺す」ことが必要と判断したため。
しかし、タコピーは「殺す」という言葉の意味など知らなかった上に、ハッピー星でその記憶は抹消され、2016年に行くことはできたものの、やってきてからはしずかちゃんに夢中になってしまう。
皮肉な事に自分の渡したハッピー道具でしずかちゃんが自殺したため、タコピーはその未来を避けるための行動を繰り返し、彼女を守ろうとした結果、元々助けるはずだったまりなちゃんを殺害して、高校生のまりなちゃん自体が存在しない未来を作ってしまった。
殺害対象だったはずのしずかに感謝されたことで「殺す」という言葉の意味をタコピーは初めて知ることとなる。
……結局のところ、まりなちゃんは親子共々奪われる立場だったという報われなさだった。(※)
(※)もっとも、2016年での行動と2022年で囁かれたしずかちゃんの自殺未遂を併せて考えると、まりなちゃんは小学生の頃にしずかちゃんからチャッピーを意図的に「奪って」いるのだが。
だが、最終回となった16話では…?
ここから先は最終回のネタバレです。閲覧には注意してください。
第16話「2016年のきみたちへ」では、タコピーが自らを犠牲にして全てをやり直した状態でスタート。
タコピーがいた時と同様にまりなちゃんはしずかちゃんをいじめていたが、彼女のノートにあった落書きを見つけ、ペンを刺そうとした手を止める。
しずかちゃんが適当に描いたという、知らないはずなのにどこかで見覚えのある絵。
「…壊滅的にバカっぽい」「ごみくそってかんじ」
「でも…なんかしそう」「いっつもなんか…ついてきそう」
口では落書きを罵倒しながらも、頭の片隅に残るタコピーのことを語り合う。その二人の様子はタコピーが伝え続けてきた“おはなし”そのものだった。
この世の誰も知らないが、自分達だけが朧げに覚えているいつかの記憶を辿って不器用な“おはなし”をしていた二人は、気が付けばどちらの目からも涙が溢れ始め、二人揃って声を上げて泣いたのだった。
もう1人じゃない“きみたち”が
きっと大人になれるようにーーー
そして、最後は高校生になり、制服姿(※)で買い物をする二人が登場。
会話の内容やまりなちゃんの頬の傷跡から、お互いの家庭環境が大きく変わった訳ではないものの、チャッピーは保健所送りにされておらず生きており、日常会話の中でお互いの家庭環境についての軽口を叩けるほどの仲に進展した模様。
※一見すると同じ制服に見えるが、リボンの形等、細かな違いがあるようにも見えるため、他校生である可能性がある。
この最終話が公開された直後、高校生になった二人の「軽口とはいえ相変わらず口の悪いまりな」「それを馬耳東風と聞き流し新しいコスメを買いたがるしずか」という腐れ縁の関係性を思わせる描写が多くの読者に刺さったようで、この二人でのファンアート・二次創作が爆発的に増加。
Twitterでも「百合エンド」が一時トレンド入りし、タコピーの原罪は幕を下ろした。