概要
2001年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品
本作は『月刊漫画ガロ』にて連載されていた『ねこぢるうどん』(作・山野一 画・ねこぢる)を元に製作された作品で、ねこぢる氏の死後に制作されたオリジナルビデオアニメーションである。
原作のアニメは、先に『ねこぢる劇場』のタイトルで制作されたが、その続編ではなく無関係の新作品である。今作では脚本、絵コンテ、演出、作画監督に湯浅政明を迎え、原作本来の画風を生かしつつ、湯浅氏独自の世界観を融合させた幻想的な映像になっている。
内容は漫画『ねこぢるうどん』の各編のシチュエーションをモチーフにしながら、半分失われた姉のにゃーこの魂を取り戻すために、弟のにゃっ太と共に旅をするロードムービー風のオリジナルストーリー編となっている。
通常のアニメと違い、台詞がほぼ無く、あったとしても漫画の様に直接吹き出しと共に台詞が書かれているという独特な作風になっている。登場キャラクターは猫が多いが、人間や豚なども登場している。ちなみに『ねこぢる草』は、主人公は『ねこぢる劇場』同様に猫の姉弟であるが、視点的には弟が主人公といっても過言ではない活躍をしている。
グロテスクでサイケデリックなシーンが多く、通常のアニメでは見られない精神の深淵や暗部を覗き込む、まるで電子ドラッグのような作風から、原作共々カルトなファンが多い。
終盤のカタストロフィー的な展開で用いられた映像技法は、後の湯浅氏の監督作『マインド・ゲーム』などに活用されている。本作に湯浅氏が関わっているからか、湯浅氏の監督作と間違えられる事も多い。2014年9月20日に発売された『湯浅政明大全』には本作の設定資料も載っている。
よく間違われるが、タイトルの読み方は『ねこぢるぐさ』でなく『ねこぢるそう』である。
※注意
この作品は、トラウマ級のグロテスクで残酷な表現が多用され、もはや原作を凌ぐようなレベルである為、そういった表現が苦手な方は視聴する際に注意すること。
あらすじ
姉のにゃーこが病気で伏せている。
その頃、弟のにゃっ太は死神がにゃーこの魂を奪いに来る所を目撃する。
にゃっ太は魂を取り返そうとするも、半分は死神に奪われてしまうが、半分は姉の元に戻す。
にゃーこは一命をとりとめたが、それ以来生気が抜け落ちたままになってしまった。
にゃっ太はそんなにゃーこに元気を取り戻してもらおうと一緒にサーカスに行くが、そこで現実と妄想が入り混じった不思議な体験をする。
登場人物
声優による台詞がないためCVは無し。
にゃーこの弟。他のねこぢる作品では姉とは違い言葉が話せずテレビの影響で「ぶぁーか」と喋れるようになっていたが、『ねこぢる草』での活躍を見る限り喋れる様子。
他の作品では姉弟が主人公だったが、今作では活躍を見る限り彼が主人公となる。
にゃっ太の姉。弟のにゃっ太とは違い言葉が話せ、子供特有の残酷さを持つ淡白な性格であるが、『ねこぢる草』では最初から病気で伏せており、魂が半分死神に奪われ生気が抜け落ち、台詞はほぼ無し。今作では魂が半分抜けているせいか、これといった主人公らしい活躍は無い。
にゃーことにゃっ太の父親で、アルコール中毒。
いつも焼酎を飲んでいる。
どの作品においても一度も喋った事がなく「…」の吹き出しのみである。
にゃーことにゃっ太の母親で、登場人物の中では常識のあるキャラクター。