概要
「少女☆歌劇レヴュースタァライト」における、神楽ひかりと大場ななのカップリングタグ。
接点
初接近は第2話。
ななからひかりに向けてダンス練習のペアを頼むシーンや、オーディション会場前にてななは歓迎のバナナプリンを渡そうとしたが、ひかりから断られるシーンである。(ひかりはプルプルしたものが何であろうと苦手である為厚意を無駄にした訳ではない。その証拠に第3話でバナナマフィンを作ってきた際にはバナナマフィンを取ってその場を去っている。ただ、食べていなかった事自体はこの話の中盤で判明するが…。)
これらのシーンも「編入したてでクラスに馴染めない転校生に優しく接しようとする面倒見のいいお姉さん役を買って出ている」という風に見えるのだが、第7話以降真実を知ってしまうとその観点は大きく崩れ去る事となり、「自らが勝ち取った権利で繰り返している1年間の物語に起こるはずのない異変、突然入り込んだ異常な存在そのものに対して何者なのか探りを入れている」状態である事が判明する。
それについての大きなターニングポイントが第8話での『孤独のレヴュー』。そのレヴュー内で大場ななは片方の刀だけでひかりを相手取り、憐憫すら浮かべた煽りなどの表情を初めて見せている。同回では「かわいそう、そんな小さな剣で」とひかりのキラめきを失った短刀を哀れんだセリフも見せており、最終盤では二刀流を解禁、圧倒的優勢のまま押し切るかと思われたが、ひかりが「華恋とのスタァライト」という夢を見出した為、ひかりのキラめきが再生産。キラめきを取り戻したひかりにななは敗れることとなった。しかし、敗れてなおななは「いいの?いつか華恋ちゃんと、あの子と戦うことになっても」と揺さぶりをかけた。
また、12話のあらすじで神楽ひかりの運命の舞台が「虚無の再演」と表記された事により、「再演」という共通点も存在している。
コミック版「少女☆歌劇レヴュースタァライト OVERTURE」では、神楽ひかりが上手くカモフラージュしておいた(と、本人は思っている)モミの木が西條クロディーヌに言及されそうになった時に、大場なながそれを誤魔化してフォローした。
また、ゲームアプリ版での大場ななホームセリフのひとつである「今日はどんなデザートを作ろうかな? ひかりちゃんは、ぷるぷるしたもの苦手だし……」の時の彼女のイタズラな表情は、必見である。
二次創作
前述のことに加えて、神楽ひかりは数学が壊滅的、大場ななは数え切れない程の再演を経ても勉強が苦手という共通点がある。これにより、二次創作においてはテストの点数で煽りあったり喧嘩したり、逆に妙な意気投合をして俗に言う「馬鹿」をしたり、気を使わない、あけすけな関係で描かれる事が多々ある。類型としては「男子中学生のノリにおける悪友(親友)」という概念が近いかもしれない。
その上で大場ななからすれば「自らの願いを断ち切った存在」という観点からか、仲が悪くガチ喧嘩を繰り広げたり、ひかりに対しては特にななが容赦なく毒を吐くような描写もある。
他のカップリングを前提としたうえでコンビとしてタグを使用されることもあれば、この二人が恋愛的な意味で成就する作品の場合も、また同様にこのタグが使用される。
時は流れて2021年…(劇場版の重大なネタバレにつき閲覧注意!)
公式からのCPとしての供給が特に無いまま、時は流れていたが、2021年、突如としてこのCP名が脚光を浴びることとなった…。
事の発端となったのは2021年に劇場公開された映画「劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト」のエンディング中に流れたワンシーンの中でとある事実が発覚、大場ななが神楽ひかりと同じ「王立演劇学院」へと留学していた事であった。(このエンドロール内ではひかりは日本へ再び発ち、聖翔音楽学園を卒業した仲間達の元を訪れるという内容で、最後に携帯でななと会話をしており、「そう、ちゃんと皆に会えたんだ」と発している。)
この事態によって「神楽ひかりは現在ロンドンで大場ななと同棲しているのではないだろうか?」というファンの憶測が加速。いつの間にかファンの7割近くは妄想で補っている状態にもかかわらず彼女はロンドンで一緒に住んでいるものとして扱われている。(なお、実際にそんな事実は明言されておらず存在しない。)
この記事を参照してもらえばわかるのだが、アニメ劇中の神楽ひかりの生活レベルはあまりに低く、これまで一人暮らしをしていたのが嘘のような状態であったのも、ななが飛び抜けて家事ができることで仲間内から母親のように扱われていた事も、この説を強く決定づけてしまった。(しかし、本作の監督である古川知宏氏は「神楽ひかりには生活力がある」と評している。)
さらに時は流れて2023年……
2023年2月に公演された、舞台「#4 Climax」にて、再度このCPが注目されることに。
この舞台では、卒業式を数日後に控えた99期生たちの物語が描かれる。
ロンドンで、王立演劇学院の受験に臨むななと、それを応援するひかり。そこでの二人の会話……
なな「あと……家のこと、なんだけど……本当に私、居候しちゃってもいいの?」
ひかり「シェアするなんて当たり前のことよ。気にしないで一緒に住みましょ」
まさかの公式でななひか同棲が明言された瞬間である。
なお、舞台版の物語と、アニメ・劇場版の物語は別の世界線であることは留意していただきたい。舞台版で示唆された設定が、アニメ版や劇場版の設定に反映されているとは限らない……のだが、ファンの間にはにわかに衝撃が走ったことは言うまでもない……