「真なる竜の力を受けてみよ!」
概要
大地竜の王アマロックスの娘にして、ギルガスの幼馴染。現在は人間界の魔法学校に留学している魔法学校生。とある出来事がきっかけとなり、ギルガスに好意を寄せている。
王の後継者になるべく幼い頃から英才教育を受けたことによって、優れた魔法の才を示し王族に相応しい立ち居振る舞いを身に付けていたため、大地竜族の未来は明るいと言われていた。しかし、人間界にある魔法学校に留学してから様々な騒動に関わるようになったことで、長老たちから心配されてしまっていた。
変身魔法を完全に会得できていないギルガスとは異なり、アメリスは変身魔法を完璧に習得している。それでも角と尻尾を隠していないのは、ギルガスとお揃いの姿になる為であった。それを知らない周囲の者たちからは、半人半竜の姿のアメリスは魔法学校の落第生と思われている。ただギルガスがいたずらで壊してしまったものをアメリスが魔法で綺麗に直した場面を目撃している人もおり、実は優れた魔法の実力を有しているのではないか…といった声もなくはなかった。しかし、変身魔法もまともにできない彼女にそんな芸当できるはずはない、とただの噂に留まってしまっている。
ギルガスとの出会い
上記のような生まれが故、幼い頃のアメリスは孤独な日々を過ごしていた。だがある日、燃え上がる冒険心から大地竜の領域に密かに潜入してきたギルガスと出会ったことで、彼女の日常は劇的な変化を迎えることになった。
遠慮もなく近づいて来ては時にいたずらを仕掛けてさえきたギルガスの存在は彼女にとって大きな刺激となり、ギルガスと行動を共にすることによって泣き笑い、年相応の楽しみを覚える事ができた。そんなギルガスの存在はアメリスの物静かだった性格を明るく活発なものに変えたのだ。
大地竜族と炎竜族が対立関係にあった中での、このような交流は非常に稀有な例であった。
人間界へ
ある日、アメリスはギルガスと一緒に人間界に行こうという話になり、その方法について考えることになった。人間界に行くためには人間の姿に変身しなくてはならなかったのだが、アメリスもギルガスも変身魔法をまだ学んでいなかったのだ。そこでギルガスが「炎竜族の禁書庫に変身魔法に関する書物があるから、それをこっそりと盗み見て魔法を習得しよう」と提案してきた。炎竜族の禁書庫は、限られた者にしか入ることが許されていなかったのだが、決意を固めていたアメリス達に躊躇いなどなかった。
そうして行動を開始した2人だったが、炎竜族の領域に忍び込む際のギルガスの手引き、禁書庫へ続くギルガスが知る秘密の通路の使用、これらのギルガスの協力の甲斐もあり2人が禁書庫に辿り着くのにさして困難はなかった。
禁書庫に到着するとギルガスは見知った場所のようにはしゃぎながらも、巨大な竜の石像の近くにあった目的の書物を見つけた。その次の解析をアメリスが担ったのだが、これまた難しいことではなかった。事は思った以上に順調に進んだので、ふたりが喜んだのも束の間、突然巨大な石像が自分たちに向かって咆哮を鳴らし始めてしまう。禁書庫内に設けられた侵入者を探知する装置が作動してしまったのだ。
突然の事態にアメリスはひどく狼狽した。大地竜族のアメリスが、炎竜族の禁書庫に無断で侵入したことが発覚すればただ叱られる程度で済むはずがなく、どんな処罰を受けるかもわからなかった。アメリスたちはこの場からただちに去るべく秘密の通路に向かったのだが、アメリスが通路に飛び込んだところでギルガスが扉を閉ざしてしまったのである。「先に逃げろ。後のことは心配しなくていい」、扉越しからいつもの陽気な声と共にギルガスは笑ってすらいた。
アメリスの決意
無事に窮地を切り抜けられたアメリスではあったが、それからしばらくギルガスと会うことが叶わなかった。見捨てるような形になってしまったこともあり、心配は募るばかりだったが、アメリスだけでは炎竜族の領域に近づくことすらできなかった。再び会えることを願い、またその時には自分のことをかばってくれたことに感謝を述べようと繰り返し考えていると、アメリスは自分が抱くギルガスへの想いが、ただの友人に対するものではないことに気付いたのである。そこでギルガスの動静を知ると、アメリスがじっとしていられるわけがなく、自分も人間界に行く決意をしたのは必然と言って良かった。その際に使われた口実が、完璧な後継者になるために魔法学校へ留学するというものであった。
余談
彼女の名前は某合衆国に似ているが、2024年3月に日本版で行われた公式生放送のクイズコーナーではそのネタを意識した問題が登場した。それはギルガスの幼なじみの名前を回答しろというもので、選択肢は「フラリス」「アメリス」「イキリス」「イタリス」。